現在ネイルを勉強している学生や開業を目指している方の中には上記のように「ネイルサロン衛生管理士」の資格を取ろうか迷っていて、こんな疑問を持っている人がいるのではないでしょうか。
・ネイルサロン衛生管理士の資格ってどんな資格なんだろう?
・資格取得の試験って難しいのかな?
・資格があるとないのとではどのくらい給料が変わるの?
今回はそのような人に向けて
・ネイルサロン衛生管理士とは
・受験の難易度
・給料
について解説していきます。
目次
ネイルサロン衛生管理士ってなに
本基準はNPO法人日本ネイリスト協会が定める自主基準であり、ネイルサロンにおける施設、設備、器具等の衛生管理に関する指針を定め、衛生管理責任者が適正な環境を維持・管理するための事項を提示するとともに、サロン従事者への啓発活動を通して、国民の健康を守る安全で安心なネイルサービスの普及と、公衆衛生の向上に資することを目的とする。
堅苦しくて難しく感じますね。
簡単に言うと、「現場でこれだけは守り衛生管理して営業してね」という基準を勉強することです。
この資格は日本ネイリスト協会(JNA)が制定した「ネイルサロンにおける衛生管理基準」を正しく理解し、ネイルサロンの現場で活用するための制度なのです。
ネイルサロンでは、お客様の肌に直接触れたり、施術を行いますがその衛生管理は営業者に任せられていました。
国家資格でもなく、専門学校で技術を学ばなくてもアシスタント、見習いからサロンで働くことも可能です。
そのため、トラブルが起きてしまうこともあります。
また、理解して経営することは、お客様への安全に配慮し器具を取り扱っていることをアピールすることにもなるのです。
そんな「ネイルサロン衛生管理士」の資格はどのようにして取ることが出来るのでしょう。
ネイルサロン衛生管理士はどうしたらとれるの?
「ネイルサロン衛生管理士」の資格を取得するには具体的にどうしたらいいのでしょうか。
NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)の認定校にて講習を受け、試験を受けなければ取得することは出来ません。
まずはJNA主催の会場や認定校に申し込みをしましょう。
JNA認定校は全国に沢山あります。ネイルを勉強している学生さんであれば通っているスクールこそが認定校かもしれません。下記でチェックしておきましょう。
申し込みをしたら日程を確認し当日会場へと向かいます。(開催時間は各会場によって違いますので間違えないよう確認しておきましょう)
1日の流れは以下のようになります。
第一部 | 理論講習180分 | 当日テキスト配布 |
第二部 | 確認テスト20分 | 択一方式で20問出題 合格基準は100点満点で80点以上 |
第三部 | 試験問題解説、まとめ、成績発表 | |
認定証・バッジ授与(不合格者は補修講習) |
ネイルサロン衛生管理士の資格を取るには上記の通り180分の理論講習を受けてから確認テストを受けることで取得することが出来ます。
【受講料】テキスト代、認定証題、バッジ交付手数料を含む
一般会員 10,560円(税込)
JNA会員 6,160円(税込)
【JNA会員価格が適用される対象者】
・JNA個人会員
・JNA法人会員
・JNA認定サロンのスタッフ
・講習開催校の在校生
・講習開催校の卒業生
【日程・会場】
JNA認定校やJNA主催会場
【受講資格】
年齢が18歳以上の方。ネイルサロンでの実務経験は問わない
引用:ネイルスクールスクエア
メモ
資格取得自体は必須ではありませんが、JNA認定サロン登録される場合は「ネイルサロン衛生管理士」を取得することが申請条件になっています。
JNA認定サロンで開業を考えているなら必ず取得しておいた方がいいでしょう。
「ネイルサロン衛生管理士」の資格は1日で取得出来るのはスケジュール的にもとても助かりますね。
またJNA会員だと安く受けられるのもいいですね。
どんな講習をするの?
「衛生管理士」の講習って一体どんな事を勉強するのでしょうか。
実際に受講した生徒さんの声からまとめましたので見ていきましょう。
・道具を長持ちさせる為の洗浄方法
・経済的かつ科学的な消毒方法
・爪や皮膚の病気の知識
・消毒液の種類や薄める割合、どんな微生物に有効かなど
・万が一施術中に出血させてしまった場合の消毒方法
「講習はサロン経営することが前提の内容になっていて実践的で実務的のため、ものすごく勉強になり受けてよかった」
「講師がプリントに沿って授業を進めていき写真で感染症などの症例を見ることが出来たのはいい経験になった」
「施術前に書面でメンテナンスやアフターケア等の注意事項を正確に伝えることが大切だと分かった」
というような声がありました。
ジェルネイル等が人気の現在ではネイルが剥がれてきてしまう等のトラブルも増えている為、事前に書面で伝えるなどの知識は知っておきたいですね。
講習内容はとても実践的ですぐに役に立つ内容ばかりのようです。
試験の難易度は?難しいの?
次は試験の難易度についてです。
消毒液の種類、薄める割合、どの微生物に有効か、爪の病気の名前や主な原因や症状など範囲は広く出ます。
ネイリスト検定2~1級を取得している方であれば問題なくクリアできますし
講習をしっかり聞いていればほぼ合格出来る内容ですので安心して受けていいと言えます。
この試験は落とすための試験ではなく、理解したか確認の為の試験ですので
万が一落ちたとしても、すぐに補修を受け試験の確認をします。
当日には全員が「認定証とバッジ」の授与。となりますので心配することは無いでしょう。
注意ポイント
「衛生管理士」の資格には有効期限があります。忘れずに資格継続手続きをし「永続認定」を取得しておきましょう。
衛生管理士の資格は有効期限があるようなので、注意しておきたいですね。
資格を持っている場合の給料は?
これから転職や就職を考える場合、収入はとても重要なことです。
「ネイルサロン衛生管理士」の資格を取ることで、お給料はどう変わるでしょう。
まずは、一般的ネイリストの正社員やアルバイトの収入から見ていきます。
求人情報誌などによると
正社員(月給) 16~40万
アルバイト(時給) 900~2000円
大手チェーン店と個人経営ではお客様単価も違いますし、都内と地方でも集客数が変わる為一概には言えませんが、勤続3年くらいで平均18~22万といったところでしょうか。
美容業界で、特にネイリストなどは「技術職」いわば職人の世界です。経験を積むことで指名を増やし利益を出していきます。
また、美容業界はスタッフの出入りも早く、やっとお店に慣れたころに辞められてしまったり、お客様をつけて開業してしまったりなんてことはよくあります。
育てた人材を辞めさせない為にも企業は「ステップアップする仕組みを作る」など工夫しているところも増えています。またライバル店が多い為「少しでもいい人材が欲しい」とも思っています。
ネイリストになるのに国家資格こそありませんが、ネイルサロンで働くには最低限の技能試験に合格していることが条件となっている所が多いです。
ネイルサロン衛生管理士の資格を持った人と、持っていない人が面接に来たら確実に資格を持った人の方が面接では有利です。
高い技能資格や衛生管理基準を知っているスタッフがひとりでも多くいるということはお店にとってもメリットでしかありません。
このように、資格を取ることで「収入が〇万円上がります」のような明確な基準はありませんが、確実に資格を持った人材は求められていますし、ステップアップ制度のあるサロンでは資格取得することでお給料が上がる仕組みを作っているところもあります。
また、開業をするのであれば、衛生管理していることや感染症リスクの情報をホームページなどに出すことで、お客様がサロンを選ぶ際の基準となり、安心して来店できる要素となります。
技術を磨く以上に衛生管理の知識は無くてはならないもの、また収入にも繋がるものと言えるでしょう。
資格を取得して得られたメリット
「ネイルサロン衛生管理士」の資格を取得することで得られるメリット。
・お客様との事故やトラブルを防止
・お客様との信頼感が深まる
・転職や就職に有利になる
・スタッフが集まりやすい
・サロン開業準備に必要な設備を選ぶ際参考になる
・設備の置き場や予算に工夫が出来る
トラブルやクレームを事前に防ぐ対策にもなりますし、サロンに認定証が飾ってあるだけでお客様への安心感も深まります。
サロン開業に必要な設備を選ぶ参考資料となるのはうれしいですね。
また、個人経営の小さなサロンでは人材確保も大変ですが、ホームページなどで衛生管理をアピールしていることで「安心して働けるサロン」と判断され良い人材が集まる等の効果もあるようです。
このように、「ネイルサロン衛生管理士」の資格はトラブルが防げメリットも多いことが分かります。
資格継続手続き
せっかく資格を取得したのに更新するのを忘れてしまったら大変ですよね。
ここでは継続手続きのやり方を説明しておきますね。
有効期限は、取得年を含む3年目の12月です。
「衛生管理士」の資格は1度のみの継続手続きで「永続認定」となり、以降の手続きは不要です。
【初回手続き】
有効期限の2か月前までに、JNA事務局から手続きの案内が送られてきます。
ご案内に沿って、オンラインか書類を提出することで手続きが可能となります。
【オンライン手続きのやり方】
①届いた案内に沿って、手続きのページにアクセスをする
②案内に書かれた認定番号とパスワードを入力してログインをする
③情報など内容を確認
④手続き料支払い
⑤手続き完了
【継続手続き料】
・JNA会員個人正会員 1,100円
・JNA個人一般会員 2,200円
・非会員 3,300円
この手続きをすれば次からは不要となりますので、必ず更新しておきましょう。
うっかり更新し忘れたなんてことが無いように、案内など届いていないか期日が近くなったらこまめに郵便を確認しておきましょう。
ここまで、講習の内容や難易度、資格取得や継続の手順を解説してきましたがご理解いただけたでしょうか。
まとめ
「ネイルサロン衛生管理士」の資格を取るべきか悩んでいるのであるなら「とるべき資格」と言えるのではないでしょうか。
・「ネイルサロン衛生管理士」の資格とは、トラブルやクレームを防ぎ、お客様に対してのマナーであり、信頼関係を築くものでもある。
・試験は落とすためではないので、安心して講習を受けサロンワークに生かすことが大切。
・資格をとることで、就職やキャリアアップにもつながり、将来的に収入に繋がっていく。
このように思います。
「ネイルサロン衛生管理士」の資格やその他様々な資格の勉強に無駄なものはありませんので、ぜひ色々チャレンジをしてみてはいかがでしょう。
この記事が皆さんの背中を少しでも押せたらと願っております。