オラクルマスターシルバーという資格をご存知ですか?
オラクルマスターシルバーとは、オラクル社により開発されたデータベース製品を使用する際の、技術力を評価する資格です。
現在データベース管理システムの業務に従事している方や、今後そのような仕事に就きたいと考えている方で
「オラクルマスターシルバーってどんな資格?」
「誰でも挑戦できるの?」
「独学では難しい?効率的な勉強法はあるの?」
などの疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために、この記事では
・オラクルマスターシルバーとは
・試験概要や受験資格
・難易度
・勉強方法
について解説していきます。
目次
オラクルマスターシルバーとは?
オラクルマスター(ORACLE MASTER)とはOracle Database(オラクルデータベース)シリーズを扱う技術力を認定する資格です。
その中でブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナと難易度によってランクが別れています。最下位のブロンズからステップアップ式に難しくなっていきます。より難易度の高い資格を取得することで、エンジニアとしての自分の能力を客観的に証明することができるでしょう。
さらに、この記事で紹介するオラクルマスターシルバーからは世界共通基準の資格となります。難易度は上がりますがクライアントが海外の企業などから、優秀な人材として高く評価される資格となります。
では、さらに
・オラクルデータベースについて
・オラクルマスターシルバーになる方法
これらについて、もう少しだけ詳しく解説します。
Oracle Databaseとは何?
アメリカのOracle(オラクル) が開発・販売している、RDBMS関係データベース管理システムのことです。Oracleが開発しているDatabaseでOracle Database(オラクルデータベース)ですので、そのままですね。
オラクルデータベースは世界初の商用関係データベース管理システムで、メインフレームからパーソナルコンピュータまで幅広いサポートしています。日本国内の法人向けデータベースとしても、半数近いシェアを誇ると言われています。
ORACLE MASTER Silverになるためには?
オラクルマスターシルバーになるためには、認定資格試験に合格する必要があります。試験ではデータベースの管理・運用のほか、SQL言語の習熟度を問う問題が出題されます。
SQL言語とはデータベース管理システム上でデータを制御するための言語で、プログラミング言語とは別物です。SQL言語はOracle製品に限らず、他社のデータベース管理システムにも使われています。ですので、この資格を持っているという事は、SQL言語の習熟レベルの証明にもなるのです。
また、オラクルマスターシルバーの試験はオラクルマスターブロンズを取得していないと受験することができません。オラクルマスターの試験は、上位の資格をいきなり受験することはできません。ですのでブロンズから、順に取得していく必要があります。
ブロンズの資格についてはこちらの記事を。
オラクルマスターシルバー認定資格試験について
オラクルマスターシルバー(oracle master silver)の試験は、上位技術者に従いデータベースの実践的な作業が行えるかどうかの試験になります。つまり基礎的な知識は既に持っている前提の試験になります。実務経験がない人が挑戦するのは、かなり難しいでしょう。
ここからは、オラクルマスターシルバー認定資格試験について
・試験概要
・申込、入金方法
・合否の確認方法
の順で解説していきます。
試験概要について
下の表はオラクルマスターシルバー認定資格試験の概要になります。
試験名 | Silver DBA Oracle Database Administration I |
出題形式 | オンラインのCBT方式(選択方式) |
試験時間 | 150分 |
出題数と合格ライン | 95問中67%以上の正解率で合格 |
前提条件 | ブロンズ取得済であること |
オラクルマスターは、使用するOracle製品にごとに受験する必要があります。違う試験を受けてしまうと内容が変わってきますので、申し込む際は試験名に注意しましょう。
そして、申込みが完了すると試験番号が発行されるのですが、試験番号の末尾に-JAPの記載があるか確認しましょう。これは日本語の試験で申し込みされているときに表示されます。つまり、この記載がない場合は英語での試験になります。間違いがないよう試験番号も必ず確認しましょう。
また、2020年から試験体系や申込方法が変わっています。最新の情報はオラクル公式HPで随時チェックしましょう。
試験申込み方法は?
オラクルマスター認定資格試験の申込みは オラクル認定システムCertViewから、いつでも行えます。
初めてオラクルマスターを受験する場合は、アカウント登録し初期設定をしてから申込みをしますが、シルバーの受験者はブロンズ取得時に登録しているはずなので、そのアカウントを使います。さらに、以前は申し込み専用外部サイトの設定が必要でしたが、2021年現在は、 オラクル認定システムCertViewのアカウントで申込みまでできるようになっています。
アカウント設定や手続きについての質問は、認定資格事務局 (oraclecert_jp@oracle.com) で問い合わせることができます。
受験料はいくら?支払い方法は?
オラクルマスターシルバー(oracle master silver)の受験料は26,600円です。支払い方法は受験チケットの購入するかたちで行います。この受験チケットには期限があり、有効期限は6ヶ月っとなっています。
また、期間によってはお得なキャンペーンを行っている場合もあるようです。特に再受験無料キャンペーンは例年12月から翌年5月に開催されていることが多いようなので、この期間に挑戦するのもいいかもしれません。
試験結果の確認方法は?
合否は、2021年1月15日以降受験終了時の画面に表示されるようになりました。またピアソンVUE社認定テストセンターで受験される場合は、試験終了後に受付でスコアレポートを受け取り、そちらで確認できるようです。
また、過去に受験した試験の合否や正解箇所(スコアボード)についても、オラクル認定システムCertViewで確認することができます。不合格だった場合もどこができていなかったのか確認できるので次の挑戦に繋げられますね。
参考:オラクル認定資格試験 - 試験結果の確認方法およびガイドライン
オラクルマスターシルバーの難易度は?
前項で書いたように、オラクルマスターシルバー(oracle master silver)の試験は実務経験がない場合かなり難しい試験であると言えるでしょう。しかしシルバーであってもしっかりと勉強をして挑めば、取れなくはない内容となっています。
より上位資格を取得るることで、難易度が高い分就職や転職で有利になったり、給与手当や昇格に繋がる可能性も上がるでしょう。
試験範囲は?
オラクルマスターシルバーの試験範囲は以下の通りです。
Oracle Databaseのアーキテクチャの確認
Oracle Databaseインスタンス
データベース記憶域構造の管理
領域の管理
データの並行性の管理
バックアップとリカバリの概念
データベースのバックアップの実行
データの移動
パフォーマンスの管理: SQLチューニング
DBCAの使用によるOracle Databaseの作成
DBAASの概要
Oracle Databaseの管理ツール
Oracleネットワーク環境の設定
ユーザー・セキュリティの管理
UNDOデータの管理
Oracle Database監査の実装
バックアップとリカバリの設定
データベースのリカバリの実行
データベースのメンテナンスの実行
Oracle Schedulerの使用によるタスクの自動化
Oracle Databaseソフトウェアのアップグレード
引用:JQOS.jp
解答は選択方式で、67%以上の正解率で合格となります。
このように箇条書きにすると、とても広い試験範囲に見えますね。しかし難易度は基礎であるブロンズのワンランク上程度です。一箇所だけをやり込むのではなく、すべての範囲を満遍なく勉強することがポイントです。
合格率はどれくらい?
合格率や受験者の数などは非公開となっているため明確には分かっていません。しかし、そもそもブロンズに合格してから挑むので、合格率は高いのではないかと言われています。
業務経験歴にもよりますが、ブロンズの取得後あまり期間を空けずに挑戦したほうが、合格しやすいでしょう。また、再試験無料キャンペーン中などであればチャンスは2回あるので、一度の受験料で取得する確率はとても高いですね。
オラクルマスターシルバー取得のための勉強法は?
ここでは独学でのオラクルマスター取得の勉強方とポイントを
・必要な勉強時間と独学のポイント
・試験対策セミナーについて
・オススメの参考書
の順で紹介します。
オラクルマスターシルバー(oracle master silver)はブロンズ保有者のみ受験できます。ですので、ここでの目安はオラクルマスターブロンズ保有者レベル前提のものとなります。
勉強時間はどれくらい必要?独学の場合のポイントは?
勉強時間の目安は40時間前後という意見が多いようです。 仮に仕事をしながら1日2時間勉強した場合、20日×2時間=40時間くらいなので、早くて1ヶ月ほどで取得できる計算になります。
取得しよう!と思い立ったら、まずはカレンダーをめくり約一ヶ月後を試験日に設定し受験期日を決めるところから始めるといいでしょう。試験日を決めないままダラダラと勉強してもなかなか成果は見込めません。
さらに独学で勉強する場合、大切なのは明確な目的の設定です。取得することでどんなメリットがあるか明確にすることでモチベーションも上がるでしょう。
例えば、「月の給与が〇〇円アップする!」などイメージしやすい具体的な目的があれば試験までやる気を保つことができるでしょう。
試験対策セミナーに参加しよう!
オラクル社か開催している資格対策のセミナーがあります。実務経験の差に関係なく、試験を受ける人はセミナーへの参加しておいたほうが良いでしょう。
前項の“試験概要”でも書きましたが、オラクルマスターの試験は2020年に新体系になり、今までの参考書やテキストではカバーされていない部分があります。セミナーに参加することで試験対策の情報や、12cのテキスト(旧試験体系の参考書)でカバーされていない補足情報を入手できます。
セミナー概要
セミナー名 【オンライン限定】ORACLE MASTER Silver DBA 2019 試験直前対策セミナー
実施日 2021年5月21日 (金) 14:00~16:00 (接続開始 13:30)
実施場所 オンライン
対象 ・ORACLE MASTER Silver DBA 資格の取得を目指している方
過去問はあるの?オススメの参考書は?
オラクルマスター試験の過去問は公開されていません。ですので参考書を読み込んでの勉強になるでしょう。
しかし参考書も、試験の新体系に対応したものは2冊のみになります。
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I (日本語) 単行本
Oracle Database 12cから19cまでに対応した、オラクルマスター資格「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」取得を目指すための学習書です。
日本オラクル株式会社の監修のもと、株式会社コーソルの教育/技術推進チームが執筆したテキストになります。高度なDB管理からSQL操作まで、幅広い出題範囲を丁寧に解説しており、220問の豊富な練習問題も掲載しています。
オラクルマスター教科書 Bronze DBA Oracle Database Fundamentals (日本語) 単行本
こちらはオラクルマスター資格「ORACLE MASTER Bronze DBA」取得のための学習書です。
出題範囲を網羅しつつ「試験に出るところ」が凝縮された一冊です。豊富な練習問題、模擬試験1回分が掲載されています。
教科書を読み込み、セミナーに参加するといいでしょう。今はこの2冊のみになりますが、これからどんどん参考書も増えていくでしょう。
まとめ
いかがでしたか?オラクルマスターシルバー(oracle master silver)についての疑問は解消されましたでしょうか?
この記事では、
オラクルマスターシルバーとはOracleデータベース管理システムの認定資格
受験できるのはオラクルマスターブロンズ保有者のみ
未経験にとってはかなり高い難易度
新試験体系になり対応したテキストは少ないが、試験対策セミナーがある
という内容をお伝えしました。
ぜひ今後の受験にお役立てください。