「食育」が推進されてから15年。
小学校や中学校などの教育現場でも「食育」を通していろいろな学びがなされてきました。
「食」の知識と何をどうやって食べるかなども含め健全な「食生活」が出来るように指導がされています。
「食」については、これからもますます重要視され、「食育インストラクター」の活躍が期待されます。
この記事では、
- 食育インストラクターとは?
- 食育インストラクターの資格の取り方
- 食育インストラクターの独学で合格可能か?
について解説します。
食育インストラクターとはどんな資格?
食育インストラクターとは「食育」の専門資格です。
NPO日本食育インストラクター協会が認定する資格です。
- 「安心・安全・健康」=「食品を見分ける選食力」を身に付ける
- 食のマナーを身に付ける
- 地球の食(食糧問題やエコロジー)を考える
の3つが重要な柱とされています。
身近でありながら、壮大なテーマへつながっていると感じませんか?
そして、この知識は子育てなどに活かすことができますね。
食育インストラクターとは「食育」の知識を、自ら日常生活の中で活かし、他の方にも指導者として広めていくことを目的とされています。
理事長はテレビなどでもおなじみの料理評論家で料理学校「服部学園」の理事長の服部幸應(はっとりゆきお)さんが務めています。
また、この資格を取っているタレントさんもちらほら見られます。
関連記事
>>食育の資格には他にどんなものがある?難易度や独学可能なものなど
食育インストラクターのメリット
こちらでは、それぞれの場でのメリットを挙げます。
家庭で
- 日常的に「食育」を取り入れることで家族が正しい「食」の知識が持てます。
- 子育てに「食育」を取り入れることで「食」に対する興味・関心を持った子に育てられます。
- 生活習慣病を予防を意識した献立を考えることができます。
教育現場で
- 教師の方などは教育の一環として、授業に「食育」を取り入れることができます。
飲食に関わる仕事現場で
- 料理レシピなどに応用できます。
様々な施設で
- 高齢者施設をはじめさまざまな施設でも「食育」を意識した献立作成などに応用でます。
専門家の方にも
- 栄養士などの食に関する資格をお持ちの方にも「食育インストラクター」で得た知識が役立てます。
自己アピールにも
- 就職の際にも「食育インストラクター」をアピールできますし、そのほかにも地域活動やボランティアの際にも活きてくる資格です。
などなど、いろいろな活用が期待できます。
食育インストラクターを持つ芸能人にこんな人が?
食育インストラクターは実は、芸能人でも数名の方が持っています。
保田圭さん
服部先生の話を聞いたことがきっかけで、「食育」の大切さを知り、さらに赤ちゃんを授かってから思いは強くなったようです。
保田圭さんのブログでは600近い料理の記事が上がっています。
息子さんの離乳食なんかも見ることが出来ます。
食育インストラクターの資格がとても役立っているようです。
安田美沙子さん
引用:安田美沙子オフィシャルブログ「MICHAEL(ミチャエル)
食育インストラクターの資格を取ってから、野菜が大好きになったそうです。
安田美沙子さんのブログでも、おいしそうな料理の日記もたくさん見られますよ。
そのほかにも、
菅本裕子さん(元HKT48)や、大食いタレントでおなじみのギャル曽根さんなども食育インストラクターの資格をもっています。
普段の生活に役立てたり、お仕事の幅を広げたりしていますね。
食育インストラクター【資格の取り方】
食育インストラクターの資格は、5段階に分かれています。
段階によって受験資格や試験内容が変わってきます。
一番初歩はプライマリーで、4級、3級、2級、1級と上位資格にチャレンジできる仕組みになっています。
受験して合格したら、申請を行うことで資格証書が授与されます。
プライマリー資格は、⇒こちらのがくぶん「服部幸應の食育インストラクター養成講座」を受講後、最終課題に合格(70点以上)して、認定証を請求すればよいので比較的、気軽にチャレンジできます。
(※がくぶんは、大正13年に事業開始され、創業95年以上となる通信講座の会社です)
4級以上になりますと上級になるごとに受験資格も難しくなってきます。
次からは、受験資格と合格の要件を合わせて解説します。
食育インストラクター プライマリー資格の取り方
⇒がくぶん「服部幸應の食育インストラクター養成講座」を受講することで取得できます。
最終課題に70点以上を獲得すると合格です。
受験は在宅で行います。
受講料は、39,900円です。
個人差はありますが、だいたい3ヶ月から6ヶ月で取得できる内容となっています。
講座を受講した人の感想
実際に受講した方の感想です。参考にしましょう。
食育の大切さを知り、仕事にも生かせました!
こどもがアレルギーがあることが分かり、食事をすべて手作りにしたことがきっかけになります。
「食育インストラクター養成講座」で知識を深めることで、ケーキ屋さんで仕事をしたり、他にも「食」に関する仕事に就けました。
娘とともに有意義な時間が過ごせています。
娘が幼稚園に入ったことから、今までしていた料理教室などの仕事が難しくなりました。
この時期は、自分のスキルアップの時期ととらえて、数ある資格の中から、食育インストラクター養成講座を選び受講へ。
講座で学んだことを、毎日の食卓に役立てています。
今後は、キッズ向けのパン教室やお菓子教室など、食育を意識した声掛けがしたいです。
懇切丁寧な指導がありがたいです。
管理栄養士の資格を持っていたのですが、「食育インストラクター養成講座」を受講してみると食べ物や栄養について、さらに幅広い知識を身に付けることができました。
分からないところを質問したところ、丁寧に分かりやすく、しかも手書きで回答をしていただき、ありがたく思います。
楽しく学べます!
もともと料理が好きで、小さなころから学校から帰ると家族に料理をつくって食べてもらうのが楽しみでした。
そんな私は、この講座で学ぶことが楽しくて、楽しくて、マイノートを作ってしまうほどでした。
こんなふうにして毎日、自主勉強しています。
食べ物のありがたさを伝えています!
地元で小学生を対象に数年前から、山菜収穫や豆腐作り体験などの活動を行っています。
以前は山菜を天ぷらにして食べたり、BBQを楽しむといったことだけをしてきました。
この講座で「食育」を学んでからは、食物の旬や栄養面に対する知識が増したので、子どもたちにもそれを伝えたいと考え始めました。
クイズ形式にして楽しく「食」の大切さを教えています。評判も上々です。
4級の取り方【受験資格と合格要項】
4級の受験資格は、
- 推進校に通学する
- 研修会に参加する
の2つの方法があります。
調理実技の講習を行ったうえで、筆記試験があります。
費用は推進校の規定によって変わってきます。
推進校に通う方のほうが実習が多い分、試験が少なく、研修会の参加者よりも低い点数で合格できます。
3級の取り方【受験資格と合格要項】
3級の受験資格は5つの級のなかでも一番複雑です。
下の表にもあるように、
- 4級取得者で推進校に通う方
- 一般社団法人 全国料理学校協会『上級』をお持ちの方
- プライマリー取得者で推進校に通う方
- プライマリー取得者で推進校に通わない方
- 食育に関する国家資格をお持ちの方
- 日本食育インストラクター協会の助会員
以上の6種類の受験資格のバリエーションがあります。
3級は受験資格にも専門的な要素が入っていますね。
食育に関する国家資格は、管理栄養士、栄養士、専門調理師、調理技能士、調理師から短大・大学の食物科・栄養科等卒業者又は見込みの方や医師や歯科医師、看護師などなど、多数あります。リンク先でお確かめください。
受験資格にこれだけのバリエーションが多いと迷ってしまいそうですよね。
費用や合格するための必須要件もそれぞれ違います。
自分がどの受験資格で受験したらいいのかをよく確認しましょう。
プライマリー資格を持っている場合、推進校に通わなくても、調理実技筆記試験で高得点(80点以上獲得)なら合格となります。
2級の取り方【受験資格と合格要項】
2級は、受験資格のグレードがさらに上がってきます。
- 3級取得者で推進校に通う方
- 3級取得者で推進校に通わない方
- 一般社団法人 全国料理学校協会の『准教師(助教員)』以上を取得している方
- プライマリー資格を持ち、さらに、食育に関する国家資格等取得者の方
のいずれかの方が該当します。
すでに専門家と言っていいほどのキャリアをもった方に受験資格があるように感じますね。
ただ、食育に関する国家資格を取得している方であってもプライマリー資格は必要ですので、最低限「服部幸應の食育インストラクター養成講座」を受講しておく必要があるということです。
推進校に通う必要もないので、食育に関する国家資格をお持ちの方は狙い目かもしれません。
尚、2級は、1級と合同の研修を受ける必要があります。
受講料、受験料はNPO食育インストラクター協会の会員の方はお安くなっています。
1級の取り方 【受験資格と合格要項】
1級の受験資格は、ぐっとシンプルになりますが既に高い資格を持った方が対象となります。
- 2級取得者
- 栄養教諭
合格するための要件として、食育レシピの提案が加わります。
実際に、「食」に関する経験がないとできない内容ですね。
研修会の受講料と受験料は会員と非会員で違いがあります。
研修会の内容(1級、2級合同)
研修会では
- 食の安心・安全
- 健康増進
- 食の伝承
- 食の形態
- 食の環境
- 食育活動
- 食育総論まとめ
についてを習得します。
このように1、2級となると研修会の内容もかなり専門的になっていることに気づきます。
やはり、食育インストラクターの資格は、級の順番を追ってじっくりと取り組む必要がありそうです。
しかし、「食」は身近なもので切っても切れないことですので、興味を持って臨めば知識を積むことは、さほど苦にならないように感じませんか?
最後に、どの級も合格したら資格取得申請を忘れずにしましょう。
資格取得の申請料
>>食育インストラクターは意味ない?どんな仕事や就職先がある?
食育インストラクターは独学で合格できる?
受験資格からもわかるように、食育インストラクターは、独学では合格できません。
資格の級によって、講座の受講や通学、研修会を受ける必要があるからです。
一番やさしい、プライマリーも「服部幸應の食育インストラクター養成講座」(がくぶん)を受講したうえで講座内の最終課題をクリアする必要があります。
世の中の資格には、「資格を取ってから研修会で知識を深める」といった形のものが多く存在しますが、食育インストラクターは、資格取得のその場その場で確実に必要なことが身についているかが重要になっていますね。
上級にステップアップするたびに確実にクリアするべきことが、講習会や研修などの実践で積まれていきます。
関連記事
普段から知識を深めるために
独学では受験自体が出来ませんが、知識を深めるために「食育」についての本を読むことはとても有効です。
また、「食育」について楽しく学べるサイトもありますので紹介します。
食育の本
NPO日本食育インストラクター協会 理事長の服部幸應先生が監修している本があります。
これらの書籍で知識を得ることでさらに興味・関心・資格取得へのモチベーションが期待できます。
食育の基本
「食育の基本」は食育の基本をまとめたテキストです。
初心者の方には教科書として最適です。
経験者の方にも復習用に一冊用意しておくととても便利です。
いろいろなデータや、役立つ情報も網羅されています。
”食育”調理技術の基礎
食育の定義・重要性をはじめ、実際、料理を行うにあたっての情報が豊富な一冊です。
食材や調器具、切り方などの基本や応用レシピも載っています。
平成27年4月、改訂版では食育に重要な「オキシトシン」、世界遺産になった「和食」についての解説も加えられています。
「食育」について楽しく学べる情報サイト
食育の図鑑が楽しいページです。
また、「考食師キッズ養成講座」という資格の解説もされています。
「食」「健康」をテーマにした記事を投稿・共有するコミュニケーションサイト。
食育をはじめ、離乳食・マタニティや作り置き、レシピ・グルメなど、投稿カテゴリーが全部で19種類もあり無料で使えます。
体重計や体温計、カロリー計などで有名な企業のタニタが主催する「ごはんのコンテスト」です。
いろいろと勉強になりますよ。
まとめ
ここまで食育インストラクターについてを解説しました。
- 食育インストラクターとは「食育の専門資格」で、NPO日本食育インストラクター協会が認定する資格。
- 資格は5段階あり、受験資格は級ごとに変わってきます。
- 講座受講や推進校に通ったり、研修を受ける必要がありますので、独学だけでは、合格できません。
- 食育についての興味関心や知識、モチベーションがアップする本やサイトがあります。
「食育」を学ぶことで日常生活に活かせることはもちろん、今後も教育現場や施設などでも、「食育インストラクター」が先頭となって食の大切さを広めていくことが必要不可欠です。
令和2年8月、新型コロナウィルスの影響により、研修会などについてはオンラインで行うようになっています。
現在の詳しい事は協会のパンフレットを貰って確認下さい。