現在、Webを用いた職業は多種にわたり、いかに需要があるのかが分かりますよね。その中でも、Webクリエイターは非常に注目を集めている資格の1つです。とはいえ、具体的にどのような資格なのか、分からないところもあると思います。
そこでこの記事では、Webに関する資格であるWebクリエイター能力認定試験についての、
・どのような試験の内容なのか分からない!
・試験の難易度を知りたい!
・履歴書に記載できる資格なのか?
といった疑問について解説していきます。
目次
Webクリエイター能力認定試験とはどんな資格?
まず最初に、Webクリエイター能力認定試験について、簡単に解説しておきます。
Webクリエイター能力認定試験とはWebサイトを作る技術・能力を評価する民間の検定試験のことです。
この試験に合格することで、Web業界における企業の即戦力として就職や転職を目指すことができたり、Web制作に関するスクールのインストラクターを目指したりすることもできます。
また、Webクリエイター能力認定試験には、スタンダードとエキスパートの2種類があります。それぞれの特徴は次の通りです。
スタンダード
・セマンテックWebを理解した上で、HTML5における文章の構造化を図ることで文章に意味を持たせられる。
・CSS(Webページの様式を決める言語)を使用しHTMLの構造を保ちながら、ページデザインやレイアウトを表現する能力がある。
エキスパート
・使いやすさ・アクセスしやすさを検討しながら、適切なレイアウトや色彩を用いてWebデザインを表現できる。
・スクリプトを採用した動的なWebページ表現、多様なデバイスへの対応、新たなサイトを構築できる。
エキスパートは、スタンダードの合格者が次のステップとして受験することが多いので、まずはスタンダードの取得から目指すことになります。
Webクリエイター能力認定試験は、エキスパート・スタンダード共に、学歴や年齢などの制限は設けられていません。受けたいと思うのであれば、誰でも受験が可能となります。
試験内容は、スタンダードとエキスパートによって異なります。それぞれの試験について解説していきます。
スタンダード
この級では実技問題のみが出題され、試験時間は130分となっています。
具体的な試験内容は、次の通りです。
項目 | 試験形式 |
内容 | HTML5を変換する、HTMLを作成する、CSSを読み込み作成する、画像を表示する |
形式 | 配布済みの問題並びに素材をもとに、指示通り編集し、解答を提出する。 |
題数 | 1テーマ(約4ページのXHTMLファイル・CSSファイルを作成する) |
受験料は5,900円(税込)となっています。
エキスパート
この級では知識問題と実技問題の2科目が出題され、試験時間は220分(知識問題20分、実技問題200分)となっています。スタンダードと比べると、科目数も試験時間も増えているのでしっかりとした準備が必要です。
具体的な試験内容は次の通りです。
科目 | 項目 | 試験形式 |
知識問題 | 内容 | Webサイト関連知識を問う |
形式 | 4択の選択 | |
題数 | 20問(デザインカンプ問題×15、文書問題×5) | |
実技問題 | 内容 | HTMLを作成する、CSS読み込み作成する、画像を表示する、JavaScriptを読み込む |
形式 | 配布済みの問題並びに素材をもとに、指示通り編集し、解答を提出する。 | |
題数 | 1テーマ(1ページの基本ページ・約5ページのHTMLとCSSの作成+画像ファイル) |
受験料は7,500円(税込)となっています。
Webクリエイター能力認定試験の難易度はどのくらい?
資格試験の勉強を始めるとなると、気になるのは難易度がどれくらいなのかだと思います。結論から言えば、難易度は高くありません。
実際、この試験の平均合格率(スタンダード・エキスパート)は、89.9%(2018年度)となっています。
ただし、エキスパートに関してはより実践的な内容となっているので、比較的高くなってくると考えてください。
Webクリエイター能力認定試験スタンダード受けて来ました。
難易度は高くないけど問題数が多いので、時間との戦いでした。
知識を問うというよりリファレンスを見ながらいかに早く解けるか、IQテストみたいで楽しかったです。
近日中に勉強法・合格体験記の記事書きます!— codroe8 (@codroe8) June 4, 2019
Photoshopクリエイター検定やWebクリエイター能力認定試験もスタンダードは簡単だったけど、エキスパートは一気に難易度あがった経験が…!
— まじかる☆こいん (@coinmaster7) May 12, 2015
勉強時間には個人差がありますが、一般的には、スタンダードでおよそ24時間程度、エキスパートで38時間程度の学習が必要と言われています。
公式のテキストと問題集がありますので、そちらで学習が可能となります。具体的な学習方法について、スタンダードとエキスパートに分けて、解説していきます。
スタンダードに対応したテキスト学習
初心者がスタンダードに合格するためには、標準的におよそ24時間を学習にあてることが必要になってきます。
学習には公式テキスト・問題集・サンプル問題を利用することが一般的で、各テキストの必要な学習時間と学習量は以下のようになっています。
テキスト分類 | 必要学習時間(目安) | 必要学習量(目安) |
公式テキスト(サンプル問題箇所以外) | 約12時間 | 約170ページ |
サンプル問題(公式テキスト内) | 約3時間 | 約25ページ |
問題集 | 約9時間 | 約120ページ |
一日1時間学習を続ければ、1ヶ月以内に学習を終えることができるので、対策は非常にしやすいと思って問題ありません。
エキスパートに対応したテキスト学習
エキスパートになると、スタンダードのさらに上をいく学習量が必要となり、標準的な学習時間はおよそ38時間と言われています。
スタンダード同様、学習には公式テキスト・問題集・サンプル問題を利用することが一般的です。標準学習時間は次の通りです。
テキスト分類 | 必要学習時間(目安) | 必要学習量(目安) |
公式テキスト(サンプル問題箇所以外) | 約18時間 | 約270ページ |
サンプル問題(公式テキスト内) | 約5時間 | 約60ページ |
問題集 | 約15時間 | 約220ページ |
学習時間も学習量も、スタンダードに比べて大きく増えていますよね。学習量に関しては、約40~100ページほど分量が増えています。標準学習時間だけ見れば、1ヶ月で学習も可能だと思いますが、エキスパートの場合、苦手分野が出てくる場合が多く、それをスムーズに解答できるようになるためには、何回も問題を解く必要があります。
そう考えると、2~3か月以上の学習時間がかかることが予想されます。
https://twitter.com/minimum109/status/1211896910383968256?s=20
独学でも合格が狙えますが、しっかりと知識と技術を身につけるためにはテキスト学習に加えて、講習会やスクールに参加した方が、より確実です。
Webクリエイター能力認定試験に合格したら履歴書に記載できる?
資格を取得しても、実際に履歴書に書けるレベルのものなのか分からず、不安になることがありますよね。しかし、安心してください。Webクリエイター能力認定試験は、合格すると履歴書の資格欄に記載することができます。
履歴書にWebクリエイター能力認定試験への合格を記載することで、制作作業に対応できる技術を持っていることをアピールすることができます。
履歴書に記載する際の注意点として、正式な名称を書くようにしましょう。
記載例
令和○年○月○日 株式会社サーティファイ主催 Webクリエイター能力認定試験 スタンダードorエキスパート 合格
民間資格を履歴書に記載する際、似た名称の資格がある場合があるからです。
ちょっと長くなってしまいますが、省略して記入することは、避けてください。
たしかに職種によっては、履歴書に記載してもあまり評価されない場合もあります。
一応、合格してました。
Webクリエイター能力認定試験のエキスパート。怒られるかもしれませんが、正直、履歴書に書ける程の難易度ではないかもです。
実際にコーディングする実技が、たぶん他の試験になくて?面白かったです。やっぱり、受かるって嬉しいのな!#資格 #Webクリエイター pic.twitter.com/BiBeTdHjkZ
— 東田ヒロき (@Higashidadan) August 10, 2019
とはいえ、履歴書に記載し、自分の能力をアピールできる資格であることは確かなので、資格を取得する価値は十分にあります。
まとめ
Webクリエイター能力認定試験に関する様々な情報を、以下の3点を中心に説明してきました。
まとめると、
・Webクリエイター能力認定試験は民間試験であり、2つの級を選択し受験する。
・難易度は、スタンダードはそこまで高くないが、エキスパートは高くなる傾向がある。
・履歴書には記載でき、Web制作において迅速に作業できることを証明できる。
となります。
常に求人があることから、Web業界で働くことを考える人は多くいます。そのような中で活躍するには、Webクリエイター能力認定試験のような試験に挑戦し、自分の技術をアピールしていきましょう。