近年注目を集めている資格であるため、食育インストラクターという名前を耳にする機会がある方も多いと思います。
そんな中で、
「そもそも食育インストラクターってどんな資格なの?」
「資格取得に挑戦してみたいけど、どのくらい難しいの?」
「民間資格ってどんな意味があるの?」
といった疑問が出てくると思います。
そこで今回はそういった方に向けて、
・食育インストラクターとは
・食育インストラクターの合格率
・国家資格との違い
について解説していきます。
目次
食育インストラクターとは?試験内容も解説
まずは、食育インストラクターがどのような資格なのか解説していきます。
食育インストラクターとは、NPO日本食育インストラクター協会が認定する食育の専門資格です。
健康的な食生活や栄養バランスなどの「食育」を基礎から学び、日々の生活で活かし、広く推進することを目的としています。
資格について公式ホームページでは以下のように定義されています。
"食育"を基礎から学び、日々の生活に活かし、広く推進・社会で活躍できる"食育"の指導者の証となる資格。
自分に合った方法で実践に役立つ真の"食育"を学びます。
いくつかある食育に関する資格の中でも、食の知識を段階的に学び、食材選びや食事のマナーなど実生活に活かせる内容が盛り込まれているという特徴があります。
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他にも、食育の第一人者である料理研究家の服部幸應先生が監修している資格です。
安田美沙子さん、ギャル曽根さん、和田明日香さんなど、多くの芸能人が取得を発信したことで注目されるようになりました。
食育インストラクターは、1級~4級と、プライマリーの5段階に分けられています。
引用:食育インストラクターとは│NPO日本食育インストラクター協会
プライマリーは、日本食育インストラクター協会が指定する通信講座を受講すれば誰でも受験することができます。
しかしその他の4級以降はそれぞれ細かく受験資格の規定があり、それぞれで筆記試験や実技試験に合格しなくてはなりません。
詳しい受験資格は以下の通りです。
受験資格(いずれかに該当すれば受験可能) | |
プライマリー | なし/認定通信講座を受講 |
4級 | ・「食育インストラクター4級資格認定研修会」を1日受講している
・食育インストラクター養成推進校にて、調理実習や食育授業を6単位受講している(試験の調理実習が免除) |
3級 | ・プライマリー取得者であり、推進校に通学している
・4級取得者で推進校に通学している ・プライマリー取得者で、推進校に未通学 ・食育に関する国家資格等取得者又は食育インストラクター協会賛助会員 |
2級 | ・食育インストラクター検定3級以上を持っている
・プライマリー+国家資格取得者 ・全国料理学校協会の助教以上 ・食育インストラクター1級・2級資格認定食育研修会を12単位履修している |
1級(すべてに該当している者のみ受験可能) | ・日本食育インストラクター協会2級取得者、または栄養教諭で2級取得後に実務経験を1年積んでいる
・食育活動報告書を提出している ・食育メニュー提案 ・食育インストラクター1級・2級資格認定合同研修会を12単位履修している |
このように、いきなり1級を受験することなどはできません。
段階を踏んで受験しなくてはならず、調理実習などの実技試験もあるため1級まで取得を目指すには時間がかかります。
また、試験の内容や合格ラインは受験する級によって異なります。
4級以降の試験の概要は以下のような内容です。
・食育筆記試験
・調理実技筆記試験
・各級認定研修会の受講
・食育メニューの提案(1級のみ)
このように食育インストラクターは独学での受験はできず、必ず講座を受講し段階的に進めていく必要があります。
こちらでも詳しく書いています。
食育インストラクターの合格率は?難易度についても解説
たしかに、多くの人が受験していると聞くと、競争率が高く難しいのではないかと思ってしまいますよね。
結論から言うと、食育インストラクターの難易度は易しいものから、上級者向けの難しいものまで受験する級によって大きく変わってきます。
そして気になる合格率ですが、公式では公表されていないため、正確な数字は不明です。
そのためそれぞれの級での難易度から推測していきます。
まずは全員が初めに受験することとなる、プライマリーから解説していきます。
プライマリーの合格率は?
プライマリーにおいては、通信講座を最後まできちんと受講すればほぼ100%合格できます。
プライマリーの試験内容は、通信講座の中である5回の課題提出と最終試験です。
最終試験は試験会場で受けるのではなく、自宅で好きなタイミングでテキストをみながら受験できます。
最終試験の合格には70%以上の正解が必要です。
70%と聞くと高いように聞こえるかもしれませんが、SNS上ではあまり難しくないという声が多くあります。
https://twitter.com/fukuTake69/status/1151291814508281856
合格までの期間も個人差はありますが最短3か月~6か月ほどで、手軽に受験することができると言えます。
万が一最終試験に不合格となっても、無料で1度再受験することができます。
そのため、プライマリーの合格率はかなり高いと言えます。
プライマリー以外は、当たり前ですが級が上がるごとに難易度は増し、合格率は低下していきます。
4級の合格率は?
4級では、試験の合格基準が調理実技試験は80%、食育筆記試験は60%です。
調理実技試験に関しては採点基準も非公開ですが、合格基準が80%だというところを見るとかなり難しいように思えます。
しかし、4級の「食育の基本をふまえ、家庭料理の基礎を学び、日々の生活に活かすことができる」という基準を見ると、専門知識というよりは食育に関する基礎知識が問われる試験だとわかります。
また、「食育インストラクター4級資格認定研修会」を1日受講していれば、プライマリー合格者でなくても受験することが可能です。
そのため、4級は比較的に簡単に合格することができると推察できます。
3級、2級の合格率は?
3級、2級は受験基準が4級、プライマリーに比べて厳しくなります。
このことから、より専門知識が問われるようになり難易度は増しています。
食育インストラクター2級の講座を受けてきました。先生が、「ここは暗記してください」と言う場所多い!もうお年寄りだから頭に入らない!
— チバワカ (@tancyozuru) August 27, 2011
講習への参加が必須となるほか、SNSの声にもあるように、より暗記の幅も広がり、対策には時間がかかります。
しかし、しっかりと知識を覚えて試験に臨めば、合格は非常に難しいという訳ではありません。
合格までの道のりは長くなってきますが、合格率は低くはないと言えます。
1級の合格率は?
最後に1級の合格率についてです。
1級は特に受験のためには実務経験が必須となるため、まずは受験資格を取るのにも時間と労力がかかります。
また、1級は「食育に関する幅広い知識と各テーマに対する専門知識を持ち、広く伝え、普及活動ができる」という基準があります。
ここからわかるように1級は、ただ専門知識を身に付けるだけでなく、それを伝えていく能力が求められています。
そのため非常に難度が高い試験と言え、合格率も低いと推測できます。
しかし、SNS上では1級に合格したという声もあり、しっかり対策した上で受験すれば合格は不可能ではありません。
通信講座、通学講座をしっかり受けて、勉強すれば、食育インストラクターの1級までは、試験に合格し資格を得ることははまず、問題なくできると考えて良いでしょう。
— 食育は@日本文化 (@taberukoto22) September 1, 2014
他にもSNS上には食育インストラクターに合格したという声が多くあります。
食育の基礎知識を持ち、社会に食育の指導ができることを証明する資格
「食育インストラクター(全国調理師養成施設協会)」に
高度調理科2年・調理科の希望者27名が受験し27名全員合格しました!
<合格率 100%![2018年度実績]>★キタテクは「親子食育教室」を一般の方向けに毎年開催しています。
— 北日本ハイテクニカルクッキングカレッジ (@kitatech) January 24, 2019
https://twitter.com/kinolodolita40/status/1256357272885686272
このように食育インストラクターは、プライマリーであれば自宅でかなり手軽に取得を目指せる資格と言えます。
その他の級は段階を追って難易度、合格率共に高くなっていきます。
食育インストラクターの取り方の記事も併せて読んでみて下さい。
食育インストラクターは国家資格じゃない!?
結論から言うと、食育インストラクターは国家資格ではありません。
NPO日本食育インストラクター協会が認定する民間資格になります。
同じ食に関する資格でも、栄養士や管理栄養士などは国家資格ですが、食育インストラクターは民間資格です。
国家資格は国が認めた資格なのに対し、民間資格は主催する団体が独自の基準で認定する資格です。
そのため一般的には国家資格の方が難易度が高く、信頼性や信用性も高い資格とされています。
その中でも特に食育インストラクターは、同じ食に関する栄養士などの国家資格と比べると、単独の資格取得では仕事に結び付きにくいという特徴があります。
仕事に結びつけるには、栄養士や調理師など、他の資格と組み合わせて働くダブルライセンスが主流です。
手軽に受験を開始できる分、仕事で即戦力となるような資格ではないことを覚えておいてください。
まとめ
今回は食育インストラクターについて解説してきました。
まとめると、
・食育インストラクターは、食育を基礎から学び、日々の生活に活かし、広く推進・社会で活躍できる「食育」の指導者の証となる資格である。
・合格率は、プライマリーであれば非常に高いが、級が上がるごとに難易度も増す
・食育インストラクターは民間資格であるため、管理栄養士や栄養士などの国家資格と比べると、その資格の単独取得では仕事に結びつきにくい
です。
食に関する知識は一生役に立つものです。
気になった方は是非、食育インストラクターにチャレンジしてみてください。
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