文書処理能力検定の資格をとろうと思ったとき、どんな資格なのかや試験の詳細、取得するとどんなメリットがあるのか考えますよね。
そこで今回は
・文書処理能力検定とはどんな資格なんだろう?
・文書処理能力検定の難易度はどのくらいかな?
・文書処理能力検定の資格って履歴書に書けるのかな?
このような疑問について解説していきます。
目次
文書処理能力検定とはどんな資格なの?
文書処理能力検定とは、パソコン・ワープロで文書作成や表計算を正確かつ迅速に処理する能力を問う試験の事を言います。
パソコンが普及したことで企業では文書作成や統計データ処理などの業務は必要不可欠となりました。OA化した時代の今、パソコンの能力はマスターしておきたいところです。
この検定はパソコンをただ打てるだけではなく、ビジネスできちんと使えるようになるのが目的とされておりますので、これから就職する学生の方や、パソコンスキルを身に付けたいと考えている人にお勧めな資格と言えます。
この章では
・検定の基本情報
・試験の時間配分
・文書処理能力試験範囲(ワープロ・表計算)
について詳しく説明します。
文書処理能力検定の基本情報
文書処理能力検定の試験は「ワープロ」と「表計算」に分かれており、それぞれ1級~4級まで区分されています。
文書処理能力検定を運営管理しているのは「全国経理教育協会」となり、申し込みは協会のホームページからします。
受験料などは下記のとおりです。
資格種別 | 民間資格 |
運営管理 | 全国経理教育協会 |
試験級 | ワープロ(1級・2級・3級・4級) |
表計算(1級・2級・3級・4級) | |
実施日程 | 年3回(7月・11月・2月) |
申し込み方法 | インターネット申し込み |
受験料 | 1級 5,200円 |
2級 4,200円 | |
3級 3,200円 | |
4級 2,200円 | |
受験資格 | どなたでも受験可 |
試験会場 | 全経協会会員校及び指定学校 |
問い合わせ | 全国経理教育協会 |
試験はどの級から受験しても良いので、パソコンが得意な方は初めから上級の受験も可能です。
またこの資格はどなたでも受験可能な為幅広い年齢の方が試験を受けていますが、中でも一番多く受験しているのは高校生や大学生といった学生になります。
今の時代には必要な技術として認識されている為、学生が一番多い割合となっていると思われます。
時間配分
ワープロ、表計算共に各級の時間は同じですが、配分が異なります。
文書処理能力検定(ワープロ)の各級の試験時間配分はこのようになっています。
級 | 筆記試験 | 実技試験 | |
試験時間 | 1級 (60分) | 20分 | 入力10分/文書作成30分 |
2級 (60分) | 20分 | 入力10分/文書作成30分 | |
3級 (40分) | - | 入力10分/文書作成30分 | |
4級 (30分) | - | 入力10分/文書作成20分 | |
試験方法 | 筆記試験+実技試験 |
引用:全国経理教育協会
文書処理能力検定(表計算)の各級の試験時間配分はこちらです。
級 | 筆記試験 | 実技試験 | |
試験時間 | 1級 (60分) | 20分 | 表及びグラフ作成/40分 |
2級 (60分) | 20分 | 表及びグラフ作成/40分 | |
3級 (40分) | - | 表及びグラフ作成/40分 | |
4級 (30分) | - | 表及びグラフ作成/30分 | |
試験方法 | 筆記試験+実技試験 |
引用:全国経理教育協会
3級、4級は実技のみで筆記試験はありません。
文書処理能力検定(ワープロ)の試験範囲
文書処理能力検定(ワープロ)の試験範囲は以下の通りです。
1級 | 筆記試験 | ワープロに関する高度な知識・漢字・送り仮名・熟語・慣用句・ことわざ等の国語力 |
実技試験 | 文書作成700字の入力(簡単なメモ書き原稿から正式文書を作成)高度な知識を含む | |
2級 | 筆記試験 | ワープロに関する実務知識・漢字・送り仮名・熟語・慣用句などの国語力 |
実技試験 | 文書作成500字の入力(メモ書き原稿から正式文書を作成) | |
3級 | 実技試験 | 文書作成300文字の入力(メモ書き原稿から適宜レイアウトし作成/追加・削除・修正を含む) |
4級 | 実技試験 | 文書作成200文字の入力(メモ書き原稿から適宜レイアウトし作成/修正を含める) |
文書処理能力検定は上級になるにつれ速いタイピング能力が問われますし、筆記試験では「常識問題」「国語力」が問われます。
2級、1級の筆記試験で出る常識問題には下記のようなものがあります。
1級
- 基本構成と取り扱いの注意
- 基本機能と意義
- 校正に関する知識
- プリンターと印刷方法
- 外部記憶装置に関する知識
2級
- 基本構成と取り扱いの注意
- 基本機能と意義
- キーボードと入力方法
- 校正に関する知識
- プリンターと印刷方法
- 外部記憶装置に関する知識
基本的なキーボード操作や校正、プリンターなど付随する機器の知識について学ぶことが出来ますね。
また実技試験では「入力」「文書作成」と分かれております。
「入力」では各級で指定時間に指定文字の入力が出来るかどうか。
「文書作成」では簡単なメモ書きを元に正式文章を作成。級によって正式文章の高度な知識が求められます。
ワープロ能力は事務職でかなり活躍できる能力の為、上級を目指す事はお勧めです。
文書処理能力検定(表計算)の試験範囲
文書処理能力検定(表計算)の試験範囲は以下の通りです。
1級 | 表計算に関する高度な知識 | 入力・関数・書式設定・グラフ・データ・印刷に関する知識の筆記試験と実技試験 |
2級 | 表計算に関する実務知識 | 入力・関数・書式設定・グラフ・データ・印刷に関する知識の筆記試験と実技試験 |
3級 | 表計算に関する基本知識 | 入力・関数・書式設定・グラフ・データ・印刷に関する知識の実技試験 |
4級 | 表計算に関する基礎知識 | 入力・関数・書式設定・グラフ・データ・印刷に関する知識の実技試験 |
2級、1級の筆記試験では下記のようなものがあります。
1級は2級範囲も含んで出題されます
- 関数
- 財務
- 日付/時刻
- 数学/三角
- 統計
- 検索/行列
- データベース
- 文字列操作
- 論理
- 情報
- 編集機能
- ユーザー定義
- マクロ
- グラフ
- 近似曲線・スムージング・データ追加
- データ
- アウトライン集計
- ピボットテーブル・ピボットグラフ
- 印刷
- 数式印刷
表計算は求められる難易度が上がりますので、関数、グラフ、データ等の会社でしかあまり使わない技術を習得することが出来ます。
文書処理能力検定の難易度はどのくらいなのか?
文書処理能力検定の難易度はどのくらいなのか気になりますよね。
文書処理能力検定の難易度はワープロも表計算もそれほど差はなく、1級はやや易しい、2~4級は易しいとされています。
試験の合格率
ワープロ・表計算共に筆記の合格基準は100点中70点以上合格となります。
試験の合格率はこのようになります。
1級 | 2級 | 3級 | 4級 | |
ワープロ合格率 | 62% | 57% | 80% | 93% |
表計算合格率 | 73% | 67% | 78% | 93% |
上級に上がることでタイピングのスピードや正確さが求めれられるため、難易度は少し上がりますがとはいえ易しいレベルです。
ワープロ実技試験の合格基準は以下のように10文字しかミスが許されませんので、速さと正確さが求められるのが分かります。
1級 | 700文字中 690文字 |
2級 | 500文字中 490文字 |
3級 | 300文字中 290文字 |
4級 | 200文字中 190文字 |
文書処理能力検定の勉強方法は?
文書処理検定は比較的やさしい資格なので独学でも充分合格できます。
基本的にはテキストと問題集を繰り返し解く。これに限りますが、実技試験の練習も必要になります。
タイピングが苦手など自覚のある場合はタイピングの練習を早い段階から行いましょう。
上級になると試験は60分と言えども、筆記20分、入力10分、文書作成30分の限られた時間でこなせるよう時間を意識して勉強や練習することをお勧めします。
文書処理能力検定は履歴書に書けるか?
試験の詳細や難易度が分かりましたが、文書処理能力検定の資格を取得したら「履歴書」に書けるのか気になりますよね。
上級であれば履歴書に書く人も多いですが、とはいえ就職活動に有利になる資格ではありません。
理由としてはパソコンは出来て当たり前のスキルな為、企業もそこまで重要視していないのが現実です。
しかし、事務職にはもちろん活きる資格ですので、あくまでもスキルアップの為の資格とお考え下さい。
文書処理能力検定のみだと、履歴書に書いてもインパクトに欠ける部分も否めませんが、他の資格を一緒に書くことでパソコンの技術や知識をアピールすることは十分に可能です。
文書処理能力検定を取得するメリットは?
取得するメリットとして挙げられるのは
・タイピングが速くなる
・正式文書など高度な文書能力がつく
・国語力を磨ける
挙げたメリットは、社会人としての「基礎」を作る勉強として考えていただけたらと思います。
パソコンが出来て当たり前の時代ではありますが、使いこなせる人は多くありません。
仕事を円滑に行う上でタイピングが速く正式文書が使えることは即戦力となります。
また一般的な慣用句やことわざなどを勉強もしますので、国語力が身につきます。国語力や文章能力が身につくということは、社会人としての言葉遣いを意識付け身に付けることになります。
社会人としての文書マナー、言葉の理解があるだけで仕事に対する自信や、同僚からの評価に繋がると思います。
これらの基礎は一般の方は勿論ですが、早い段階でタイピングスキルや文書能力を身に付けることは将来的にとても有効ですので、多くの学生の方に身に付けてほしいと思います。
実際に文書処理能力検定を取得した方の声を見てみましょう。
合格者の経験談
・文書処理能力検定1級を取得しました。特に何も手当とかないけど仕事では色々役に立っている。取って良かった。
・文書処理能力検定の資格は持っていて役に立つと感じる。
・タイピング能力を最強に強まらせておく為文書処理能力検定や類似資格をいくつか取得した。採用のアピールポイントになった。
このように取得することで採用にはメリットがない場合でも仕事に役に立っていたり、類似資格と共に取得し自分の強みのしている方もいるようですね。
合わせて取りたい資格
最後に文書処理能力検定と合わせて取得することで、自分の価値を企業にアピールできる資格をご紹介します。
・ビジネス文書検定
・日本語検定
・PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
これらの資格を取得すると更にビジネスにおいて必要な文章能力やパワーポイントの技能も身に付けられます。
もし自分にこれと言った資格が無いと感じるのであれば、パソコンの技能能力を身に付け自分の強みにするのも一つの手段になりますし、自信にもなるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで文書処理能力検定の資格について解説してきました。まとめますと
・文書処理能力検定とはパソコン・ワープロで文書作成や表計算を正確かつ迅速に処理する能力を問う試験
・難易度は1級はやや易しい、2~4級は易しいレベルである
・履歴書に書いてもそれほど重要視はされないため、スキルアップの為の資格と考える
文書処理能力検定の取得を迷っているのであれば、今後更なるOA化には必ず必要となるスキルですので挑戦する価値はあると思います。
今回の記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。