キャットシッターとは、「猫の世話をする」お仕事です。
あまり聴き馴染みがないかもしれませんが、ベビーシッターの猫版をイメージしていただければ分かりやすいかもしれません。
猫のお世話をしたり、一緒に遊んだりできる仕事なので猫好きには人気のあるお仕事となっています。
そんなキャットシッターですが、その需要は増えてきています。
一般社団法人ペットフード協会の調べによると、現在日本で飼育されている猫の数は約950万頭(ちなみに犬は約890万頭)と非常に多くなっており、今後もキャットシッターの需要は高まっていきそうです。
そこで今回は、キャットシッターのお仕事について必要な資格から開業方法まで解説していきます。それでは早速見ていきましょう。
目次
キャットシッターになるために必要な資格とは
キャットシッターになるためにどのような資格が必要なのでしょうか。
ここでは、キャットシッターになる上で必要な資格と、資格の取り方について解説していきます。
キャットシッターになるために資格は必要ない
必要な資格について解説すると言っておきながら、
いきなり「資格は必要ない」と言われ、さぞ驚かれたかと思います。
実は、キャットシッターとして働く上で、資格は必ずしも必要ではありません。
ですが、自分が愛猫をキャットシッターに預けることを考えて見てください。
できたら、猫についての知識が豊富な「猫のプロフェッショナル」に預けたいですよね。
そう言った意味でいくと資格は必ず必要というわけではないですが、あった方が良いでしょう。
キャットシッターになる上で、猫の品種や生態、飼育方法、看護学などの知識があるのが望ましいです。
個人で開業する場合は資格が必要
一方、個人で開業をする場合は資格が必要になる場合があります。
キャットシッターは動物を扱うお仕事です。
動物を取り扱う仕事をするために、開業したり会社を設立したり、新規でお店を開店させる際には「動物取扱責任者」を1名配置しなければなりません。
動物取扱責任者になるには、動物を取り扱うお店を開店するなどの際に自治体に登録することが必要となります。
ここで、自治体に登録する上で必要な要件があり
下記の3つのうち、1の「半年以上の実務経験」は必須条件で、
残りの2つのうちどちらか一つを満たしていれば登録できます。
- 半年以上の実務経験
- 所定の学校の卒業
- 所定の資格等の取得
ここでいう所定の資格については、この後詳しく解説します。
半年以上の実務経験は必須となりますが、所定の学校を卒業していない人でも
これらの資格を取得することで個人でもキャットシッターとして開業することができます。
キャットシッターが持っておくと良い資格とは
自治体での動物取扱責任者の登録の際の要件で、「所定の資格等の取得」という項目がありました。
ここでいう所定の資格とは様々あるのですが、今回は代表的なものを4つ紹介していきます。
資格名 | 内容 |
愛玩動物飼養管理士(1級・2級) | 愛玩動物飼養管理士の資格は、6~8ヶ月かけて、スクーリングや課題提出を通じて習得できる資格。受験に関しては18歳以上からとなっている。ペットショップや動物病院、ペットシッターなどの動物に関わる仕事をしている人が多く取得している資格。 |
愛犬飼育管理士 | 愛犬飼育管理士の資格は一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)が公認する資格。資格
は18歳以上で受験でき、資格を取得する際にJKCに入会し会員となることが定められている。 |
愛護動物取扱管理士 | 愛護動物取扱管理士の資格は、平成19年に一般社団法人新潟県動物愛護協会が認定した資格。動物に関する幅広い知識を持って、動物愛護の思想を指導できる人材を育成するために作られた。動物愛護に関する知識や法令、疾病と繁殖に関する知識など様々な知識を学ぶことができる。 |
小動物飼養販売管理士 | 小動物飼養販売管理士は、協同組合ペット・サービスグループが発行しているライセンスで、比較的新しい資格の一つ。小動物飼養販売管理士はいわば、動物を取り扱う責任者としてのライセンス。資格取得には、ペットの飼養学や法律学など広範囲に渡って勉強する必要がある。 |
これ以外にも、動物取扱責任者の登録をする上で、必要な要件を満たす資格は多くあります。
ちなみに「キャットシッター」という資格自体も存在はしますが、これは開業する際の所定の資格としては認められません。
一方で、ビジネス教育連盟ペットシッタースクールが行う「認定ペットシッター」という資格は認定されるので、開業するならこちらが有利です。
キャットシッターの給料は
次は、気になるキャットシッターのお金事情です。
キャットシッターってどれくらい稼げるのでしょうか。
早速見ていきましょう。
キャットシッターの平均的な給料
キャットシッターの給料の相場は1件あたり1時間として2,500~3,000円と言われています。
知名度が高く、予約が入るようであればそれなりの稼ぎを得ることはできるかもしれませんが、個人だと結構難しいというのが現実です。
個人で開業した場合のキャットシッターの月収は平均で15~25万円と幅広くなっています。
いかに、集客をして顧客を集めるかが鍵となりそうです。
大型連休は稼ぎどき
キャットシッターが1年の中で最も稼げる時期、それは大型連休です。
大型連休は、旅行で海外に行ったり遠出をしたり、帰省するなどして家を空ける人が少なくありません。
その際には、愛猫の預け先に困る人も多いでしょう。
キャットシッターはそんな人たちの味方です。
特に、年末年始やゴールデンウィークなどはまさに稼ぎどきです。
大型連休にどれだけ集客できるかも非常に重要なポイントとなります。
キャットシッターとして開業するには
それでは、キャットシッターとして開業するにはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。
開業までの手順は以下の通りです。
- 資格取得
- 動物取扱業の登録
- 開業届の提出
- ペットシッター保険の加入
- 集客の準備
それでは、一つひとつ確認していきましょう。
手順①資格取得
先ほどもお伝えした通り、キャットシッターは必ずしも資格が必要というわけではありません。
ですが、顧客に安心感を与えるためにも資格はあった方が良いでしょう。
また、個人で開業する際は動物取扱責任者の登録の際に資格が必要になることがありますので確認しておきましょう。
手順②動物取扱業の登録
次に動物取扱業の登録となります。
これは各自治体で手続きの仕方が変わるので詳しくは自分の開業する地域の自治体に問合せましょう。
また、申請手数料が15,000円必要になるのと、有効期限が5年となるため更新が必要になりますので注意が必要です。
手順③開業届の提出
開業届とは、正式には「個人事業の開業・廃業等届書」という難しそうな名前のものです。
キャットシッターにかかわらず、新しく事業を始める際に税務署に提出が必要となる書類です。税制上のメリットもありますので必ず出すようにしましょう。
手順④ペットシッター保険の契約
ペットシッター保険も、キャットシッターとして開業する上では重要な手続きとなります。
これは、お世話しているペットが加害者もしくは被害者となってしまった場合の補償制度となります。
例えば、お世話中の猫が他のペットと喧嘩をして怪我をさせてしまったり、シッターの過失によって猫に怪我をさせてしまった場合などに保険に加入していれば安心ですよね。
また、顧客側からしても保険に加入していることで安心して預けることができると思います。
手順⑤集客の準備
ここまで手続きが完了したら集客の準備を進めましょう。
集客の方法には以下のようなものがあります。
- ホームページ
- InstagramやTwitterなどのSNS
- チラシ
それぞれにメリット・デメリットはありますが、まずは自分の資金と費用対効果を考慮して適切な集客方法を見つけましょう。
まとめ
キャットシッターの資格や開業方法について解説してきました。
徐々に認知されつつあるキャットシッターですが、今後もますますその需要は伸びてくると思います。
今回の記事をまとめると、
- キャットシッターは「猫のお世話をする」お仕事
- 資格は必ずしも必要ではないが、個人で開業する際は必要となる場合がある
- キャットシッターの給料は1件1時間として2,500~3,000円ほどで、個人で開業する場合の月収目安は15~25万円ほど
- 開業には「資格取得」「動物取扱業の登録」「開業届の提出」「保険の加入」「集客の準備」の5つの手順がある
今回の記事を参考にキャットシッターにチャレンジしてみてください。