危険物取扱者丙種の資格試験を受けようと考えた時に
「試験は難しいだろうか?」
「どんな問題が出るの?」
「独学でも合格できるかな?」
といったことが気になると思います。
もし独学をスタートして、自分の手に負えなかったりしたら時間がもったいないですよね。
社会人が資格試験を受ける場合は、仕事の合間に勉強することになります。
ですから、できるだけ効率的に進めたいと考えるのは当然です。
そこで本記事では下記の内容について解説していきます。
本記事の内容
- 危険物取扱者丙種の難易度
- 独学のやり方
- 活かせる仕事
試験に向けてスタートダッシュを決めるためにも、しっかり読んでおきましょう。
目次
危険物取扱者丙種の難易度
危険物取扱者丙種の難易度は低いと言えます。
それは以下のような理由からです。
難易度が低い理由
- 危険物取扱者の中では最も取り扱い範囲が狭い
- 例年の合格率は平均で50%程度
- 理系特有の計算問題がない
では、それぞれについて解説していきますね。
危険物取扱者の中では最も取り扱い範囲が狭い
危険物取扱者丙種に合格することで、ガソリン、灯油、軽油などのオイル類が扱えるようになります。
では、甲種や乙種はどうなっているかというと下記の表のとおりです。
甲種 | 全種類の危険物 | |
乙種 | 第1類 | 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などの酸化性固体 |
第2類 | 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体などの可燃性固体 | |
第3類 | カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質 | |
第4類 | ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体 | |
第5類 | 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、アゾ化合物、ヒドロキシルアミンなどの自己反応性物質 | |
第6類 | 過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物などの酸化性液体 | |
丙種 | ガソリン、灯油、軽油、重油など |
この表より、丙種で扱える危険物は極めて限定的ということがわかりますね。
ガスや金属、その他オイル以外のものを扱うことができない資格なので範囲が狭くなります。
その試験範囲の狭さから難易度は低くなります。
例年の合格率を平均すると50%程度
危険物取扱者丙種の合格率は約50%と言われています。
実際のデータを見てみましょう。
丙種の合格率
- 令和1年 62.1%
- 平成30年 51.2%
- 平成29年 50.7%
- 平成28年 48.7%
- 平成27年 49.2%
- 平成26年 49.9%
丙種は50%程度ですが甲種、乙種は合格率は30%程度まで下がります。
ですから丙種の難易度は比較的低いと言えますね。
理系特有の計算問題がない
危険物取扱者丙種の試験は、すべて暗記で解くことができる問題です。
知らなければ解けませんが、裏を返せば知ってさえいれば必ず解けるのです。
計算問題が入ってくると、計算ミスや立式のミスなどどうしても不安要素が増えます。
しかし暗記問題は、正確に覚えてさえいれば100%正解できるのです。
では実際どのような問題が出題されるかというと、下記のようなものなります。
例題
Q. 法に定める第4塁の危険物でないものは次のうちどれか。
1.ガソリン
2.灯油
3.固形アルコール
4.ギヤー油
A. 3.固形アルコール
このように知識を問う選択式の問題ばかりが出題されます。
合格基準は、「試験科目ごと」に「それぞれ60%以上」の正解、となっています。
ということは、知らなくても25%で正解できるので、やはり難易度は低いと言えますね。
危険物取扱者丙種は独学で合格できる?
先に述べた通り、危険物取扱者丙種は難易度の低い試験です。
ですから、独学で合格を目指すことは充分現実的です。
ではどのように勉強を進めるのが効率的か、気になりますよね。
結論から言うと、下記のポイントを守って勉強するのが合格への近道です。
独学のポイント
- 市販のテキストで学習する
- 3年分の過去問にトライする
- 化学用語を整理する
それでは、それぞれのポイントついて詳しく解説していきます。
1.市販のテキストで学習する
危険物取扱者丙種の試験は範囲が狭いです。
なので、1つのテキストで充分に範囲をカバーすることができます。
また1つ1つの問題も易しく、一度解答を覚えてしまえば簡単に正答することができます。
ここで重要になるのが、簡単な問題を落とさないことです。
そのため、何度も同じ問題を解きなおすことが非常に効果的です。
テキストを1冊に絞り、2~3回解きこめば充分合格する力がつきます。
危険物取扱者丙種のテキストはどんなに厚くても200ページ程度です。
長く時間をかけすぎても記憶が定着しません。
なので、2週間~1ヶ月程度で集中的に3周するのが最も効果的な勉強法と言えます。
注意ポイント
テキストに取り組むときは、いきなり問題をやりましょう。
わからないところだけ戻って調べるほうが、時間効率がよいのでオススメです。
2.3年分の過去問にトライする
テキストで基本的なことはすべて学習可能です。
なので過去問をやるときは、本番を想定して時間配分を確認しましょう。
必ず開始と終了の時間を決めて、どの程度時間がかかるのかを記録します。
もし時間が足りなければ、
- どういった種類の問題に時間がかかっているのか
- どのくらい短縮できそうか
- わからないものを切り捨てる決断はどこでするか
といったことを検討し、次の過去問に取り組んでいきます。
本番を想定してこれらのことを練習しておくことで、精神的安定度が非常に上がります。
3年分としたのは、大体3回繰り返せば改善しつくせるからです。
不安であれば回数を増やし、問題なければ少なくしても大丈夫です。
3.化学用語を整理する
危険物取扱者丙種の試験では「化学」の用語がよく出てきます。
これらの用語は、日常生活の中では聞きなれない言葉ばかりです。
例えば下記のようなものがあります。
化学用語
- 発火点
- 酸化熱
- 原子量 等
単語帳を作成して、整理することで慣れていきましょう。
1問1答形式でサクッと覚えてしまうと、楽になります。
危険物取扱者丙種を取るとどんな仕事が出来る?
危険物取扱者丙種を取得すると、ガソリン、灯油、軽油、重油などが扱えるようになります。
なので、下記のような仕事に役に立ちます。
危険物取扱者丙種の仕事
- ガソリンスタンド
- 運送・運搬業
- ビルメンテナンスや設備管理
ガソリンスタンドは見ての通り、ガソリンを扱うため活躍の機会が明白です。
運送・運搬業に置いては主にタンクローリーによる運搬時にニーズが発生します。
例え運転者でなくても、危険物取扱者が同乗する必要があるからです。
ビルメンテナンスや設備管理では危険物取扱者は必須とはされません。
ですがメンテナンスの性質上危険物と接する機会も多いため、持っていることが望ましい場面も多くあります。
これらの仕事以外でも、化学工場などでは、危険物取扱者丙種を持っていることで資格手当が出ます。
例え転職しなかったとしても、資格手当がつくのであれば取得しておきたいですね。
まとめ
危険物取扱者丙種について解説してきました。
内容をまとめると下記のようになります。
まとめ
- 危険物取扱者丙種の難易度は低い
- 独学するなら1冊のテキストを何回も解きなおす
- 取得することで資格手当がつく場合もある
以上になります。
資格取得を迷っているのなら、比較的易しい試験なのでサクッと取得してしまいましょう。