子どもは宝です。だけど、親になってみると初めてのことだらけで子育てについて悩みが尽きず、イライラすることってありませんか。更に、どうしたら良いか分からない自分を責めてしまったり、せっかく答えを見つけたと思っても上手くいかずまた悩んだり…とういこともあると思います。
このような悩みを持つ方に、また子どもの健やかな成長を願う方へオススメな資格があります。それが、チャイルドセラピストです。そこでここでは、
・チャイルドセラピストとは何か
・資格の取り方
・仕事内容
について、詳しく解説していきたいと思います。
目次
チャイルドセラピストとは
チャイルドセラピストは、JCTA日本チャイルドセラピー協会が育成するセラピストです。この協会は「チャイルドセラピー」とは、保護者と子どもの心と身体を癒し、子育て支援に活かせる各種セラピーのこととしています。
つまり、チャイルドセラピーの資格を取りチャイルドセラピストになると、子育ての悩みに寄り添い解決に導く専門家として、子育て支援の活動が行えるようになります。
ちなみに、JCTA日本チャイルドセラピー協会は、子どもも大人も心身共に健康で喜びに満ちた子育てができることを願い、2014年に設立されました。
こういった理念を持っている協会で学ぶので、チャイルドセラピストになる頃には自分の心身をケアして自分自身を愛せるようになり、子どもの心へ寄り添った愛のある子育てができるようになると言われています。
【チャイルドセラピスト】資格の取り方
チャイルドセラピストになるためには、子育て支援に活用できる各種資格を取る必要があります。日本チャイルドセラピー協会で認可されている資格は、全部で8種類です。
【主幹資格】
・チャイルドセラピーアドバイザー(チャイルドセラピースペシャリスト レベル1)
・チャイルドセラピーコンサルタント(チャイルドセラピースペシャリスト レベル2)
・チャイルドセラピーインストラクター(チャイルドセラピースペシャリスト レベル3)
【周辺資格】
・ベビータッチセラピーアドバイザー
・フラワーエッセンスセラピスト
・チャイルドカラーセラピスト
・チャイルドアートセラピスト
・チャイルドアロマテラピーアドバイザー
これらの資格の内、1つでも合格するとチャイルドセラピストとして名乗れます。更に、1度取得すると更新の手続きや更新料は一切かかりません。日本チャイルドセラピー協会に属する間、資格は有効です。子育てをしながら、また働きながら資格取得する方にとっては有難い制度ですね。
また、資格を取るためには、まずは講座を受ける必要があるので、その内容を確認してみましょう。大きく分けて、基礎講座が4種類と、専門講座が6種類あります。
どちらも単位制で基礎講座は各講座1単位、専門講座は各講座2単位としてカウントされます。その詳細は、下記の通りです。
基礎講座①:チャイルドセラピー概論
チャイルドセラピーの基本を身に付けます。
基礎講座②:チャイルドセラピー心理学
子育て支援活動をするために、抑えておくべき発達心理学、クライアントへの心の寄り添い方を身に付けます。
基礎講座③:特別支援教育とチャイルドセラピー
特別支援教育の基礎と父兄を支援する方法、不登校の問題と教育の主意を考えます。発達障害児や難病の子どもたちを主な対象としたセラピーを学びます。
基礎講座④:チャイルドセラピーコンサルテーション
クライアントの心を受け入れるためのカウンセリング方法と、協会オリジナルのコンサル方法を身に付けます。
専門講座①:アロマテラピー概論
アロマテラピーの基本と子育てへの活かし方を勉強します。発達障害児を対象にした手当も勉強します。
専門講座②:タッチセラピー概論
主にタッチセラピーの要旨ややり方、ベビータッチセラピー教室を開催する際の注意点について学びます。
専門講座③:カラーセラピー概論
主に色彩心理学を用いて、選択した色から見える保護者と子どもの心理について学びます。
専門講座④:アートセラピー概論
保護者と子どもの心のメッセージを創作活動を通して分析する力を身に付けます。
専門講座⑤:フラワーエッセンス概論Ⅰ
バッチフラワーレメディを用いた、フラワーエッセンスの基本を身に付けます。
専門講座⑥:フラワーエッセンス概論Ⅱ
バッチフラワーレメディを子育てに活かすために、例を用いて学習します。
興味のある講座はありましたか。それでは資格の取り方を見ていきましょう。
チャイルドセラピーアドバイザー
セラピーを用いた子育て支援をする基本の資格です。保護者と子どもの心を受け止め、理解しながら、両者の心と身体を癒すために心理療法を提案することができます。
【合格までにすること】
・基礎講座を全部と、専門講座を1つ以上受ける
・論文審査を受ける
チャイルドセラピーアドバイザーになると、専門講座で学んだことを活かして相談会や教室を開けます。
チャイルドセラピーコンサルタント
保護者と子どもの心を受け止め理解しながら、クライアントの心と身体を癒すために複数のセラピーを提案できるようになります。
【合格までにすること】
・チャイルドセラピーアドバイザーの資格を取る
・基礎講座全部と、専門講座を4つ以上受ける
・論文審査、認定試験を受ける
認定試験がある資格です。在宅試験で、80%以上正解すると合格です。問題送付後1ヶ月以内に回答用紙を返送します。
チャイルドセラピーコンサルタントの認定試験は基礎講座のテキストが中心です。仮に合格できなくても再チャレンジができ、尚且つ不正解の問題について解説してもらえる良心的な試験のため難易度は高くないと言われています。
チャイルドセラピーコンサルタントになると「基礎講座」の講義を開けます。
チャイルドセラピーインストラクター
「チャイルドセラピー」のトップ資格です。各種セラピーについて確かなスキルを持ち、協会の認定講師として全ての講義を開けるようになります。
【合格までにすること】
・チャイルドセラピーコンサルタントの資格を取る
・基礎講座と専門講座を全て受ける
・インストラクター特別講座を受ける
・論文審査と学科試験を受ける
チャイルドセラピーインストラクターになると、チャイルドセラピストを育てられます。
ベビータッチセラピーアドバイザー
ベビータッチセラピーは、いわゆるベビーマッサージと同じ意味です。協会では、いつものスキンシップを大切にしたいという思いを込めて「ベビータッチセラピー」と名付けられています。
ベビータッチセラピーのスキルに加えて、赤ちゃん期のみならず長く使えるタッチセラピーの趣旨や考えを伝えられる講師を目指せる資格です。
【合格までにすること】
・「タッチセラピー概論」を受ける
・「タッチセラピー」に関する論文審査を受ける
※基礎講座を全て受講済みの場合は論文免除
この資格を取得すると、ベビータッチセラピー教室を開催できるようになります。
ベビータッチセラピーをすると、自然と親子のスキンシップの時間を作れます。それだけでなく、優しく心のこもった時間になるので愛着形成を築くことができます。また、スキンシップのみならず、便秘改善などのタッチセラピーも学べるので、お悩み解決や消化機能等の強化にも一躍を担えることでしょう。
フラワーエッセンスセラピスト
保護者や子どもの心に寄り添い、フラワーエッセンスの活用法や選択の仕方を提案できる資格です。フラワーエッセンスの種類はいくつかありますが、ここではバッチフラワーレメディ(フラワーエッセンスの原点で、花を原料に使っている副作用や習慣性のないエッセンス)を提案しています。
【合格までにすること】
・「フラワーエッセンス概論Ⅰ」「フラワーエッセンス概論Ⅱ」を受ける
・「フラワーエッセンス」に関する論文審査を受ける
※基礎講座を全て受講済みの場合は論文免除
この資格を取ると、バッチフラワーレメディを用いたフラワーエッセンスセラピストになれます。
バッチフラワーレメディはイギリスの医師兼細菌学者のエドワード・バッチ博士が1936年に作った自然療法で、その歴史は80年以上となっています。
イライラや不安、緊張等の今持っているストレス感情を基にフラワーエッセンスを選んで使用します。心や感情のバランスを取り戻すことに作用しますが、医薬品ではなく自然療法なので安心してクライアントをケアすることができます。
チャイルドカラーセラピスト
チャイルドカラーセラピストとは、チャイルドセラピーカラーカード(12色36枚で成り立つカード)という日本チャイルドセラピー協会のオリジナル教材を使って保護者の精神面をケアし、子どもの心もリラックスさせるセラピストを目指す資格です。
【合格までにすること】
・「カラーセラピー概論」を受ける
・「カラーセラピー」に関する論文審査を受ける
※基礎講座を全て受講済みの場合は論文免除
チャイルドセラピーカラーカードは、惹かれる色のカードを直感的に選んで心に寄り添うものです。カードには、子育てと人生を応援する内容のメッセージが書かれていて、これが心に染みると評判です。子育て中の方のみならず幅広く活用することができるのもポイントです。
チャイルドアートセラピスト
制作を介して、子どもの心をリラックスさせると同時に保護者の精神面をもサポートすることを目標にする資格です。アートセラピストの仕事は、主に創造からクライアントの心にアプローチすることのため、絵の上手さは関係ありません。
【合格までにすること】
・「カラーセラピー概論」「アートセラピー概論」を受ける
・「アートセラピー」に関する論文審査を受ける
※基礎講座を全て受講済みの場合は論文免除
チャイルドアートセラピストの資格を取ると、制作を通して子どもの心理状態や心身の発達を結びつけて考えられるようになるので、子どもの感情や心を見つめるサポートができるようになります。
言葉で気持ちを上手く表せない子どもとも作品を通してコミュニケーションを取ったり、そこから保護者のメンタルケアを行うことも目指せます。
チャイルドアロマテラピーアドバイザー
アロマテラピーを使って、子育てや心のケアに役立てる方法を提案するセラピストを目指します。
【合格までにすること】
・「アロマテラピー概論」を受ける
・「アロマテラピー」に関する論文審査を受ける
※基礎講座を全て受講済みの場合は論文免除
アロマテラピーには心身のバランスを整え、同時にリラックスさせたりリフレッシュさせたりする効果があります。チャイルドアロマテラピーアドバイザーになると、家庭生活の中で活用できるアロマテラピーに特化した提案をできるようになります。
周辺資格を取得する場合の方法は2通りある
5つの周辺資格を取得する場合、その方法は2つあります。各項目で「合格までにすること」でも少し触れていたのですが、下記の様になります。
①全ての基礎講座+該当する専門講座を受講(この場合は論文免除)
②該当する専門講座を受講+論文提出
日本チャイルドセラピー協会が推奨するのは、一つ目の「全ての基礎講座と該当する専門講座を受講する」方法です。基礎講座を受講すると、基本的な心理学や子育て支援方法を学べるからです。
一方、二つ目の「該当する専門講座を受講+論文提出」をする方法で資格を取得する場合は、子育て支援について既に知識や経験があり、理念を確立されている方や資格取得を急がれる方へオススメしています。
チャイルドセラピストになると、どんな仕事ができる?
「チャイルドセラピストの資格を取って、自分のためだけでなく、育児に悩む保護者や子どもと関わる仕事をしている人の心に寄り添いたい。」そう考える方もいると思います。でも、具体的にはどんな仕事ができるのでしょうか。
仕事内容の具体例をチェック
主な仕事内容は子育て支援活動です。チャイルドセラピー有資格者としてできることは、多岐に亘ります。基本的には専門講座で学んだことを活かして、カウンセリングを行うことが多いです。具体的には、
・子育てに悩む保護者のカウンセリングを行う
・カラーセラピーやアートセラピーから、親と子どもの心のメッセージに気付き相談に応える
・発達障害や難病等を持つ親子の心に寄り添いカウンセリングを行う
・子どもと関わる職業の方の場合、保護者の心理やカウンセリングスキルを身に付けより良い関係を築く
・インターネット上に相談サイトを作り、オンラインカウンセリングを行う
・認定講師になり、チャイルドセラピストを増やすために講座を開く
等があります。ただし、上記の活動内容は一例です。JCTAチャイルドセラピー協会では活動の制約を極力設けないようにしているので、自分の得意分野とアイディア次第で仕事を作り出せます。
資格を取得すると、どこで働ける?
仕事内容を自分で決められる分、仕事場所も色々ですがやはり主には子どもがいる場所が対象となります。例えば下記の様な場所です。
・保育園、幼稚園、託児施設
・学童施設
・福祉施設
・チャイルドライン(子ども電話相談)
・子育て支援センター
・小児病棟
・自宅
既に子どもと関わる仕事をしている場合はスキルアップとして資格取得をし職場で活かすことができます。
そういった仕事をしていない場合は、地域の子育て支援センターで講演や相談会を開いたり、自宅でセラピーを開くことが主な仕事になるでしょう。
「初めて講演やセラピーを開くけど、どうしたら良いんだろう?」と心配される方もいらっしゃるかと思いますが、ご安心ください。必要に応じて協会が質問に応えたり、相談に乗ってくれます。やりたいことを決めたら、フォローしてもらいながら進めてみることをお勧めします。
チャイルドセラピストになるために必要な受講料と学習スタイル
「チャイルドセラピストになりたい。」と思われた方が次に気になるのは受講料や学習スタイルではないでしょうか。ここでまとめて一挙公開しますので、是非参考にしてみてください。
受講料はどのくらいかかる?
日本チャイルドセラピー協会でチャイルドセラピストになる場合、受講料は次のようになります。
項目 | 費用 |
基礎講座 | 1講座 6,000円 |
専門講座 | 1講座 11,000円 |
インストラクター特別講座 | 15,000円 |
論文審査料、資格認定料 | 5,000円(論文免除の場合は資格認定料 1,000円) |
試験料 | 5,000円(コンサルタント試験、インストラクター試験のみ) |
チャイルドセラピーカード | 5,000円 |
発送料、梱包料(通信コースのみ) | 1回 1,000円 |
テキスト代 | 1冊 1,000円(通常は受講料に含まれるため、紛失した場合のみ) |
資格取得をするための具体的な金額の例を挙げます。
チャイルドセラピーアドバイザー資格を目指す場合
・基礎講座 6,000円×4講座=24,000円
・専門講座 11,000円×1講座=11,000円
・論文審査料、資格認定料=5,000円
・送料=1,000円
※合計 41,000円
ベビータッチセラピーアドバイザーの資格を目指す場合
【方法①基礎講座(4講座)+タッチセラピー概論を受講する場合】
・基礎講座 6,000円×4講座=24,000円
・専門講座 11,000円×1講座=11,000円
・資格認定料=1,000円
・送料=1,000円
※合計 37,000円
【方法②タッチセラピー概論+論文提出をする場合】
・専門講座 11,000円
・論文審査料、資格認定料=5,000円
・送料=1,000円
※合計 17,000円
※受講する講座の数、送料や教材の有無等により金額が変動するので、必ず直接ご確認をお願い致します。
学習スタイルはどんな感じ?
日本チャイルドセラピー協会でチャイルドセラピストになろうと思った場合、通学コースか通信コースの2つの学習スタイルから選べます。
通学スタイルの場合、開催場所は基本的に広島県です。日本チャイルドセラピー協会の会長から直接学べます。その他の地域で開催される場合は、公式ホームページのお知らせ欄より発表されるのでご確認ください。ちなみに、1単位3時間で学ぶことが出来ます。
通信スタイルの場合は、テキストが送付されるので自分のペースで勉強できます。更に、追加料金なしで無期限で受講できるので、課題にも焦らず取り組むことが可能です。
まとめ
いかがでしたか。チャイルドセラピストについて、下記の様にまとめます。
・チャイルドセラピストとは、日本チャイルドセラピー協会が育成するセラピストで、同協会が認定した子育て支援に関する資格を取得した人のことをいう
・チャイルドセラピストの資格を取るためには、まずは日本チャイルドセラピー協会の資格に該当する講座を受ける
・仕事内容は主に、子育て支援に関するものになる
チャイルドセラピストになり、自分のみならず、クライアントの保護者そして子どもの心を癒す支援者になり、子育ての悩みに寄り添える社会づくりに役立てて頂けたら何よりです。