Excel表計算処理技能認定試験は、受験者数が累計70万人を超える人気のIT系の試験です。
ネット化が進んだ昨今、ExcelをはじめとするOfficeツールを使っていない会社はほぼありません。
そんなExcelを「使いこなせることを証明できる」Excel表計算処理技能認定試験について、気になっている方も多いと思います。
そこで今回は、以下の点について解説していきます。
- Excel表計算処理技能認定試験はどんな試験か
- 試験の難易度
- 独学でも合格できるのか
- おすすめの独学勉強方法
- テキスト・問題集の選び方
目次
Excel表計算処理技能認定試験とは?
Excel表計算処理技能認定試験とは、エクセルの実用的スキルを証明するための試験です。
主に、社会に出る前の学生さんを対象として実施されています。
高度な技術を問われる1級から簡単なシート作成やデータ入力を行う3級までの認定区分が定められており、受験資格はありません。
合格率はすべての区分で80%を超えていますので、かなり取得しやすい資格と言えるでしょう。
どんな職種に就いても、事務処理はつきものです。
Excelを使いこなしてスピーディかつ質の高い成果物を作成できるようになる資格ですので、
多くのビジネスシーンで役立つ資格であることは間違いありません。
#私を変えた資格 はExcel表計算処理技能認定試験。学生時代に取得して経理に事務に結構役立ってる。頑張って勉強しててよかった。https://t.co/8xozw1Y2yv
— 🆕🌺けーみん (@kerinrinrin) March 27, 2019
Excel表計算処理技能認定試験の基本情報
Excel表計算処理技能認定試験の基本情報をご紹介します。
資格種別 | 民間資格 |
資格区分 | 1級、2級、3級 |
受験資格 | なし |
試験方法 | 知識試験、実技試験 |
試験時間 | 【1、2級】知識試験15分 実技試験90分
【3級】知識試験なし 実技試験60分 |
合格基準 | 得点率70%以上 |
受験料(税込) | 【1級】8,100円【2級】7,000円【3級】5,900円 |
試験日程 | 随時実施 |
試験場所 | 全国各地 |
問い合わせ先 | 株式会社サーティファイ認定試験事務局 |
Excel表計算処理技能認定試験の難易度は?
Excel表計算処理技能試験は1級~3級までありますので、それぞれの区分によって難易度は異なります。簡単に言うと以下の難易度イメージです。
- 3級:初心者レベル
- 2級:実務レベル
- 1級:上級者レベル
それぞれの級について以下で詳しく説明していきます。
3級の難易度
3級の試験では、以下のようなことが求められます。
Microsoft Excel®を用いてビジネス社会における簡単なワークシートの作成とデータの入力を行うことができる。
同時に、パソコン、表計算、ビジネス図表に関する基礎的な技能を有している。
3級は知識試験はなく、実技試験のみ60分の試験です。
出題範囲は3つの区分の中で最も少なく、基礎的な内容となっていますので、Excel初心者向けの試験と言えるでしょう。
8割以上の受験者が合格している資格ですので、PCの基本操作をしっかり押さえれば実務経験がなくても合格できるレベルです。
公式サイトでは、初学者が3級のレベルに達するまでには約27時間の勉強時間が必要との記載があります。
しかしこの数字はあくまで参考にしてください。
なぜなら、日常的にExcelを使っているかどうかで、勉強時間は大きく変わってくるからです。
PCもほとんど触ったことがないという方は、27時間という時間に縛られず、しっかりと技術が身に着くまで繰り返し基礎を学んでから、試験に挑みましょう。
帰ってきたー
とりあえずExcel表計算処理技能認定試験とやらは受けてきたぞ、と
3級受けたけど簡単過ぎた……もう少し勉強して2級受ければ良かったかなとか思ったけど、まぁいいか_(┐「ε:)_— alice (@IzayaAlice) March 4, 2020
2級の難易度
2級の試験では以下のようなことが求められます。
Microsoft Excel®を用いてビジネス社会における通常の表計算処理を行うことができる。
同時に、パソコン、表計算、ビジネス図表に関する実践的な技能を有している。
2級は知識試験15分、実技試験90分の試験です。
3級の範囲に、Excelの最も重要な機能となる関数やレイアウト関連の操作、ピボットテーブル、マクロなどの範囲が追加されています。
知識問題に関しては、すべて選択式になっているため自身で言葉や数字を打ち込むことはありません。
選択式になっていることで空白で提出するリスクが少ないですよね。
こちらも試験としてはやや簡単と呼べるレベルでしょう。
公式サイトでは、3級取得者が2級のレベルに達するまでには約34時間の勉強時間が必要との記載があります。
しっかりとテキストを読み込み、問題を解いて試験に臨めば、合格は難しくないです。
1級の難易度
1級の試験では以下のようなことが求められます。
Microsoft Excel®を用いてビジネス社会における高度な表計算処理を行うことができる。
同時に、パソコン、表計算、ビジネス図表、ビジネス帳票、データベースに関する高度な実践的技能を駆使して業務処理を効率化することができる。
1級は2級と同じく、知識試験15分、実技試験90分の試験です。
3級と2級の間には、出題範囲に比較的差がありますが、2級と1級の間には出題範囲には大きな差がありません。
そのぶん、内容がより実践的で高度な試験内容になっています。
「高度なExcel技術を有している」だけではなく、「その技術を駆使して業務効率化できるかどうか」を問われますので、2級、3級に比べると難易度は上がります。
しかし公式HPにて、1~3級を合わせた合格率は82.9%(2019年度平均合格率)と記載がありますので、そこまで合格率が低いわけでもないと推測されます。
公式サイトでは、2級取得者が1級のレベルに達するまでには約22時間の勉強時間が必要との記載があります。
試験に向けた適切な準備をして、しっかりと技術を身に着ければ、合格は難しくないでしょう。
そー言えば前に、
excel表計算処理技能認定試験1級の資格うけたんだけど、あと3点足りなくて落ちたwもう一度受けようか迷い中、、、
— Nemo (@nemo_artart) November 13, 2018
Excel表計算処理技能認定試験には独学でも合格できるの?
どの試験区分においても、独学でも合格を目指すことは十分に可能です。
上記でもお伝えしたとおり、合格率は80%を超えており、比較的簡単に合格できる試験です。
Excelをほとんど触ったことがないという方には3級からの受験をオススメしますが
Excelを触ったことがある、日常的に使うという方は、2級、1級をいきなり受験することも可能ですので、自分のレベルに合った級を選んで勉強していきましょう。
おすすめの独学勉強方法は?
それぞれの試験区分によって、おすすめの勉強方法は異なります。
おそらくこのページを見てくださっている方は、Excelをあまり触ったことがなく、まずは3級を受験しようかなと考えている方ではないかと思います。
ここからは、3級受験を目指すPC初心者の方に向けて、以下の勉強方法等について解説していきます。
①PCへの理解を深める
②参考書を使って知識を増やす
③問題集を何度も解く
④テキスト・参考書の選び方
①まずはPC自体に慣れることで、PCへの理解を深める
まずは第一ステップとして、PCにどのように指示を出せばどのように動くのかを理解していきましょう。
まずはタイピングが正確に打ち込めるかどうか。
また、どのように日本語と英字、全角と半角を切り替えるのか、計算式に用いる記号の出し方など、PCの基礎的な操作方法をおさえておく必要があります。
なぜなら上記のスキルは、Excelのメイン機能となる「関数」(Excel上で数字を表したい姿で表すための計算式)を使用するときに必要な知識だからです。
例えば、Excelで計算を行いたいときに、まず初めに「=」の記号を入力しなければなりません。
しかし「=」の入力方法を知らなければ、それ以上前に進めなくなってしまいますよね。
つまり、記号の入力方法等のPCの基礎的な操作方法をおさえておくことが最低限必要になってきます。
また、タイピングを正確に行うためのツールはネット上にたくさんあります。
例えば「寿司打」はローマ字入力用のタイピング練習ゲームとして非常に有名な練習サイトです。よければ試してみてくださいね。
PCの一般的な操作に慣れてきたら、次のステップへ進みましょう。
②参考書を使ってExcelの知識を習得する
ここで初めて、参考書を使って試験のための学習を始めていきましょう。
もちろん参考書を見るだけでなく、実際に手を動かしてExcelの知識を体に覚えこませることが重要です。
3級の試験では、具体的には以下のようなことが求められます。(一部のみ表示しています)
- 文字を指示通りに正しく配置できているか
- 足し算、引き算、平均など簡単な関数が指示通りに設定されているか
- 文字のフォントが指示通りになっているか
- 印刷の設定が適切に出来ているか
「知る」と「できる」は全く違うものですので、学習した知識を使ってExcel上で「できる」ようになるまで繰り返し学習して、手を動かすことを意識していきましょう。
③1冊の問題集をまちがえなくなるまで何度も解く
参考書を理解し、できるようになったら、実際に問題を解いていきましょう。
問題を解く際のポイントとしては、1冊の問題集を何度も解くことです。
1冊の問題集を何度も解くと、その問題を絶対にまちがえなくなるので正答率が上がります。
正答率が上がると、その分合格率も上がってきますよね。
むやみに何冊も問題集を買って数をこなすのではなく、まちがった問題を何度も繰り返し説いて、まちがえなくすることを意識して勉強を進めていくことをオススメします。
また、本番の試験形態に慣れるために、時間を決めて本番と同じように問題を解くことも必要です。試験の時間感覚を身に着けていないと、本番で時間オーバーになってしまう可能性がありますよね。
本番の試験を受ける前に、自分で模試を行うつもりで取り組んでみましょう。
Excel表計算処理技能認定試験テキスト・問題集の選び方
まずは前提として、自身がお持ちのExcelのバージョンに合ったテキストや問題集を選ぶよう注意してください。(※Excelのバージョンは、ファイルタブ⇒アカウント⇒Excelのバージョン情報をクリックすると確認できます。)
また、Excel表計算処理技能認定試験はExcelの実用的スキルを問う認定試験ですので、参考書やテキストは、ご自身で本屋さんに行って、自分がわかりやすいと思うものを選んでいただければいいと思います。文字だけでなく、図やイラストが多いものが望ましいですね。
それでも「どれを選んだらいいのかわからない」という方は、公式HPで紹介されているものを選べば問題ないでしょう。
運営会社であるサーティファイの公式HPでは、おすすめの学習教材を紹介してくれていますので参考にしてみてください。
⇒こちらのリンクから飛べます
公式HPにて紹介されているテキストと問題集を一部紹介します。
Excel®2019クイックマスター (基本編)
引用:サーティファイ公式HP
数あるテキストの中でも、最も基礎的な学習ができるテキストです。
ワークシートやグラフの作成、データベース機能を一から学習できます。
PC及びEcxel初心者の方におススメのテキストです。
Excel®2019クイックマスター (応用編)
引用:サーティファイ公式HP
こちらは応用的な内容となっており、複数ワークシートの連携やデータ分析、マクロ等、実務レベルで役立つ機能について学習することが出来ます。
実際の場面での活用例や総合学習問題もついており、内容としては盛りだくさんです。
2級~1級を目指す方におススメです。
Excel®表計算処理技能認定試験 3級問題集(2019対応)
引用:サーティファイ公式HP
3級レベルに対応した練習問題が3題と、本番と同形式の模擬試験問題が7回分掲載されている問題集です。
こちらの問題集を使うことで本番のレベルを知ることができるため、安心して試験に臨むことが出来ます。
後半では解答手順も解説されていますので、わからない点があった場合は解説を読み込んでしっかりと理解しましょう。
解けるようになるまで何度も繰り返して解き、わからない問題がない状態で本番に臨んでくださいね。
Excel表計算処理技能認定試験に関するまとめ
以上の内容をまとめると以下の通りです。
Excel表計算処理技能認定試験は、Excelの実用的スキルを認定する試験
難易度は全ての区分でそこまで高くない(合格率80%以上)
独学でも合格は可能
Excel初心者は、PCに慣れる⇒参考書で知識をいれる⇒何度も問題を解く
テキスト・問題集は自分に合ったものを選ぶ。わからなければ公式のものを使う。
いかがでしたでしょうか。
Excelのスキルは、どんな会社でも使われているツールなので、どんな仕事に就いたとしても、あなたを助ける大きな力になってくれるはずです。
取っておいて損はない資格ですので、ぜひ受験を検討してみてください。