すでに秘書として働く人だけでなく、これから就職を考える方にも人気の資格、秘書検定。
この秘書検定、2級までは筆記試験のみですが、1級と準1級には面接試験もあります。
また、1級のみ受験票に自己PRを記入して当日持参しなくてはなりません。
独学で勉強していると、困ってしまう部分がここではないでしょうか。
「筆記は問題集や過去問を解けばいいけれど、面接や自己PRって、どう対策すればいいの?」と悩んでしまいますよね。
面接や自己PRって、どうすればいいのか分からない!という貴方に、この記事では以下のことをご説明します。
・秘書検定1級の面接日程と流れ
・面接の対策と気をつけるべきポイント
・受験票に記入する自己PR対策
就活に役立つだけでなく、実際に社会人として働く上で重要なビジネスマナーの習得を証明できる秘書検定。
優雅な所作で、1級の一発合格を目指しましょう!
目次
秘書検定1級の面接日程と内容は?
まず気になるのは、秘書検定の面接がいつあるのか、どんな内容なのか、ということですよね。
秘書検定準1級を受けられた人はご存知かと思いますが、筆記試験と面接試験は同時に行われるのではなく、筆記試験に合格した人のみが面接試験を受けられます。
そして、秘書検定の面接は、実際の業務に沿ったロールプレイングが課題として出され、その出来栄えについて評価されます。
・筆記試験後、面接試験までどのくらいの期間があるのか
・試験で出題される課題
について確認しておきましょう。
準1級の面接との違いについてもご説明します。
秘書検定1級の面接日程は?いつから対策を始めるべき?
秘書検定1級は、年に2回、6月と11月に受験できます。
筆記試験と両方受験する場合は、試験会場にもよりますが筆記試験の1ヶ月後~1ヶ月半後に面接があります。
ですから、大体7月と12月頃に面接試験がある、と思っておけばいいでしょう。
筆記試験が終わったら、すぐに面接対策を始めると丁度いいですね。
筆記試験が免除されている場合は、筆記試験より前に面接日程が組まれることもあります。
慌てなくていいように日程を確認して申し込みましょう。
また、筆記試験が終わったら、すぐに面接対策に入れるように準備しておくとベストです。
1級の筆記試験合格通知は、希望した試験地の面接日程の2週間~1週間前に届きます。
それから面接対策と自己PR対策を始めると、十分に練習時間が取れなくなってしまうことが考えられます。
筆記試験が終わったらすぐに面接対策に入り、自己PRを考えれば、1ヶ月から1ヶ月半ありますので、じっくりと時間をかけることができます。
筆記試験の2日後には模範解答が公開されますので、自己採点の結果を見てからでもいいかもしれませんね。
面接試験の課題と流れ
面接試験で出題される課題は2点となります。
・上司への報告
・来客への応対
報告内容と応対のシチュエーションについて、入室前に渡される紙を5分間で暗記し、ロールプレイをします。
実際の流れとしては以下のような形です。
順番に控室に案内される
↓
控室で課題を渡され、暗記する(5分間)
↓
2人1組で面接室に案内され、面接官に挨拶
↓
報告のロールプレイ
↓
応対のロールプレイ
↓
審査員からの講評
ほとんど準1級と流れは一緒ですが、
・報告する内容の情報量(250字程度。準1級は50字程度)
・2人1組(準1級は3人1組)
・『受験歴等申告書』に自己PRと今までの受験歴の記入が必要
という点が異なっています。
最後の、審査員からのフィードバックで合格かどうかが大体判断できるようです。
もし「基本DVDを見直しましょう」といった辛口コメントであれば再受験を覚悟したほうがいいですし、「もう少しお辞儀をゆっくりと行えば、より良くなります」のようなこれからへのアドバイスであれば、合格可能性が高くなります。
また、課題は2つだけですが、評価対象になるのは「面接室に入ってから出るまで」となります。
もう1人の受験者が課題を受けている間も気を抜いてはいけませんし、審査員からのコメントが良くても、あるいは悪かったとしても、退室まで丁寧な態度で臨みましょう。
秘書検定1級の面接対策はどうやったらいい?気をつけるポイントは
では、面接試験の練習はどうやって行えばよいのでしょうか。
この章では、報告と応対のロールプレイについて練習する際のコツをご説明します。
また、試験官がどのような点を注意して見ているのか、評価されるポイントを知っておきましょう。
自分でも重点的にチェックすることで、より合格に近づけます。
効率的に練習して、面接試験に挑みましょう!
面接対策はDVDで!
独学で面接対策をするときには、DVDで対策をするのが一番メジャーとなります。
やはり実際の動きなどは他人の動作を見ながらでないと分からないものです。
公益財団法人 実務技能検定協会が制作したマニュアルDVDがありますので、それを参考にして、何回も見返し、実際に自分でも同じ動きをしましょう。
もしDVDだけでは心配だったり、絶対に1回で合格したいのであれば、資格スクールや日本秘書クラブなどが開講している面接試験対策講座もあります。
自分でも知らないうちについていたクセや、丁寧にしているつもりでも足りない部分など、独学ではわからない部分を他人の目からチェックしてもらえるので、格段に合格率がアップします。
課題を練習する際のポイント
秘書検定1級の面接では、「上司への報告」と「来客への応対」の2つの状況のロールプレイを行う事が課題でした。
課題を練習する際には以下の点を押さえましょう。
〈報告〉
・あらかじめ型を作っておき、キーワードのみ覚える
・最後に「以上でございますが、ご不明な点などございませんでしょうか」という一文が必須
〈応対〉
・どこの会社の誰かを最初に尋ねる
・アポのあるなし
・上司が在席か不在か
・上司の戻り時刻がわかるかどうか
課題を練習する時には、文章をそのまま丸暗記するのではなく、キーワードを押さえて覚えることが重要となってきます。
報告であれば、「〇〇についてのご報告を申し上げたいのですが、お時間よろしいでしょうか」などと文の形を決めてしまい、後は〇〇に当てはまるキーワード部分のみを覚えるようにします。
最初に「何についての話か」と「結論」を報告し、後からその理由や詳細を述べる形にすると自分でも整理しやすく、分かりやすく伝えられるのでおすすめです。
データなどを伝える形になるので、最後が「~だそうでございます」「~とのことでございます」と伝聞になるように注意しましょう。
また、最後には「以上でございますが、ご不明な点などございませんでしょうか」という語句が必要となります。
応対は、アポイントがあるかどうか、上司がいつ戻るかなどでフレーズが決まってきますので、何回も練習を繰り返してパターンを身につける事が重要です。
しかし、「(こちらは上司に会わせる気がないのに)待たせてもらいたい」と言われてしまうなど、自分の想定とは違った反応をされる場合もあります。
書いていない部分は勝手に想像して演技をしてもいいので、想定外の事態に弱い人は代理の者がいるというシチュエーションを想定して課題を受けるといいかもしれません。
気をつけるべき評価ポイントは?
面接試験で評価されるポイントは
・態度や表情
・話し方の調子と言葉遣い
・お辞儀、着席、立席などの仕草
・身だしなみ
です。
これらについて、「明るくハキハキとできているか」「秘書らしい丁寧さがあるか」「正確か」が問われます。
もちろん全くのデタラメなどはダメですが、正確に、流暢に報告できているかどうかはあまり評価されません。
もし報告内容を一部間違えたり、応対でシチュエーションをミスしてしまったとしても落ち着いて、丁寧さを崩さなければ大丈夫です。
合格のために重要なのは、あくまでも「秘書らしい、落ち着いて控えめな態度と応対」です。
・明るくはっきりとした声での受け答え
・前傾姿勢をキープする
・お辞儀は丁寧に深く、時間をかける
・落ち着いた、正確な言葉遣いでの話し方
・心から申し訳無さを伝える表情
これらの点について、DVDをよく見て研究しましょう。
ど忘れしてしまった時は!
練習ではできていても、本番では緊張のあまり報告の内容をど忘れしてしまったり、とっさに次の言葉が出てこなくなってしまうことがよくあります。
そんな時は、「上司から目線を下に外し、静かに(「えー、うーん」などの声はNG)考えるポーズをする」ことで少し時間を稼ぐことができます。
ただしあまりにも長い時間考え込むのはもちろんダメなので、どうしても思い出せなかったら丁寧に謝ることでできるだけのリカバリーを図りましょう。
前述したように内容そのものよりも「秘書としてふさわしい態度かどうか」が問われているので、あまり気負いすぎないことも大切です。
秘書検定1級の自己PRはどう書けばいい?
秘書検定1級が準1級と異なっているところの1つに、「自己PRと趣味の記入」がありました。
履歴書やエントリーシートを書き慣れている人ならいざ知らず、いきなり自己PRを書けと言われても困ってしまう方が大半でしょう。
ですから、筆記試験が終わったら自己PRについても少しずつ考えていく必要があります。
この章では、
・どんな内容で書けばいいのか?
・記入する時のポイントは?
の2点について解説します。
どんな内容にすればいい?
「秘書への適性」や「どんな秘書になりたいか」などをアピールしましょう。
秘書検定1級の採点基準に自己PRは含まれていないので直接合否に関係する事はありませんが、あまりにも変なことを書くと試験官の心証が悪くなってしまいます。
就活するときのように「私は〇〇でこんな結果を出して、それによって云々」といった功績などを長々と書く必要はありませんので、秘書に絡めて自分の長所を簡潔にまとめましょう。
〈記入例〉
趣味:和装です。自分で着るだけでなく、振袖や留袖を人に着付けることもできるよう、着付け教室に通いました。
日本文化に対する知識を深め、落ち着いた所作ができるようになりました。
自己PR:秘書は控えめに上司の手助けをするのが仕事ですが、単に言われた仕事をこなすだけではなく、より良いサポートをするためには自ら考えて動くことが必要となります。
私は、常に周囲の状況に気を配り、先を読んだ行動ができるように心がけています。
また、ニュースや本など仕事についての知識を更新し、取引先や競合他社の動向についても常に把握するよう努めています。
例文のように、秘書としての資質と、自分がその資質を満たしている、あるいはそのために努力している、などを書ければいいでしょう。
就活とは違って「受かるため」ではなく、「落ちないため」の自己PRになります。
印象に残ろうと突飛なことを書いてしまうと返って悪印象になってしまうこともありますので、無難さ重視で書きましょう。
自己PR記入時のポイント
自己PRを記入する時には、丁寧に書くようにしましょう。
履歴書等と同じですが、具体的には、
・定規であらかじめ線を引き、まっすぐに書けるようにする
・小さすぎず、大きすぎない字
・できる限りきれいな字
で書いてください。
修正液などを使わなくていいように、一発書きなどはせず、必ず鉛筆で薄く下書きをするようにしましょう。
また、受験歴等申告書には自己PR以外にも今までの受験歴の記入と証明写真の貼付が必要です。
スピード写真でも大丈夫ですが、面接試験本番のドレスコードに適った服装やメイク、髪型で撮影しましょう。
【まとめ】秘書検定の面接と自己PR対策について
秘書検定の面接対策は、以下のことがポイントとなります。
・筆記試験後1ヶ月~1ヶ月半に行われる日程なので、筆記試験が終わったらすぐに対策を始める
・課題は「報告」と「応対」の2つ
・DVDを何回も見返す
・課題はキーワードを押さえて練習する
・評価されるポイントを重点的にロールプレイ
自己PRは、以下のことに気をつけて書くようにしましょう。
・秘書への適性を自分が持っていることをアピール
・無難に、簡潔にまとめる
・丁寧にきれいな字で書く
秘書検定に合格すれば、秘書としての能力の証明になることはもちろんですが、ビジネスマナーが正確な、気配りのある人材だと評価されるようになります。
ここで身につけた柔らかく落ち着いた物腰と、良い印象を与える方法は、秘書ではなくとも、仕事をする上で貴方の強い武器となるでしょう。
この記事が、合格の手助けになれば幸いです。