近年インターネットが普及し、著作権というキーワードを耳にすることが増えていますが、気を付けなければならない大切なことと感じながらも正しい知識を知らない方が多いのではないでしょうか。
また、就職活動をしている中、何か履歴書に書ける資格はないかと模索中『ビジネス著作権検定』を見つけて気になっている方もいるかもしれません。
そこで
「ビジネス著作権検定ってなに?」
「ビジネス著作権検定初級を受けると何ができるの?」
「ビジネス著作権検定初級は、誰でも受けられるの?」
など、色々知りたい方のために
この記事では、ビジネス著作権検定初級の
・資格の内容について
・資格取得の難易度について
・合格するための勉強法
などをご紹介します。
ビジネス著作権検定初級を取得すると何ができるのか、将来の夢と合わせて考えてみましょう。
目次
ビジネス著作権検定初級ってなに?
著作権について、皆さんはどのくらいご存じですか?また、著作権と特許権の違いを知っていますか?
まず、著作権と特許権の違いを確認してみましょう。
著作権とは、著作者が自分の著作物の複製・翻訳・放送・上演などを独占する権利であり、知的所有権の一つです。
特許権とは、特許を受けた発明を一定期間政府が保護することで権利者が独占することができる権利であり、財産権の一つです。
どちらも自分の物であることを主張する権利のことですが、特許権は出願し審査を受けて得られる権利です。著作権は、出願しなくても創作した時点で著作物につく権利です。どちらもさまざまな決まりがあります。
そこでビジネス著作権検定は、著作権に関連するトラブルを防ぐためにできた日本で唯一の著作権の資格検定で、著作権に必要な一般常識、著作物を主張できる権利やそれを利用するための決まりなどの知識を得ることができます。
ビジネス著作権検定には、ベーシック(団体のみ)、初級、上級があり民間資格です。
その中で初級は、著作権の基礎知識を得ることができます。
著作権の基礎知識を覚えることで、著作者の権利を守る制度や著作物の取り扱い、利用許可の有無など著作権に関する基本的なルールを知ることができます。
ですから、資格取得の目的だけでなくその知識は、著作物をコピーする時や画像を利用する時など多くの場面で役立てることができるでしょう。
ビジネス著作権検定初級って役に立つ?
では、『ビジネス著作権検定初級』を取得するとどのようなメリットがあるのでしょう。
残念ながらビジネス著作権検定初級の資格があっても、就職が有利になるなどのメリットはありません。
評価が低い理由
・国家資格ではない
・初級は簡単に取得できるため価値は低い
・著作権は、出願などの法的な手続きが必要ないので、企業では著作権検定資格者の必要性がない
・著作権の侵害行為などのトラブル対策は、資格がなくても注意喚起などで対処できる
・大きな問題になった場合は、対策チームを立てたり弁護士に相談するなどが現状
ビジネス著作権検定初級取得のメリット
初級の評価は低いようですが、では必要性はないのでしょうか。
メリットも見てみましょう
メリット
・著作権の管理会社などでは、ビジネス著作権検定資格が必要な企業もある
・著作権に関する知識は、日常生活や仕事の上で生かすことができる
・著作権の知識を得ることは、権利を侵害せず正しく著作物を利用することができる
・ビジネス著作権検定上級を取得すると知的財産管理技能士1級、2級の受験資格を得ることができる
このように初級は、上級チャレンジの前段階の法律を勉強するスタートとして最適です。また、就職に有利な武器として考えるのではあれば上級を目指すことをお勧めします。
「知的財産管理技能士」は国家資格ですから、就職に有利になることは間違いありませんし、昇給にも繋がる場合もあるでしょう。
今後、益々著作権の専門知識の必要性が高まると思われますので将来的に期待できる資格です。
また、どんな資格でもそうですが、取得した資格をどう生かすことができるかは考え方しだいです。試験の合格だけを目指すのではなく、次の段階まで見据えることで、就職活動などにも繋がって行くのではないでしょうか。
ビジネス著作権検定初級の難易度は?
では、難易度を見てみましょう。
上級が難しいことは言うまでもありませんが、初級であれば約半数が合格できると言われています。
例年の合格率は50~55%程度です。
合格率だけをみるとあまり簡単とは思いませんが、初級の試験内容は、著作権に関する基本的な知識が出題されますから、比較的簡単な問題が多く、しっかり試験対策をしていれば合格するのは容易で難易度は低く目と考えていいでしょう。
ただし、基本的な知識問題とはいえ、出題範囲が広いので簡単だからと油断していると不合格になってしまいます。
もし、初級が簡単と思うのであれば、併願はできませんが上級から受けることも可能ですので、自分に合った級にチャレンジするといいでしょう。
ビジネス著作権検定初級の試験について
では、受験資格や試験内容について見てみましょう。
ビジネス著作権検定初級の試験内容
受験資格:学歴、年齢等に制限はありません
試験日時:例年年3回予定しています。(2月、6月、11月)
申込み方法:インターネット、郵便払込取扱票、郵送(試験日の3週間前までに)
受験費用:5100円
受験地:全国10都市(札幌、仙台、東京、横浜、新潟、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡)
試験時間:60分
試験内容:多肢選択、マークシート方式 30問
問い合わせ先:株式会社サーティファイ 認定試験事務局
〒103-0025東京都中央区日本橋茅場町2-11-8茅場町駅前ビル
(TEL:0120-031-749 FAX:0120-031-750)
初級の試験内容は、ビジネスや日常生活において必要とされる各項目の基礎的な内容が出題されます。
ただ、出題項目の範囲は上級とほぼ同様で広い知識が必要です。
出題項目
著作物、著作権、著作者人格権、著作権の制限、著作物の保護期間、著作権の変動と著作物の利用、著作権の登録、著作隣接権、著作権の侵害と救済、著作権の周辺問題、著作権・著作隣接権に関する国際条約等、著作物の製作を委託・受託する際の留意点、情報社会と情報モラル
試験の65%以上正解すると合格になります。
ビジネス著作権検定初級は独学でも大丈夫?
独学の他に通信講座や通学講座もありますが、費用も時間もかかります。
そこで、独学で合格できればいいですね。
ビジネス著作権検定初級は、難易度が低く試験内容が基本的な知識ということですから、しっかり試験対策をしていれば独学でも十分合格できます。
勉強時間の目安としては、もちろん能力によって違いますが、およそ15~20時間程、1日30分~1時間で1ヶ月勉強することで合格できると言われています。
このように、比較的取得しやすい資格ですから安心してチャレンジしください。
どんな問題がでるの?
初級の試験問題は、ビジネスの場や日常生活の上で著作権に関連する内容や著作権に関わる法令が主に出題されます。
主な出題内容
・著作権に関する基礎的な知識
・著作権法やそれに関連する法令の基礎的知識
・インターネットに関連する著作権と情報モラルの基礎的知識
著作権に関わる法令の中には、民法、商法、不正競争防止法、知財法の概要などがあり、それに関連する問題が出題されるでしょう。
また、複製権、公衆送信権、展示権、頒布権とはどんな権利なのか、保護期間なども出ますのでしっかり押さえておく必要があります。
実際に起こりうる症例などを題材にした問題も多く、時々複雑な問題もありますのでしっかり取り組むことが大切です。
合格するための勉強法
初級だからと簡単に構えていては、少しの勘違いやミスで合格できなくなってしまいます。
まずは、計画的に勉強していきましょう。(株)サーティファイからビジネス著作権検定の資料を取り寄せてみるのもお勧めです。
そして、テキストや問題集を準備します。
おすすめテキスト・問題集
・ビジネス著作権検定 公式テキスト(過去問掲載)
・ビジネス著作権検定初級問題集
・はじめての著作権法
・ビジネス著作権検定 初級・上級合格テキスト
・ビジネス著作権検定テキスト 初級・上級改正著作権法
テキストと問題集があると便利ですが、過去問が掲載されているテキストであれば1冊でも分かりやすいようです。
例年同じような問題が出るので、過去問を中心に勉強するといいでしょう。その際、間違った箇所は解説を読みしっかり理解してください。
また、理解できない言葉などがある時は、必ずテキストなどで確認しておきましょう。
その他、公式ホームページ内に過去問や模擬問題が掲載されているので、それを行ってみるのもいいでしょう。
まとめ
ビジネス著作権検定初級についてご紹介しました。
・初級は、直接就職などに有利になることは少ないが、上級にチャレンジ前や法律の勉強する手始めとしてお勧め
・初級の資格取得は、著作権の基礎知識を得ることができ、著作者の権利を侵害せず正しく著作物を利用することができるようになる
・初級検定試験の例年の合格率は50~55%程度で、難易度は比較的低い
・独学でも十分合格可能な試験である
2004年に開始されたまだ歴史の浅い資格ですが、ネット社会において著作権は、さまざまな場面で考えることの多いテーマです。
社会常識を考える上でも、基本的な知識は持ち合わせて置いて損はありません。
初級から気軽にチャレンジしてみてください。
著作権を侵害せず上手に著作物を活用しましょう。