心理カウンセラー系の資格ってたくさんありますよね。
通信講座などで簡単に手にできるものもあるけれど、それでは仕事にするには有用性が低そうな気がしてしまいますし、そもそも数が多すぎて何を選んだらいいかわからない。
かと言って、今から大学に入り直したりするのも難しい…
この記事では、プロフェッショナル心理カウンセラーの資格について、
・プロフェッショナル心理カウンセラーとは?
・資格の取り方と難易度は?
・資格を取るためにかかる費用は?
の3点を詳しく解説します。
この資格は、大学の心理学科を卒業していない社会人が取得しやすくなっています。
セラピストへの転職を考える方などは必見ですよ!
目次
プロフェッショナル心理カウンセラーとは
まずは、プロフェッショナル心理カウンセラーとはどんな資格なのか?他の心理学系の資格と何が違うのか?が気になるところですよね。
ここでは、
・どんな資格なのか
・資格取得後の就職
についてご説明します。
どんな資格?
プロフェッショナル心理カウンセラーとは、一般社団法人全国心理業連合会公認の資格です。
民間資格ですが、社会人からプロのカウンセラーへの転職を考えている人向けの、本格的なものとなります。
現在、心理カウンセラー系の資格は多々ありますが、内容は玉石混交です。
そのような状況に対して危機感を抱いた諸カウンセラー養成学校が、プロのカウンセラーとしての能力を保証する、全国統一の資格として作ったのがプロフェッショナル心理カウンセラーです。
ですから、この資格を得るためのカリキュラムを開講している養成学校は何校もありますが、どこでも決まった時間数の教育と同じ資格認定試験を受けられます。
介護や教育、管理職経験などをカウンセリング経験の一部に換算できるので、現在社会人で、カウンセラーへの転職を考えている人などにうってつけの資格です。
大学の一般教養や他のスクールで学んだ心理学についての内容も履修科目の一部として換算されるので、大学の心理学部卒などでなくとも、心理学についての知識と経験があるならばゼロから全部学び直さなくてもいいのです。
また、
・カウンセリングスキル(心理学の専門知識)
・カウンセリング実習(実際の経験)
・プロフェッショナル適正(カウンセラーとしての心構え)
の3つが重視され、これを中心としてカリキュラムが組まれています。
これら知識、経験、倫理の3つについて規定時間以上のトレーニングを重ねて専門性を身に着け、実際にカウンセラーやセラピストなどとして活躍できる人材であることを証明する資格となっています。
資格のレベルには2つあり、「一般」と「上級」となっています。
一般は心理カウンセラーとして基本となるレベル、上級は国家資格と同等の専門性や能力を身に着けたレベルとされています。
資格取得後の就職
というのも、資格を取った後に「一般社団法人 プロフェッショナル心理カウンセラー協会」に所属できるのですが、その協会を通じてカウンセラーとしての仕事のバックアップを受けられるからです。
具体的には、プロフェッショナル心理カウンセラー、通称「聴くプロ」として、
ようになります。
「聴くプロナビ」では、自分の得意な分野や心理療法などを、顔写真とメッセージでアピールできます。
料金形態や面談までの方法も分かりやすく、相談者としても安心して利用できるので、自分でサイトを立ち上げる必要がないかもしれませんね。
協会からの仕事は、厚生労働省の自殺対策についての相談員や、子供の虐待についてのSNSカウンセラーなど、国や自治体の事業に関連したものが主となっています。
電話相談員やSNSでの対応、直接訪問員など様々な職種での募集があります。
バックグラウンドがしっかりしているので、安心して仕事を受けられます。
災害ボランティアとしての活動も、災害が起きた際の一時的なものではなく、その後何年間も続く長期的なものとなっています。
心のケアのプロとして、責任ある活動をしていることが分かりますね。
もちろん、自分でカウンセリングルームを開いたり、カウンセラーとしての就職先を探すこともできます。
「上級」の資格取得に向け、さらにスクールに通えば、国家資格と同等のスキルを得ることも可能です。
プロフェッショナル心理カウンセラー資格の取り方・難易度
では、プロフェッショナル心理カウンセラーの資格は、どうやったら手に入れられるのでしょうか。
資格を手に入れるためには、認定教育機関で規定のカリキュラムを受講した後、資格認定試験に合格する必要があります。
ここでは、
・受験資格
・試験内容
・難易度
についてご説明します。
受験資格
プロフェッショナル心理カウンセラーの資格認定試験の受験資格は、「認定教育機関で決められたカリキュラムを修了し、推薦を受けること」のみです。
カリキュラムの時間数は多く、また学費もかかるので大変ですが、実務経験や学歴は必要ありません。
決められたカリキュラムとは、以下のようになります。
一般 | 上級 | |
カウンセリングスキル教育 | 160時間
(座学とロールプレイ:150時間 |
450時間
(座学とロールプレイ:150時間 |
カウンセリング実地研修 | 60時間
(現場:30時間 |
600時間
(現場とカルテリング:600時間 |
プロフェッショナル適正訓練 | 22時間
(倫理研修:2時間 |
182時間
(倫理研修:32時間 |
この時間数はどの養成校においても同じですが、実際にどのようなプログラムで学習するかは養成校によって異なっています。
社会人経験や、他校で受けた心理学の授業を換算することなどで、これよりも少ない時間数の受講で試験の受験を認められることもありますから、実際に入学したい学校に直接問い合わせてみるといいでしょう。
試験内容
資格認定試験の内容は
・一次試験:筆記試験(上級のみ追加で小論文)
・二次試験:ロールプレイ及び口頭試問
となっています。
筆記試験は2時間の選択式で、持ち時間は50分となっています。
内容は心理カウンセラーとしての基本知識やスキルについて問うものとなっており、養成校での授業で学んだ内容から出題されます。
ロールプレイ及び口頭試問は1人あたり10~20分で、実際のケーススタディーに基づいたロールプレイと質問が行われます。
試験は年に2回開催され、1次試験の合格者のみが2次試験へと進めます。
難易度
気になる難易度ですが、一般の認定試験そのものはさほど難しくないようです。
養成校によっては試験対策講座を開講しているところもあり、万全を期して試験に臨めます。
残念ながら合格率は公式で発表されてはいませんが、試験は基本的なものであり、難しかった、落ちてしまったという声はありませんでした。
しかし、養成校に合計242時間以上通わなくてはならない(養成校にもよりますが、短くても7ヶ月程度はかかります)ことと、養成校に通うための学費がかなりかかるため、試験の難易度以上に実際に取得するのは難しい資格といえます。
試験よりも、養成校での訓練によってスキルを身につけることを重視している資格と言えそうです。
プロフェッショナル心理カウンセラーになるためにかかる費用は?
なんと、一般の受験のためにおおむね120万円程度が学費として必要になります。
社会人経験のある場合、ここから受講数が減ることもありますが、そうは言ってもなかなか準備できる額ではありませんよね。
資格取得の上で最もメジャーな、アイディアヒューマンサポートサービスの講座であれば、雇用保険を利用したリカレント教育奨学金が使えますが、それでも負担額は約100万円となります。
ただ、高いと言っても大学に通うよりはお手頃となりますし、これから一生使える資格を手に入れられると考えると、妥当な金額と言えるのではないでしょうか。
安く簡単に手に入るような資格でプロを名乗っても、相談者からの信頼も得られないでしょう。
ちなみに、どの学校でも「プロフェッショナル心理カウンセラー養成コース」のようなものはなく、様々な心理学講座を規定の時間数組み合わせて受講するスタイルとなっています。
ですから、養成校や講座の取り方によって、SNSカウンセラーやメンタルトレーナーなど、別の資格やスキルを同時に身につけることも可能です。
プロフェッショナル心理カウンセラーの勉強をしながら、他の資格も手に入れられるので、お得と言えるかもしれません。
どのようなカウンセラー、セラピストになりたいのかを考えながら養成校や受講講座を決めると、より専門性が高く、活躍できる「聴くプロ」になれるでしょう。
【まとめ】プロフェッショナル心理カウンセラーになるには
プロフェッショナル心理カウンセラーとは、社会人向けの、カウンセリング実習を重視した資格です。
資格取得後は「聴くプロ」として活動のバックアップを受けられるので、カウンセラーとしてすぐに働きたい!という人におすすめです。
・受験資格は「指定の養成校で規定のカリキュラムを修了する」ことのみ
・資格認定試験は筆記試験(上級は追加で小論文)と口頭試問だが、難易度は高くない
・費用はおおむね120万円程度必要
プロフェッショナル心理カウンセラーは、臨床心理士などとはまた違い、様々なバックグラウンドを持つ人が取れる資格です。
一般企業で働いた経験をカウンセリングに活かしたい、より相談者に身近な立場から話を聴きたいと考える人は、是非取得を検討してみてはいかがでしょうか。