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ビジネス

危険物取扱者の種類とその違い、おすすめの取得方法を解説!

 

比較的取りやすいと言われている、国家資格の「危険物取扱者」。

 

・勤務先で取るように言われている

・持っていると働く時に有利と聞いた

こんな理由から、危険物取扱者を取ろうと考えている人も多いでしょう。

 

この記事では、

「危険物取扱者を取ろうと思っているけど、まだどんな資格かよく知らない」

そんな方のために、以下の内容を解説しています。

 

・危険物取扱者の種類

・資格の種類ごとに、どんな違いがあるのか?

・危険物取扱者の中で、おすすめの資格は?

・おすすめの勉強法

 

この記事を読んで、これからどの資格にチャレンジするか、考えてみましょう。
資格の専門家

 

危険物取扱者の種類

危険物取扱者は、扱う危険物の種別によって、8種類に分かれています。

どのように分類されているか、確認していきましょう。

資格の種類の全体像

危険物取扱者は、以下のように分類されています。

資格の種類 取り扱い可能な危険物
甲種 全種類の危険物
乙種 第1類 酸化性固体
(塩素酸塩類、亜塩素酸塩類、過マンガン酸塩類など)
第2類 可燃性固体
(硫黄、金属粉、引火性固体など)
第3類 自然発火性物質および禁水性物質
(カリウム、アルキルリチウム、黄りんなど)
第4類 引火性液体
(ガソリン、灯油、動植物油類など)
第5類 自己反応性物質
(有機過酸化物、ニトロ化合物、ヒドロキシルアミンなど)
第6類 酸化性液体
(過塩素酸、過酸化水素、硝酸など)
丙種 ガソリン、灯油など

大きく分けて3種類

上記の表の通り、危険物取扱者は大きく分けて3種類に分かれています。

甲種、乙種、丙種の3つで、レベル別に分かれていると言って良いでしょう。

 

取り扱いが可能な危険物の種類は、「丙→乙→甲」の順に増えていき、

甲種は、全種類の危険物が扱える最上位の資格です。

乙種は6種類

甲、乙、丙の中でも、乙種のみ、6つに分かれていることが特徴です。

危険物の種類別に分かれているため、自分に必要な資格を選ぶことができます。

 

資格の種類ごとの違いについて

計8種類に分類されている危険物取扱者ですが、それぞれどんな点が違うのでしょうか。

ここでは、以下の観点から、それぞれの違いを解説していきます。

・試験の概要

・受験の資格制限

・試験科目の一部免除

・免許取得後に与えられる権限

試験概要の違い

まず、試験の科目や試験方式について確認していきましょう。

科目 方式 時間
甲種 【法令】危険物に関する法令(15問)
【物化】物理学および化学(10問)
【性消】危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(20問)
マークシート
(選択肢:5つ)
2時間30分
乙種 【法令】危険物に関する法令(15問)
【物化】物理学および化学(10問)
【性消】危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(10問)
マークシート
(選択肢:5つ)
2時間
丙種 【法令】危険物に関する法令(10問)
【燃焼】燃焼および消火に関する基礎知識(5問)
【性消】危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(10問)
マークシート
(選択肢:4つ)
1時間15分

 

試験の科目は、共通項目もありますが、問題の数や配分が違っている点がポイントです。

 

試験問題の数は、丙→乙→甲とレベルが上がるごとに、増えていることがわかります。

また、マークシートの選択肢も、丙は4つ、甲と乙は5つと増えており、

難易度が上がるであろうことが想定できます。

受験資格の違い

受験資格は、以下のように違っています。

受験資格の制限あり
乙・丙 受験資格の制限なし

 

甲種の受験資格を、確認しておきましょう。

以下のいずれかの条件を満たすことで、受験することが可能です。

甲種の受験資格

・大学などで、化学系の学科を卒業した者

・大学などで、化学系の授業を15単位以上取得している者

・大学院などで、化学系の科目を専攻し、修士または学士の学位を取得した者

・乙種取得後、2年以上実務に就いている者

・以下4つの乙種をすべて取得している者
①第1類または第6類
②第2類または第4類
③第3類
④第5類

乙種と丙種は、どんな人でも受験が可能です。年齢制限もなく、小学生の合格者もいるくらいです。
資格の専門家

受験科目一部免除の違い

危険物取扱者の資格試験では、一定の条件を満たすことで、一部の科目を免除される制度があります。

免除の適用なし
乙・丙 免除の適用あり

 

免除の適用があるのは、乙種と丙種で、免除の内容も違っています。

では、免除の詳細を、丙から順に見ていきましょう。

丙種の免除制度

丙種の試験では、以下の条件両方を満たしている場合に免除の対象となります。

・5年以上消防団員として勤務している

・消防学校の教育訓練のうち、基礎教育または専科教育の警防科を修了している

 

今一度、丙種の試験科目を掲載しておきますので、

免除のあるなしで、受験科目がどのように変わるか確認してみましょう。

免除なし 【法令】10問
【燃焼】5問
【性消】10問
免除あり 【法令】10問
【性消】10問

 

燃焼】の科目が免除になっています。

資格取ろうか悩んでる人
ひと科目まるまる無くなるというのは、嬉しいですね。

乙種の免除制度

乙種の試験を受ける際、免除の対象となるのは以下の2パターンです。

・乙種の有資格者が、乙種の別の類を受験する場合

・「火薬類製造保安責任者」の有資格者が、乙種の第1類・第5類を受験する場合

 

なお、乙種の試験科目は以下の通りでした。

通常の試験科目

【法令】15問
【物化】10問
【性消】10問

 

これが、免除を受けるとどのようになるのでしょうか。

乙種の有資格者が、乙種の別の類を受験する場合

免除ありの場合

【性消】10問

(試験時間:35分)

 

例えば、乙種第4類の免状を持つ人が、別の類を受験する場合などが該当となります。

その場合、【法令】と【物化】の2科目は免除となり、【性消】の1科目のみ受験すれば良いことになっています。

火薬類製造保安責任者の有資格者が、乙種の第1類・第5類を受験する場合

免除ありの場合

【法令】15問
【物化】4問
【性消】5問

(試験時間:1時間30分)

 

火薬類製造保安責任者の資格を持つ人は、乙類の第1類・第5類を受験する場合に免除があります。

科目は3科目ですが、【物化】と【性消】の問題数が半分以下に減っています。

乙種と火薬類製造保安責任者 両方の有資格者が、乙種の第1類・第5類を受験する場合

免除ありの場合

【性消】5問

(試験時間:35分)

 

両方の資格を持つ人は、なんと1科目5問のみとなります。

資格取ろうか悩んでる人
1つの資格が5問でチャレンジできるなんて、かなり大きな免除ですね。

甲種の免除制度はない

いろんな条件が準備されている免除制度ですが、甲種では残念ながら全く免除はありません

たとえ、乙種の全種類の資格を持っていたとしても、

甲種の試験を受ける際は、甲種の受験科目すべてを受ける必要があります。

免許取得後に与えられる権限の違い

資格取得後は、それぞれの権限にももちろん違いが出てきます。

ここでは、以下の3点の違いをご説明します。

・取り扱いできる危険物

・「危険物保安監督者」になれるかどうか

・無資格者への立ち合いができるかどうか

 

それでは、順番に見ていきましょう。

取り扱いできる危険物の違い

この記事の冒頭で詳しくご説明した通り、資格の種類によって、取り扱いが可能な危険物に違いがあります。

今一度、簡単にまとめると以下の通りです。

【甲種】すべての危険物

【乙種】取得した類で決められている危険物

【丙種】ガソリンや灯油など、限定的に指定された危険物

危険物保安監督者になれるかどうかの違い

甲・乙 監督者になれる
監督者になれない

 

危険物保安監督者とは、危険物を扱う施設で必ず登録しておかなければならない資格者です。

 

甲種および乙種の有資格者は、6か月以上の実務を経験することで、危険物保安監督者になることができます。

ただし、乙種は免状を持っている類のみ、危険物保安監督者になることが可能です。

無資格者への立ち合いができるかどうかの違い

危険物を取り扱う職場では、必ずしも全員が危険物取扱者を持っているわけではありません。

立ち合い権限のある有資格者がいる場合のみ、無資格者の危険物取り扱いが許可されています。

 

立ち合い権限の有無は以下の通りです。

甲・乙 立ち合い権限あり
立ち合い権限なし

 

乙種の立ち合い権限は、免状を取得した類のみの権限が与えられます。

 

どの資格がおすすめ?資格の選び方

危険物取扱者の資格には、合計すると8つの種類があります。

職場などで、取得する資格を指定されていない人は、どの種類を取ればいいか、迷ってしまうこともあるでしょう。

ここでは「どの資格取得を目指すのか」ということに焦点を当てて、解説していきます。
資格の専門家

受験資格を満たしているなら、甲種を目指す

大学で化学を専攻していた人など、受験資格を満たしている人は、いきなり甲種から受験することも可能です。

甲種に合格すれば、危険物取扱者のすべての権限を取得することになります。

時間や受験費用を無駄にすることがなく、効率よく資格が取得できるでしょう。

とにかく潰しを効かせたいなら「乙4」を選ぶ

危険物取扱者の資格を「今後、何かに活かしたい」と考えている人には、まず乙種の第4類を受けることがおすすめです。

受験者数も他の種類より群を抜いて多く、通称「乙4」(おつよん)と呼ばれています。

 

乙4がおすすめな理由は、取り扱い危険物がガソリンや灯油など、身近なものであるためです。

そのため、乙4関連の求人も必然的に多くなります。

また、有資格者は資格手当がつくこともあり、収入UPも見込めます

「乙4」が難しいと感じたら丙種から

丙種は、乙4と同じガソリンや灯油などの引火性液体を対象とした資格です。

乙4よりも権限は制限されるため、言わば「乙4のミニチュア版」と言ったところでしょうか。

 

危険物取扱者はメジャーな資格なので、テキストや問題集が多く売られています。

乙4の参考書の内容を確認してみて、難しそうだと感じたら、丙種からチャレンジするのも良いでしょう。

 

独学?通信教育?おすすめの勉強法

危険物取扱者の資格は、通信教育の講座も豊富に揃ってはいますが、テキストと問題集で独学で勉強している人が多いようです。

 

その理由の一つとして、暗記中心の勉強になるという点が挙げられます。

語呂合わせなどで知識をたくさん詰め込んで、問題をたくさん繰り返し解くということが、合格への近道になりそうです。

 

危険物取扱者の合格ラインは、正答率60%です。

どれか一つの科目でも60%を切ると、不合格となります。

 

過去問や模擬問題で60%を超えられるようになるまで、

「問題を解く→解説を確認する→テキストで理解を深める」という一連のサイクルを繰り返すことがおすすめです。

 

まとめ

この記事では、危険物取扱者について、以下のことを解説してきました。

 

危険物取扱者の資格の種類

・甲種、乙種、丙種に分かれる

・乙種はさらに6種類に分かれる

危険物取扱者の資格の違い

・試験概要:試験範囲、問題数や選択肢の数が違う

・受験資格:甲種のみ受験資格が必要

・受験科目の免除:一定の条件を満たすと、乙種と丙種で免除がある

・取得後の権限:危険物保安監督者になれるか、無資格者への立ち合いができるかの違いがある

おすすめの資格

・指定がない場合は、乙4が一番需要があり、おすすめ

おすすめ勉強法

・暗記と問題を繰り返し解くこと

 

これから、危険物取扱者の資格にチャレンジする人の参考になりましたら幸いです。

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