パソコンを使った文書作成の資格は数多くあります。
今回取り上げる「日本語ワープロ検定」とは、日本情報処理検定協会が主催する文書作成スキルを証明する民間資格です。
この記事では、日本語ワープロ検定について、以下のことを解説してきます。
・日本語ワープロ検定とは?
・日本語ワープロ検定の難易度は?
・日本語ワープロ検定を取ったら、履歴書に書ける?
履歴書に書けるのかどうか今すぐ知りたい人はこちらをどうぞ!
目次
日本語ワープロ検定とは、どんな資格?
日本語ワープロ検定とは、ワープロソフトを使って、日本語の文書作成スキルを測定する民間資格です。
ワープロとは、「ワードプロセッサー」の略で、パソコンで文書を作るソフトのこと。
または、昭和の終わりから平成初期にかけて普及した、文書作成のみの機能を持ったOA機器のことを指します。
文書作成ソフトとしては、Windowsでは「Microsoft Word」、Macでは「pages」、
最近では「Google ドキュメント」もオンラインで利用できるということで有名ですね。
主催する団体は、昭和60年に設立された日本情報処理検定協会。
30年以上続いていて、なかなか歴史の長い資格ですね。
昭和60年と言えば、パソコンが少しずつオフィスに設置され始めた時期です。
「新しく普及し始めたパソコンで、文書作成ができる人材を育成しよう」という社会背景から、この資格が生まれました。
日本語ワープロ検定は、どんな試験?
ここでは、日本語ワープロ検定の試験がどのようなものか、以下の項目から試験概要をご説明します。
・求められるスキル
・級別の試験内容
・受験資格
・試験の日時と場所
・試験で使う文書作成ソフト
求められるスキル
日本語ワープロ検定では、主に以下のスキルが求められます。
・タイピングの速度
・タイピングの正確性
・文書の体裁を整える
検定試験は、4級から初段まで、レベル別に7段階の級に分かれています。
級別の試験内容
日本語ワープロ検定は、どの級の試験も、次の2種類の試験から構成されています。
・速度
・文書作成
速度
タイピングの速度と正確性を測る試験です。
試験問題に書いてある通りの文章を、正確に打ち込み、同じ文章を作成します。
制限時間10分の間で、何文字打ち込めたかで合否が判断されます。
タイプミスがあると、合格基準の文字数から減算されます。
級別の基準は、以下の通りです。
級 | 試験時間 | 1ミスあたりの文字減算 | 合格文字数 |
4級 | 10分 | 1文字減 | 200文字以上 |
3級 | 300文字以上 | ||
準2級 | 3文字減 | 400文字以上 | |
2級 | 500文字以上 | ||
準1級 | 5文字減 | 600文字以上 | |
1級 | 700文字以上 | ||
初段 | 800文字以上 |
文書作成
体裁の良い文書を作成する能力を測る試験です。
試験問題に書いてある通りのビジネス文書を、ワープロで同じ文書になるよう作成します。
制限時間20分の間で、どれだけ正確に文書作成できたかで合否が判断されます。
速度の試験では、文字数で合否が判定されていましたが、文書作成の試験では点数で判定されます。
100点から、ミス1つにつき所定の点数が引かれていきます。
級別の基準は、以下の通りです。
なお、初段は文書作成Ⅰと文書作成Ⅱの2種類があります。
級 | 試験時間 | 1ミスあたりの減点 | 出題内容 | 合格点 | |
4級 | 20分 | 2点減 | ビジネス文書 | 80点以上 | |
3級 | ビジネス文書 (表を含む) |
||||
準2級 | |||||
2級 | |||||
準1級 | ビジネス文書 (表と地図を含む) |
||||
1級 | |||||
初段 | Ⅰ | ||||
Ⅱ | 基準による | ・グラフや図形挿入 ・段組み など |
受験資格
日本語ワープロ検定の受験資格はありません。
何歳でも受験することができますし、試験前の課題なども設けられていません。
また、級を飛ばして受験することも可能で、いきなり初段や1級に挑戦することもできます。
試験の日程と場所
試験は、年に4回。
例年、7月・10月・12月・2月の日曜日に設定されています。
日本語ワープロ検定は、学校や職場での団体受験がスタンダードとなっています。
そのため、個人で受験する場合は、受験場所がかなり限定的になっているので注意が必要です。
指定会場がない都道府県もありますので、日本情報処理検定協会公式サイトで最寄の会場を確認しておきましょう。
試験で使う文書作成ソフトは何?
日本語ワープロ検定は、会場に用意されたパソコンで試験を受けます。
「ワープロ」と一口に言っても、いろいろなソフトがありますが、試験では何のソフトが使われるのでしょうか。
試験要項には以下のように記載があります。
指示に対応できる機能を有するソフトを使用(使用機種・ソフト・ソフトのバージョンは問いません)
「文書が作成できれば、ワープロソフトは何でも良い」というのが運営側の方針ですが、
試験で使われるソフトは、Wordと思って良いようです。
それは、日本で使われているパソコンのほとんどがWindowsだからでしょう。
そして、Windowsではほぼ間違いなくWordが使われています。
ただし、Wordにも2007、2010といったように、バージョンの違いがありますので、
試験会場によって、バージョンの違いは出てくるでしょう。
しかし、試験に出てくるポイントは基本的な操作が多く、内容も限られています。
過去問などでしっかり対策をしておけば、困ることはあまりないと考えて良いでしょう。
日本語ワープロ検定の難易度は?
気になる試験の難易度ですが、しっかり対策をして臨めば難しくないと言えるようです。
・合格基準
・合格率
・おすすめの勉強法
ここでは、以上の点について解説していきます。
合格基準
日本語ワープロ検定の合格基準は、すべての試験で正答率80%以上です。
速度と文書作成の試験、それぞれで80%以上となる必要があり、
どちらかが80%を下回ると合格することができません。
初段の場合は、速度試験と文書作成試験2つの合計3つのテストについて、
それぞれ80%以上の点数を取る必要があります。
合格率
日本語ワープロ検定の合格率は、公式には公表されていません。
巷では、50%程度の合格率と言われているようです。
合格率は初段:約33% 1級:約50% 準1級:約50% 2級:約50% 準2級:約60% 3級:約70% 4級:約80%程度(平成16年度)。
引用:Yahoo!知恵袋
3級、4級は初級レベルということで、合格率は高いようですが、
初段となると、合格率33%と厳しいものになっています。
しかし、日本語ワープロ検定は、80%以上の正答率で必ず合格できる資格です。
合格率にはあまりこだわらず、確実に合格点を狙えるレベルに達してから受験することが最善策でしょう。
おすすめの勉強法
日本語ワープロ検定の試験対策は、合格ラインに達するまで、問題を繰り返し解いて、訓練することに尽きるでしょう。
訓練方法は、以下の3点が代表的です。
・過去問
・練習問題集
・無料タイピングサイト
日本情報処理検定協会公式サイトに、過去8回分の過去問が掲載されています。
時間内に、80点以上取れるようになるまで、何度も繰り返すと良いですね。
過去問だけで物足りない人は、問題集も販売されています。
日本情報処理検定協会公式サイトからのみ、注文できるようになっています。
タイピング技術を上げたい人は、無料のタイピング練習サイトを活用すると良いでしょう。
ゲーム感覚で楽しく練習できるものもありますよ。
いくつかご紹介しておきますので、是非参考にしてみてください。
e-typing | シンプルで使いやすい。レベル判定をしてくれるため、モチベーションUPに繋がる。 |
マイタイピング | 有名な歌の歌詞を使ったりなど、練習を飽きさせない工夫がたくさんある。 |
寿司打 | 回転寿司が流れて画面から消える前に、タイピングを完了させるユニークな練習サイト。 |
日本語ワープロ検定は、履歴書に書ける?
日本語ワープロ検定は、一般の資格ですので、もちろん履歴書に書くことができます。
ここでは、以下の2点をご説明します。
・履歴書への書き方
・日本語ワープロ検定は、就職や転職に有利か?
日本語ワープロ検定の履歴書への書き方
公式サイトで、履歴書への書き方が記載されています。
日本情報処理検定協会主催 日本語ワープロ検定試験 ○級合格
引用:日本情報処理検定協会公式サイト
履歴書には、以上のように記載しましょう。
文字数が多く書けない時は、主催団体名を「日検」と省略しても良いようです。
複数の級を取得している場合は、一番高い級のみ書けば良いでしょう。
日本語ワープロ検定は、就職や転職に有利か?
残念ながら、有利にはなりません。
前述の通り、「ワープロ」とは平成初期の頃に重宝されたものであるため、
パソコン機能が進化した今となっては、一昔前のものと言っても過言ではないでしょう。
企業の面接官が、この資格の存在を知らない可能性もあります。
冒頭で話したようにどうせワープロを練習するなら圧倒的にWordの勉強、練習をした方が効率的です。
なぜならワープロ試験自体がWordを使って行われる事がほとんどだからです。
また、実務でワープロが使われる場面はまずありませんがWordは必須となります。
そうなれば就職に有利なのがどちらのスキルかというのは明白です。
どうせ同じようなスキルを身に付けるなら就職に有利なWordの勉強をしましょう。
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もっと言えば、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)が一番就職する上で評価される資格です。
WordだけでなくExcel、PowerPointといった実務で必須とされるスキルを総合的に学べる資格です。
どうせ挑戦するなら少し本気になってMOS資格を考えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
この記事で解説してきたことは、以下の通りです。
・日本語ワープロ検定とは、タイピングと文書作成のスキルを証明する資格
・日本語ワープロ検定の難易度は、比較的易しい
・日本語ワープロ検定を取ると、履歴書に書くことができる
今やビジネス社会において、文書作成スキルは必須です。
日頃から、パソコンで文書作成の腕を磨いている人は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。