ネイルが好きな方、それを職業にしようと思われている方へ吉報です。ネイリスト検定3級は、独学でも合格できます。でも、喜ぶのは束の間。ネイリスト検定3級の内容や合格するためのコツなど知りたいことが沢山出てくることと思います。そこで今回は、
・ネイリスト検定3級とは?
・試験内容ってどうなの?
・独学で合格するためにはどうすると良い?
といったところから、しっかりとご紹介していきたいと思います。
目次
ネイリスト検定3級とは?
ネイリスト検定の正式名称は「ネイリスト技能検定試験」です。公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が検定の主催をしていて、国際的に通用するネイリストの育成をするために設けている検定です。
1級を最高として、1級、2級、3級の段階に分かれています。3級は、ネイルケアやネイルアートに関する基本的な技術と知識をマスターしている人に与えられます。また、3級を合格していないと、2級、1級を受験することはできません。
ネイリスト検定3級の合格率
ネイリスト検定3級の概要が分かったところで気になるのは、その難易度ではないでしょうか。難易度は、筆記試験は勉強をしっかりしていれば大丈夫で実技は時間配分が難しいと言われています。詳細については、別途ご紹介していきます。
ちなみに、ネイリスト検定3級合格率は例年約80%でしたが、ここ2回では90%超えの合格率を出しています。
ネイリスト検定3級の試験内容
試験は実技試験と筆記試験が行われます。受験資格は、義務教育を修了していることとされています。
ハンドモデルの方と2人で受験する必要があるのですが、ハンドモデルは「15歳以上で手に皮膚疾患がないこと。男女は問わない。」という規定があります。ネイリスト検定を受けることを決めた際には、ハンドモデルを誰に頼むかも決めておくことも忘れないようにしましょう。
ネイリスト検定3級の筆記試験
ネイリスト検定3級の筆記試験は30分間のマークシート形式です。先述したように、しっかりと対策をとっていれば問題ないと言われています。しかし、合格ラインは100点満点中85点以上です。ほぼ満点を取るための対策として、何を活用すると良いのでしょうか。
筆記試験対策1:公式問題集を使用する
ネイリスト検定の筆記試験は、2016年春期からJNEC委員会監修の公式問題集から出題するようになりました。これはもう公式問題集を買うしかありません。しかも、公式問題集には1級から3級まで収録されています。1冊買えば全網羅できるのでオススメです。公式問題集の詳細は下記の通りです。
単価(税別) | 4,000円 |
送料(税別) | 300円 |
購入申し込みフォーム | https://www.nail-kentei.or.jp/jnetext2_form/step01.php |
筆記試験対策2:アプリを使用する
公式問題集と併用することをオススメするのは、スマホアプリです。有難いことに、iPhoneまたはiPad用で無料のネイリスト検定3級の筆記対策アプリがリリースされています。
アプリ名 | 評価(評価数) |
ネイリスト検定3級 過去問題集2016 | 3.8(22件) |
ネイリスト検定3級 | 3.7(10件) |
すきま時間に是非やってみてくださいね。
ネイリスト検定3級の実技試験
ネイリスト検定3級の実技試験は70分間で、合格ラインは50点満点中38点以上です。37点以下になると失格対象となります。ちなみに点数は減点方式です。実技の内容はネイルケア、カラー、アートが中心なので、しっかりと練習して挑みましょう。
実技試験のタイムスケジュールと試験内容
ネイリスト検定は、言わずもがな時間に厳しいです。遅刻すると失格、タイムオーバーも失格になります。そこで、まずは実技試験のタイムスケジュールをチェックしていきましょう。
- 手指消毒(1分)
- ポリッシュオフ(6分)
- ファイリング(12分)
- クリーンナップ(14分)
- ポリッシュカラーリング(25分)
- アート(8分)
- トップコート(3分)
- 見直し(1分)
以上が70分の実技内容です。工程2のポリッシュオフは、モデルに事前に塗っていた赤ポリッシュを落とす作業のことです。10本の指全部の爪に対して行わないといけないので、これを6分でするとなると大変な仕事です。ここでタイムオーバーになり失格になる人が多いようです。
カラーリングやアートの練習に打ち込むだけでなく、こうしたケアもしっかり練習する必要がありますね。ここからは、試験を突破する勉強をどうやってしていけば良いのかをご紹介します。
【独学で】ネイリスト検定3級を突破する方法
実技試験の話から、70分の間にしなければならないことが思いのほか多いように思いませんでしたか。全てを順調にこなすには、相当な練習が必要となります。しかも、筆記試験もあります。一体、どのくらいの期間を設けると良いのでしょうか。
ここでは口コミを元に、先輩ネイリストの練習方法をまとめてみました。是非参考にしてみてください。ちなみに、下記の内容でご紹介していきます。
・勉強期間はどのくらい必要?
・何からチェックすると良い?
・どうやって勉強していくのが効率的?
早速確認していきましょう。
【独学で】勉強期間はどのくらい?
まずは準備期間をどのくらい設ければ良いのでしょうか。体験談を覗いてみましょう。
2ヶ月練習期間を設けました。チップスタンドに固定したチップを赤く塗り、ニッパーの当て方やプッシャーの当て方を、とにかく覚え込むよう何度も練習しました。1ヶ月前からアートに取り組み、完成度を上げていきました。(職業:OL)
1ヶ月半前から練習を始めました。基本であるポリッシュの塗り方やケアの練習を重点的に行い、3週間前からアートの練習をしました。(職業:専業主婦)
3ヶ月前から対策をしました。まずは試験要項を確認し、筆記試験の勉強をはじめて、実技で活かされる消毒方法等を習得しました。実技はハンド君というネイリスト検定練習用マネキンを愛用していました。ネイルケアやポリッシュ練習に関してはYouTubeを観てからやりました。(職業:子持ち専業主婦)
こうして見ると、1ヶ月半~3ヶ月と幅広いですが、仕事や家事育児と両立しないといけない初心者という場合には、実技と筆記を合わせて最低でも3ヶ月は設けた方が良いという印象を持ちました。
どちらも習得するまでの個人差はあると思いますが、筆記の場合は早い人は3日あれば足りると言っており、期間をしっかり設けている人では1ヶ月かけているようでした。もちろん実技の練習と同時進行させています。
ネイリスト検定3級を受ける人は、恐らく初めてのネイル系の検定ではないかと思います。3ヶ月とは言わず、練習に練習を重ねて自信を持って試験に挑めるように余裕を持って準備することをお勧めします。
【独学で】何からチェックすべき?
何よりも先に、試験要項をチェックすることをお勧めします。なぜなら、準備物やルール等事細かに書いてあるからです。ここで必要な物をチェックして、用具・用材を揃えていくと良いでしょう。
また、準備した用具には事前にラベル添付の必要なものがあります。これは事前審査のチェック対象になります。また、使用禁止とされている用具もあります。しっかりと確認していきましょう。
ちなみに、独学の場合の準備物の費用はいくらくらい?
準備物は沢山ありますが、一般的に独学の場合の費用は数万円~10万円以下と言われています。「わぁ、高い。」と思う方には、ひとまずメルカリやラクマなどで中古品を入手する方法もあります。
中古品を使う方法を提案しときながらも、買うのをやめた方が良い物もあります。それは液体系の物(ポリッシュ、クリーム、ソープ等)です。液体系の物は経年劣化もありますし、保存の仕方によって状態が変わってくるので安物買いの銭失いにならないよう気をつけましょう。
また、用具には合う合わないもあります。特にコットンは安くて大量のものを買うと費用を抑えられるかもしれませんが、自分に合ったものを使うことで時短にも繋がるので、人気の物を色々と試してみると良いでしょう。
【独学で】どうやって勉強するのが効率的?
まずは、要項を読んで手順を一通り把握しましょう。それからYouTubeから動画をチェックしていくことをお勧めします。
次に、実技は工程を分割しながらやると良いでしょう。上述した実技試験の工程を参考にしながら、動画を見ては一つ一つクリアして身に付けることが大切です。
そして最後に、何度も通しで練習します。この頃には用具の名称も覚えているかもしれません。実際のテーブルセッティングをするところからはじめて、何回も練習していきましょう。テーブルセッティングも置く場所等ルールが決まっているので、要注意です。
また、行き詰ったときにはプロの技を実際に見るのが1番です。ネイルをしてもらいにお店に行ってみましょう。そこで話しを聞いたり、やり方を実際に見たりすると新たな発見があると思います。
【何度も確認】ネイリスト検定には沢山の減点・失格ポイントがある
ネイリスト検定について知れば知る程思うことがあります。とにかくルールが多いです。せっかく一生懸命勉強や練習をしたのに失格になるなんて考えられないですよね。失格や減点ポイントをしっかりチェックしていきましょう。
※ネイリスト検定3級の実技採点基準を参考にしています。
実技・筆記試験の減点対象
減点対象の項目は全部で17個あります。
・受験票、写真添付、筆記用具忘れ
・受験票に貼る証明写真がスナップ写真やコピー等の場合
・モデルが不適切な場合
・テーブルセッティングに不備がある場合
・品名ラベルが間違っている場合
・消毒が不適切な場合
・私語の多い場合やマナーが悪い場合(受験生・モデル共に)
・手指にダメージがある場合(受験生・モデル共に)
・ゴミを持ち帰らない場合
・モデルの爪が明らかに手入れされている場合
他
ネイリスト検定のみならず、社会人にとっては基本的な事だと考えられるものもありますが、ここで減点にされると悔しいのでよくチェックしましょう。
実技・筆記試験の失格対象
失格対象も全部で17つ項目があります。
・遅刻
・カンニング等の不正行為や禁止行為
・試験終了後に作品に手を触れたり、実技試験でタイムオーバーをした場合
・用具用材を忘れた場合や、貸し借りをした場合
・試験官の指示に従わない場合
・手指へ出血を伴う損傷を与えた場合
・使用を禁止している用具用材をセッティングした場合
・モデルが午前の部と午後の部で同一の場合
・ネイルアートの図案などを持ち込んだ場合
・手指間違いがある場合
他
タイムオーバーした時点で失格なので、よく手順を覚えて時間内に的確にできるようになることがどれだけ大切なことなのかが分かると思います。
上記以外にもチェックポイントを予め書いてくれています。減点・失格の詳細は、ネイリスト技能検定試験3級実技採点基準をご参照ください。ここを抑え、知らず知らずの減点をなるべく少なくして合格への道を掴みましょう。
【併せて確認】実技試験の前にしておくと良いこと
時間との勝負とも言える実技試験ですが、事前にチェックしておくことで焦りを少しでも減らすことができます。その内容をまとめておくので、参考にしてみてください。
・コットンを容器に入れる際に、1枚1枚交互に重ねて入れる。→取る時に1枚ずつ取れるので便利で時短に繋がる。
・ポリッシュの蓋が開くか確認する。→蓋の周りにポリッシュが付いて開かない、又は堅くて開けれないという事態を回避できる。
・モデルにハンドケアをしてもらう(ハンドクリームとネイルオイルを1ヶ月以上前からたっぷり塗ってもらう)→当日ベストコンディションで施術しやすくする。爪周りにポリッシュがついたりしても落としやすく、ケア等での減点を防止できる。
・ウッドスティックにコットンを巻きつけるコットンスティックを2種類(キュティクルのライン取り用、ポリッシュオフ用)を作って会場に持ち込む。→時短に繋がる。
・絵具を出すパレットにはウォーターパレットを使う→塗料が渇かなくなるので、再度出す手間も省かれ時短になる。
どれも時短に繋がる試験対策なので、練習のときにも使ってみてください。
ところで、試験っていつやっているの?場所と試験料も一緒に確認
いざネイリスト検定を受けようと思った時に、気になるのは日程と会場場所、それから試験料ですよね。下記にまとめるので、チェックしてみてください。
検定試験はいつ行われる?
検定試験は1年間に4回行われます。春期(4月)、夏期(7月)、秋期(10月)、冬期(1月)です。受験申込期間は開催月の2ヶ月前が締め切りで、合否結果はだいたい試験の1ヶ月後に発表されます。
例として、2021年度の予定を紹介します。
試験年度 | 試験開催期 | 試験開催日程 | 受験申込期間 | 合否発表予定日 |
2021年 | 冬期 | 1月17日(日) | 2020年11月2日~11月30日 | 2021年2月15日 |
2021年 | 春期 | 4月25日(日) | 2021年2月1日~2月26日 | 2021年5月19日 |
新型コロナウイルスの影響等で、変更になる可能性もあるので公式ホームページをご確認頂くようお願いします。
試験会場はどこ?
オフィシャル試験会場は、札幌、盛岡、仙台、東京、名古屋、新潟、金沢、大阪、広島、高松、福岡、沖縄にあります。
他にも、3級登録試験会場というのも用意されています。検定試験を実施するために必要な会場条件を満たしている教育施設で検定が受けられるのです。上記都道府県以外にも会場が用意されているので嬉しいですね。詳細はこちらをご確認ください。
検定料はいくら?
ネイリスト検定3級の受験料は6,800円(税込)です。なかなか良いお値段なので、一発合格できるようにこの記事が参考になっていると幸いです。
まとめ
いかがでしたか。ネイリスト検定3級について、下記の様にまとめます。
・ネイリスト検定3級は独学でも合格できる
・試験は筆記と実技がある
・対策には少なくとも3ヶ月は設けた方が良い
・独学するには、何より先に試験要項を確認することが得策
・費用は数万~10万円程度かかる
ここまで読んでいただきありがとうございました。