普段の生活やビジネスツールとして、もはや欠かせない存在であるパソコン。
働く会社にパソコンがない、パソコンを全く触らずに仕事ができるということのほうが現代では珍しいのではないでしょうか。
だからこそ、就活や転職の際に必ずといっていいほど問われるのは「パソコンはできますか?」という質問。
そんな時に役に立つのが、Microsoft Office Specialistの資格、通称MOS資格です。
今回の記事では、MOS資格について
・MOSとはどんな資格か
・MOS資格のとり方
・資格の難易度
・資格を取るための勉強方法
の4点を解説します。
パソコンスキルを身に着けていると、就職する時のアピールになるだけでなく、実際に仕事をする時により効率的に業務をこなせるようになります。
この記事を読んで、どうやったらMOS資格を手に入れられるのか勉強しましょう!
目次
MOSとはどんな資格?
MOSとは、「Microsoft Officeスペシャリスト」の略です。
つまり、パソコンの文章や表計算ソフトとして一般的に使用されている、WordやExcelなどのMicrosoft Office製品についてのスキルを証明してくれる資格になります。
累計受験者数は440万人以上であり、10代から50代以上の幅広い年齢層、日本全国の地域の方が受験しています。(MOS公式サイトより)
またMicrosoft Officeは世界中で同規格のものが使用されているため、世界共通の資格としても使用できます。
Word、Excel、PowerPoint、Axess、Outlookの5つのソフトと、2013、2016、365&2019のバージョンごとに異なった試験となっています。
(PowerPoint、Axess、Outlookは365&2019のバージョンはありません)
また、WordとExcelの2013、2016バージョンには上級レベル(エキスパート)の試験もあり、こちらは会社全体の業務そのものの改善に役立つような、高度な内容のスキルについての試験となっています。
同一バージョンのうち、規定の複数科目に合格することでMOS Associate、もしくはMOS エキスパート、MOS マスターの称号を得られます。
中でも受験者数が多いのは、WordもしくはExcelの一般レベルとなります。
この試験で問われるのは基本的な操作スキルであり、どのような会社・職種であっても必要とされることが多い能力だからです。
また、この資格は、ただ就職の時に役立つだけでなく、実際の業務にも役立てられるような、実践的な内容を問うものとなっています。
ですから、これから就職活動をする学生だけでなく、事務系への転職を考える人や、すでに会社でWordやExcelを使用しているけれども、もっと効率的に業務をこなしたい、パソコンスキルを身に着けてできる仕事の幅を広げたいと考えている人などにもオススメです。
MOS資格のとり方
次に気になるのは「どうやったら資格を手に入れられるのか」ということですよね。
この章では、MOS資格の取り方について
・受験資格
・試験日程
・試験内容
についてご説明します。
受験資格
MOS試験の受験資格は特にありません。
年齢や国籍に関わらず、どなたでも受験できます。
ただし、同じ科目を再受験する場合、2回目以降の受験には注意が必要です。
・2回目の受験には1日(24時間)
・3回目以降の受験には2日(48時間)
以上開ける必要があります。
受験方法・試験日程
MOS試験の受験方法には2通りあります。
・随時試験
・全国一斉試験
どちらの試験でも試験の難易度や合格証、受験料について差はありませんので、自分の受けやすい方を受験するといいでしょう。
随時試験
随時試験は、全国のパソコンスクールが開催している試験です。
週に1日~7日とスクールによって開催日は異なっていますが、毎日日本全国各地で行われています。
自分の都合に合わせて試験場所や試験時間を選べるので、忙しい人にオススメです。
受験日や受験時間、定員や申込受付期間などはスクールによって異なっているので、受験するためには直接パソコンスクールに問い合わせと申し込みをする必要があります。
開催場所や日時について、詳しくはこちらで確認してみましょう。
全国一斉試験
全国一斉試験は、MOS公式サイトから申し込めるようになっており、全国で同日に行われる試験です。
月に1回程度、日曜日に開催されています。
一般的に「試験を受ける」と考えた時に想像されるイメージには、こちらのほうが近いでしょう。
受験票が来るまで試験会場がどこになるかわからない(ある程度の地域しか選べない)、月に1回か2回しか試験がないなどの点が不便ですが、直接スクールに問い合わせなどをする必要はありません。
また、定員がいっぱいになってしまうということもないので、受験までのスケジュールを組みやすいでしょう。
試験内容
試験はどのバージョン、レベルでも50分間の実技試験のみとなっており、筆記試験はありません。
試験範囲はソフトとバージョンによって全て異なっているため、MOS公式サイトで自分の受けたいソフトとバージョンの試験内容を必ず確認するようにしましょう。
参考までにですが、Word2016の一般レベルの試験範囲は以下のようになっています。
・文章の作成と管理
・文字や段落、セクションの書式設定
・表やリスト、参考資料の作成と管理
・グラフィック要素の挿入と書式設定
Wordを使ったことのある人なら、1度は触れたことのある機能ではないでしょうか。
MOS資格の難易度
では、MOS資格の難易度はどれくらいなのでしょうか。
残念ながらMOSの合格率は公開されていませんが、合格点は1000点満点中550点~850点とされています(公式サイトより)。
合格点は試験問題やバージョンによって変化しますが、合格点が低いのは難易度の高いエキスパートの一部であり、基本的には700点超え程度で合格とされているようです。
Microsoft Officeの基本的なスキルが身についているかをはかる試験であり、特に一般レベルの試験は試験内容を見ても分かるように、さほど難しいものではありません。
その証拠に、対策授業をしているパソコンスクールでは、どこも90%以上の合格率を謳っています。
試験対策を行っていれば、落ちることはほとんどないと言えるでしょう。
たとえ1度で合格できなくとも、随時試験を利用すれば短期間のうちに何度も受け直しが可能なので、受かるまで何回も受験できます。
MOS資格を取るための勉強方法
簡単な試験、と言っても、試験勉強を何もせずに挑むのは危険です。
というのも、普段仕事で使っているとしても、試験で問われる機能を全部知っているとは限らないからです。
また、MOSの試験では時間内に問題を解かなくてはなりませんので、普段利用している機能もよりスピーディに、手早くこなせるように手順を確認しておく必要があります。
何回も受験できる、とは言ってもそのたびに受験料もかかってしまいますし、できれば1回で合格したいですよね。
この章では、タイプ別にMOS資格を取るための勉強方法について解説します。
・パソコンが得意な方
・パソコンが苦手な方
パソコンが得意な方
普段からパソコンを学校や会社で利用している、WordやExcelの使用経験がある、試験内容を見て大体やることが分かる、という人は、「参考書を利用した独学」がおすすめです。
自分の受けたいソフトとバージョンに合った参考書を購入し、自分に足りないスキルを補いましょう。
特に評価の高い参考書はFOM出版のものと日経BPのものですが、読みやすい、自分に合った参考書を利用することが大切です。
(引用:FOM出版)
(引用:日経BPブックス&テキストOnline)
独学で試験勉強をする時の3つのポイントは、以下の4点です。
・最初に受験日を決めてしまう
・「できる」と思うことでも最初は必ず確認する
・わからない問題は考える前に解答を見る
・できるようになるまで何回も繰り返し問題を解く
独学の良さはいつでも自分の好きな時に勉強ができることですが、随時試験を利用すればいつでも受験できてしまうことから、「今は忙しいから…」「仕事が山場を越したら」など、MOS試験の場合は特に受験が後回しになりがちです。
できれば、最初に受験日を設定して、申込みまで行ってしまいましょう。
また、前述したように、たとえ仕事で使っている機能だとしても、試験を受ける場合には「正しく、早い手順で」行うことが重要になります。
分かるから、と参考書を飛ばすことなく、まずは1度全部読んでみましょう。
もしかしたら、普段自分がやっているよりも効率的な方法が書かれているかもしれません。
そして、分からない問題は考えて答えを出すのではなく、解答をすぐに見てその手順を覚えるようにしましょう。
思考力を問う問題ではなく、規定の手順をどれだけ正確に早くできるかの試験だからです。
何度も練習問題を繰り返し、参考書の問題を、回答を見なくてもスラスラと解けるようになるまで練習しましょう。
予想問題を解いて、40分以内に90%以上を正しく解けるようになるのが、試験を受けに行くときの目安とされています。
このレベルに達するまで、毎日時間や問題数を決めて練習しましょう。
パソコンが苦手な方
WordやExcelって聞いたことはあるけれども良くわからない、文字入力をするのがやっと、という初心者の人は「パソコンスクールに通う」のがおすすめです。
パソコン操作の基本から、分かりやすく教えてもらえるからです。
苦手な場合は、独学で勉強しようとしても何をどうすればいいか分からなくなってしまうことも多いので、効率よく勉強できます。
丁寧に教えてもらえるので、当然ですが、独学より合格率も高くなります。
元々のパソコンスキルと通うスクールにもよりますが、何回も試験を受け直すよりも安くなる場合もあるので、独学で不合格になってしまった人も一度検討してみるといいかもしれません。
忙しくてパソコンスクールに通う時間がない、近くにスクールがない、という人や、少しでもリーズナブルにしたい、という人は通信講座がおすすめです。
通信講座の場合は自分で計画を立てて進めなければなりませんが、参考書だけを利用して勉強する場合に比べ、テキストや映像授業などでより丁寧に分かりやすく教えてもらえます。
また、わからない部分を電話やメールで質問できるサポートをしている会社もあります。
【まとめ】MOS資格の難易度と勉強方法について
MOS資格とは、Microsoft Office Specialistの略で、Microsoft Office製品についてのスキルを証明してくれる資格でした。
難易度は低く、試験対策をしっかりと行えばほぼ1回で合格できるでしょう。
〈勉強方法〉
・パソコンが得意な人(すでにWordやExcelを利用している人)
→参考書を利用した独学がオススメ
・パソコンが苦手な人(今までにあまり利用経験がない、初心者など)
→パソコンスクール、もしくは通信講座がオススメ
これからパソコンを使った仕事に就きたい人や、仕事をより効率的に進めたい人に、MOS資格はぴったりだと言えるでしょう。
MOS資格を取って、自分のパソコンスキルを客観的に証明しちゃいましょう!