医療事務の仕事に就くにあたり、どの資格を取ろうかと迷っているあなた。
40年の実績があり、合格すれば『メディカルクラーク®』を名乗れることから医療事務技能審査試験を検討する人も多いでしょう。
「医療事務技能審査試験って難しいのかな。合格率はどれくらい?」
「独学でも合格できるかしら」
などと気になりますよね。
結論としては、難易度はそこまで高くなく、独学でも大丈夫です。
ですが、合格するために詳しく試験のことを知っておかないと、対策が上手くたてられず勉強がはかどらないことも。
そこで、
この記事では…
医療事務技能審査試験の概要
難易度や合格率について
独学で合格できるか、おすすめテキストや過去問はあるか
ということについて焦点を当てて詳しく解説していきます。
目次
医療事務技能審査試験の概要
まずはこの試験の概要から解説します。
一般財団法人 日本医療教育財団が、医療事務職の職業能力の向上と社会的経済的地位の向上に資することを目的として実施している認定試験です。
受験資格 | 問われない。 |
試験日 | 【医科】毎月(年に12回)
【歯科】奇数月(年に6回) |
試験実施方法 | 在宅試験
【実技Ⅰ】 患者接遇 筆記(記述式) 2問 50分 【学 科】 医療事務知識 筆記(択一式) 25問 60分 【実技Ⅱ】 診療報酬請求事務 診療報酬明細書点検 4問 70 分 |
受験料 | 7,700円(税込み) |
合否判定 | 学科試験および実技試験Ⅰ・Ⅱのすべての得点率が70%に達した時点で合格。
※試験科目免除制度 : 3科目すべてを受験したうえで、得点率70%に達した科目は、6か月間に限り受験が免除になる。 |
※2020年度版の医療事務技能審査試験の案内から抜粋しています。
こう見ると、受験しやすい資格と言えるでしょう。
受験資格がないため、誰でも受けることができます。試験の開催も医科は毎月、歯科は2か月に1回開催されているので、万が一不合格だったとしても、すぐに再受験可能です。
なにより、3科目のうち、得点率が70%に達した科目は6か月に限り受験が免除されます。(例:4月度の初回に3科目を受験→11月末日まで合格科目が免除のまま受験できる)
実技Ⅰ・Ⅱは、実技という名目ですが、試験は筆記の記述式になります。在宅で受験できることから試験の受けやすさがわかりますね。
受験した分だけお金がかかってしましますが、今月は実技Ⅰと学科を中心に勉強。来月は実技Ⅱにコミットして勉強という受験プランを立てることも可能です。
他の医療事務の資格とどう違うの?
概要についてわかったところで、
「この試験、他の医療事務の資格とどう違うの?」
と思いますよね。
ここでは、30種類を超える医療事務資格を大きく3タイプに分けて解説します。
3タイプに分けると、このようになります。
- カルテの情報からレセプトへ仕上げられるようになる資格
- レセプトを正しくチェックできるようになる資格
- 患者さんへの対応力を養う資格
医療事務技能審査試験の科目をみてみると、主に“ 2 ”と“ 3 ”に対応していることがわかります。
“ 1 ”は、手書きでレセプトを書く試験が含まれた資格です。
電子カルテが普及している今、“ 2 ”のようにレセプトが間違えていないかチェックできる能力が特に必要とされているため、“ 1 ”は一見必要ないように見えます。しかし、レセプトを正しくチェックするには正しく書けるようになることが必要です。
医療事務技能審査試験は、レセプトを正しくチェックすることに重きを置いていますが、手書きで書けるようになるくらいの理解を深めておく必要があります。
例えば、レセプトを書きあげることに特化した資格もありますので、自分が資格をどのように活かしたいのか考えて取得する資格を選びましょう。
“ 3 ”に関しては、患者さんへの対応を就職前からあらかじめ学べることになります。具体的には、受付や窓口での患者さんへの対応や、電話での対応についてです。
こちらの「他の医療事務の資格について」の記事見ておくとどれを取るか決めやすいかと思います。
医療事務技能審査試験の難易度と合格率について
医療事務技能審査試験を実施している、一般財団法人日本療育財団から、正式な合格率は発表されていません。
およそ50~70%の合格率となっているようです。
合格率で見れば、それほど難易度も高くないことが伺えます。
しっかり勉強すれば合格する試験といえるでしょう。
医療事務技能審査試験は独学で合格できるのか
ここでは独学で合格できるよう、
- 独学でのテキストについて
- 独学のメリット、デメリット
- ニチイ通信講座について
この3点を解説します。
独学でのテキストについて
自分で勉強するのであればテキストや問題集、過去問等が必要になりますよね。医療事務技能審査試験のテキストは一般の書店等では販売されていません。
市販されている医療事務用のテキストでももちろん勉強できますが、やはり、公式のテキストのほうが勉強の効率が良いでしょう。
ニチイからテキストなど販売されていますので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。ニチイの通信講座を受講していなくても購入できます。その他の入手方法としては、メルカリなどからの中古購入です。
中古で購入される場合は、なるべく直近(最新)のテキストを買いましょう。特に診療報酬の計算に使用する『診療報酬点数表』は必須アイテムですが、診療報酬は2年に一度改定されます。注意しましょう。
試験当日はテキスト等を見ながらでOKですので、必要なページをすぐに開けるように、インデックスシールなどを付けておくと良いでしょう。
独学のメリット、デメリット
医療事務技能審査試験に限りませんが、医療事務の資格取得に必要な勉強期間は3~6か月が目安です。
仕事や家事、育児などをこなしながら勉強していく方も多いと思います。独学であれば時間にしばられず、マイペースに勉強できます。
その反面、自分で計画を立て、モチベーションを維持しながら勉強していかなくてはいけないため、セルフコントロールが必須です。
医療事務試験対策のアプリやYouTube動画などもたくさんありますから、そういったものもスキマ時間に取り入れながら勉強していきましょう。
いかに効率よく勉強できるかが鍵ですね。
ニチイ通信講座について
医療事務技能審査試験の通信講座を取り扱っているのはニチイのみです。
通学コースと通信コースがありますが、ここでは通信コースに絞って解説します。
通信講座はお金がかかることが最大のデメリットではありますが、なにより公式のテキストが揃いますし、添削してくれるシステムで自分の苦手分野も発見されやすくなるでしょう。自宅学習のアドバイスももらうことができます。
先ほど解説したように、夏休みの最後に宿題をまとめてやってしまうようなタイプのかたは、通信講座で「やらなきゃ!」を増やすことができるでしょう。
また、通信講座を修了後、就業相談を無料で実施してくれるサービスもありますよ。
通信講座も独学ではありますが、すべて一人で勉強するのとではちょっと違います。
医療事務技能審査試験を取得するメリット
最後に、この資格を得ることでのメリットを紹介いたします。
医療事務という業務に必要な知識やスキルを学んできたことのアピールができる。
医療事務の仕事には実は資格は必要ありません。ですが、人気の職業でもあることからライバルは多いです。
資格を取得することで、勉強をしてきたことのアピールにもなりますし、知識を身に着けることで即戦力にもなるでしょう。
長年の実績があり、「メディカルクラーク®」と名乗ることができる。
医療事務業界では有名な資格になることから、信頼感は得やすいでしょう。また、メディカルクラークと名乗れるのは、この医療事務技能審査試験に合格した人だけです。
就職先によっては、資格手当がもらえる。
これは就職先によります。約7割の病院等では資格手当がないとのアンケート結果も…。ただ、中には1万円以上の資格手当がつくところもあるようです。
診療報酬請求事務能力認定試験や、医療秘書技能検定試験など、スキルアップする資格の土台となる。
医療事務として受付や会計だけではなく、レセプト業務こなせるようにしたい!さらなるスキルアップを目指して行きたい!という時に、他の資格の土台となるため、勉強も理解しやすいでしょう。
医療事務技能審査試験についてのまとめ
いかがでしたか。
ここまでの記事をまとめます。
見出し(全角15文字)
- 受験は何度もチャレンジしやすい
- 難易度はそれ程高くない。合格率は60%
- 独学でも合格は可能。不安なひとは通信講座がおすすめ。
- 医療事務技能審査試験は歴史ある資格であるから、信頼を得やすい。
医療事務技能審査試験は、医療事務の資格の中で最もメジャーといえるでしょう。
難易度もそれほど高くありませんので、「医療事務で働きたい!」というかたは合格を目指してみてはいかがでしょうか。
医療事務技能審査試験を検討している方の参考になれば幸いです。