VBAエキスパートは、VBAの知識やスキルを証明できる資格です。VBAは、Microsoft ExcelやAccessで使えるプログラミング言語です。
取得すれば、就職・転職、社内での人事評価に有利になるだけでなく、仕事の効率化にもつながります。
ただ、取得を目指す中で…
”試験内容や出題範囲はどんな内容なのか?”
”難易度はどれくらいなのか?”
”独学でも合格できるのか?”
といった点が気になるかと思います。
この記事では、VBAエキスパートの概要と独学する時のポイントについて紹介していきます。
ぜひ、取得を目指すうえでの参考にしてみてください。
- VBAエキスパートの概要
- VBAエキスパートの難易度
- VBAエキスパートの独学の方法
VBAエキスパートとは
VBA(ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズ)とは、表計算ソフトのExcelや、データベース用ソフトのAccessに搭載されているマクロ(自動処理)向けのプログラミング言語です。
VBAを使用することで、単調な繰り返し作業を効率化するなど、業務改善につなげることもできます。
VBAエキスパートは、このVBAの習得レベルを認定する民間検定です。現時点では、 VBAエキスパート以外にVBAに関する資格はありません。
2003年4月に開始され、試験はMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)試験と同じ株式会社オデッセイコミュニケーションズが主催しています。
試験はExcelとAccessのそれぞれにベーシックとスタンダードの2種類、計4種類があります。ベーシックはビジネス一般向けを想定した入門者向け、スタンダードはITプロフェッショナルも想定した中・上級者向けです。
ここからは、
- 試験の種類・受験料
- VBAエキスパートの出題範囲
- VBAエキスパートの合格基準
について解説していきたいと思います。
試験の種類・受験料
- ExcelVBAベーシック 13,200円(税込)
- ExcelVBAスタンダード 14,850円(税込)
- AccessVBAベーシック 13,200円(税込)
- AccessVBAスタンダード 14,850円(税込)
受験資格
- なし
- ベーシックの資格を取得していなくても、スタンダードの受験可
出題形式・試験方法・問題数
- 選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式、穴埋め記述形式
- コンピューター上で実施するCBT(Computer Based Testing)形式
- 40問前後
試験時間
- 50分
- AccessVBAスタンダードのみ60分
試験会場・日程
- 試験は全国各地で行われており、日程は会場によって異なります
- 会場は公式ホームページで検索できます
VBAエキスパートの出題範囲
出題科目は下記のようにExcelVBAベーシック、スタンダードともに10科目、AccessVBAはベーシック9科目、スタンダード8科目です。
ExcelVBAベーシック出題範囲
- マクロとVBAの概念
- マクロとVBAの概念
- モジュールとプロシージャ
- VBAの構文
- 変数と定数
- セルの操作
- ステートメント
- 関数
- ブックとシートの操作
- マクロの実行
ExcelVBAスタンダード出題範囲
- プロシージャ
- 変数の活用
- ステートメント
- ファイルの操作
- ワークシート関数の利用
- 検索とオートフィルター
- データの並べ替え
- テーブルの操作
- エラー対策
- デバッグ
AccessVBAベーシック
- VBAの基礎知識
- データベースの基礎知識
- 変数・定数・配列
- ステートメント
- 関数
- DoCmdオブジェクト
- フォームとレポート
- SQL基礎
- 実行とデバッグ
AccessVBAスタンダード
- VBAエキスパート「Access VBA Basic」レベルの理解
- 変数・配列・ユーザー定義型
- プロシージャ・モジュール
- フォームとレポートの操作
- SQL
- ADOやDAOによるデータベース操作
- 応用プログラミング
- プログラミングのトレース能力とデバッグ
VBAエキスパートの合格基準
VBAエキスパートの合格基準は1000点満点中650~800点です。難易度によって変動し、毎回公表されます。合否は試験修了直後に判定されます。
よって合格基準は得点率60〜80%、80%以上を取れば確実に合格できることになります。問題数にすると40問前後のうち32問前後です。
VBAエキスパート・Access VBA Standard合格しました(得点:875/1000)😊ノックが始まってから、そちらに時間もエネルギーも取られ、十分な対策が取れずかなりヤキモキしましたが、ノックで培われたVBA脳のおかげもあってか、予想以上の高得点でした。スタンダードクラウン獲得です✨👑 pic.twitter.com/HAfWsROEZp
— ひろっく@Enjoy VBA100Knock!!🤸🏼♀️ (@hiroki10484962) November 28, 2020
VBAエキスパートの難易度
VBAエキスパート試験は、パソコンに関する資格で比較するとMOSよりも難しいとされています。
同程度の難易度のIT系資格は、ベーシックでP検1級・C言語プログラミング能力認定試験 1級、スタンダードでITパスポート試験・Javaプログラミング能力認定試験 2級と言われています。
多くの資格試験サイトでは、これらの難易度を簡単~普通としていますから、VBAエキスパート試験は決して難関ではないと言えるでしょう。
なお、VBAエキスパート試験の合格率は現在公表されていません。
試験の種類ごとの難易度
VBAエキスパートは受験する試験によって難易度に違いがあります。その内容や難易度によってはどのくらい準備が必要かも変わってきます。
ここでは、試験の種類ごとの難易度を見ていきましょう。
ExcelVBAベーシック試験の難易度
Excelの知識・スキルが全くない状態から始めた場合、合格レベルまで到達するのに半年以上かかると言われています。Excel関数の使用経験がある場合は、25~75時間、1~3ヶ月の学習で合格レベルに到達できる可能性があります。
ExcelVBAスタンダード試験の難易度
ベーシックに合格しておらず、知識・スキルを持っていない場合、合格レベルまで到達するのに1年近くかかると言われています。ベーシックを取得していれば、3ヶ月~数ヶ月程度で合格レベルに到達できる可能性があります。
AccessVBAベーシック試験の難易度
Accessの知識・スキルが全くない状態から始めた場合、合格レベルまで到達するのに必要な勉強時間は25~35時間、1ヶ月前後と言われています。Accessの使用経験がある場合は、15~20時間、半月~1ヶ月弱の学習で合格レベルに到達できる可能性があります。
AccessVBAスタンダード試験の難易度
ベーシックに合格しておらず、知識・スキルを持っていない場合、合格レベルまで到達するに必要な勉強時間は、50~70時間程度と言われています。ベーシックを取得していれば、40~45時間程度の勉強で合格レベルに到達できる可能性があります。
VBAエキスパートの独学の方法
VBAエキスパートは難関試験ではないため、長期間の学習期間に耐えさえすれば、独学で合格することは可能です。
VBAエキスパートの学習法やその組み合わせは、ライフスタイルや予算などにより、パソコンスクールや通信教育、学習サイトなどの選択肢があります。なかでも一番選ばれている学習法は独学なのです。
『みんなの受験記』の投稿記事によれば、VBAエキスパート公式テキストを使って独学している人が多いようで、必ずと言っていいほど一押しに挙げられています。
公式テキストは、主催団体であるオデッセイコミュニケーションが出版するテキストなので、試験範囲に準拠しており、充分な対策ができます。
VBAエキスパートの過去問は公開されていませんが、公式テキストには実際に出題される形式の例題が掲載されており、公式テキストを反復学習することで試験対策ができます。
特に、満点が取れるようになるまで付録の模擬問題を繰り返し解くことが合格への鍵のようです。
公式テキストは書店や公式サイトから購入できます。
まとめ
- VBAエキスパート試験は、Excelベーシック・スタンダード、Accessベーシック・スタンダードの4種類があり、VBAの習得レベルを認定する民間検定
- VBAとは、ExcelやAccessに搭載されているマクロ向けのプログラミング言語
- VBAエキスパートは難関試験ではなく、独学で合格することは可能
- 独学では、公式テキストを反復学習することで試験対策することが重要
VBAエキスパートについてまとめました。
履歴書に書けるだけでなく、仕事の効率化に役立つスキル。独学なら、外出せずに試験対策できます。生活の合間に、ちょっと勉強してみるのはいかがでしょうか。