就職に有利で社会人マナーが身に付くと言われる秘書検定ですが、最近では男性も受験する方が増えてきているようです。
企業のトップのサポートができる憧れの秘書という職業に就きたいと、秘書検定を考えている方もいるでしょう。
そこで、
「秘書検定の2級を取ると、秘書として働けるの?」
「秘書検定2級は、難しいのかな?」
「秘書検定2級の勉強はどうしたらいいの?」
などの疑問に答えるべく
この記事では、
・秘書検定2級の合格率について
・秘書検定2級の勉強法について
・秘書検定2級に合格するためのテキスト
などをご紹介します。
秘書検定は、3級と2級、又は2級と準1級を併願できるので、迷っている方はこの記事を読んで考えてみてください。
目次
秘書検定2級って役に立つ?
秘書検定は、秘書や社会人としてのマナーを学ぶ為の一つの手段ですが国家資格ではありません。「公益社団法人実務技術検定協会」が運営、実施している検定です。
秘書検定には、1級、準1級、2級、3級とありますが、ここでは2級について詳しくご紹介します。
秘書検定は国家資格ではありませんし、就職や将来に役立つ資格なのか疑問に思う方も多いようです。
確かに、秘書検定2級を持っているからと言っても、直接採用に関わるほどの有利な手段とはいえないようです。
また、秘書は高度な業務知識がなければかなり難しいため、秘書検定を持っているからといって、新入社員がすぐ秘書になることは簡単ではないようです。
秘書検定2級取得のメリット
・履歴書の資格に記入できる
・丁寧な振る舞いや気配りができるようになり企業からの印象がいい
・上司や社長、取引先の目上の方々との対応などに恥をかかずに済む
・級の取得によっては昇給に繋がる
・自分の自信に繋がる
・準1級、1級を受けるための基礎勉強になる
このように、直接就職に影響する資格ではないとしても将来的に役立つのは確かです。
特に社会経験の少ない学生さんには、仕事に就いた時の常識的知識やマナーが得られる試験であることがわかります。
また、就職活動をする際、秘書検定を取得していることで自信を持って取り組むことができるでしょう。
秘書検定2級で得られるもの
では、秘書検定2級を取得したら、どんな事が行えるようになるのでしょう。
秘書検定2級では、上司の身の回りの世話や手助けの中で優先順位を考えることも求められます。
また、立ち振る舞いなどの感じの良さや気持ちのいい印象を与えられるようにすることも求められます。
そこで秘書検定2級では、
・ビジネスマナーや身だしなみ、接客マナー
・敬語の使い方や電話の対応
・名刺の整理や管理、書類の整理
・企業の中で複雑な場面設定での優先順位の選択
などを学ぶことができます。
このように秘書検定2級を取得することは、ビジネスの多くの面で役に立つ技術を身に付けることができるでしょう。
勤務経験のある方やアルバイトなどをされた方は、基本的なマナーや接遇は自然と身に着いている方も多いでしょう。
ですが、企業の中で求められるマナーや接遇は、一般的なものと違う場合があるので注意が必要です。
秘書検定2級の合格率
では、秘書検定2級の合格率を見てみましょう。
合格者数は、毎回公表されています。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第117回(2019年) | 19,911名 | 9,535名 | 47.9% |
第118回(2019年) | 28,284名 | 19,919名 | 70,4% |
第119回(2019年) | 25,629名 | 12,523名 | 48.9% |
第120回(2020年) | 19,004名 | 10,485名 | 55.2% |
合格率は多少バラツキはありますが、平均すると55.6%です。
例年50%~60%のようですから、難易度はさほど高くありません。
また、試験も年に3回行われますので、チャレンジする回数が多い事は合格のチャンスも多いと言えるでしょう。
このように秘書検定2級は、独学でも十分合格できる試験と言われています。
秘書検定2級の試験内容
では、秘書検定2級の検定試験について詳しく見てみましょう。
秘書検定2級試験内容
受験資格:制限はありません。どなたでも受験可能
申し込み方法:インターネット、郵送、書店(試験の約2か月前から申し込み開始)
受験費用:2級 4100円(税込み)
受験地 :全国各地(希望地域を選択できます)
試験時間:120分
試験内容:マークシート方式と記述問題
試験日時:例年2月、6月、11月に行っています。希望する日にちをご確認ください。
試験問題は、「理論」と「実技」に区分されており、それぞれ6割正解すると合格になります。
ですから、どちらか高得点をとっても、片方が6割正解してなければ不合格になりますので、バランスよく得点を取らなければなりません。
秘書検定2級の試験範囲は、3級とほぼ同じです。
ですから、もし2級に不安を感じるようでしたら滑り止めとして3級も受けておくと安心かもしれません。
秘書検定2級は、3級より内容が少し複雑な場面の想定になります。
秘書検定2級に合格するための勉強法
秘書検定2級は、面接がないので筆記試験のみに全力を注ぎましょう。
合格率が50%~60%と比較的難易度は低いと紹介しましたが、決して油断してはいけません。適切な知識を知っておかなければ合格することはできません。
また、試験回数が多いので何度も挑戦できると軽く考えてしまうこともあるので注意してください。
検定料も2度3度となると決して安くはありませんから、試験に挑む際は一発合格を目指して集中して行いましょう。
効率よく勉強するために
では、さっそく合格するための勉強法を見てみましょう。
秘書検定2級に合格された方の話を聞くと、1ヶ月およそ30~60時間勉強して合格できたと言われています
能力の違いから時間の幅がありますが、秘書検定2級の勉強を1日1~2時間程度、毎日欠かさず1ヶ月間勉強すると合格できる知識が身に付くということでしょう。
まず、出題内容を見てみましょう。試験は「理論」と「実技」から出題されます。
詳細は、次のようになっています。
理論について
・必要とされる資質:上司の意向に沿い守秘義務を守り、臨機応変に対応できる秘書としての心がけ
・職務知識:上司の仕事が円滑に進むように秘書としての役割や機能
・一般知識:企業の仕組みや機能や政治、経済、法律、金融などに関する用語
実技について
・マナーと接遇:尊敬語や丁寧語などの正しい言葉使いや上司への報告内容など
・技能:文書作成や書類整理、名刺や資料の保管管理
・記述式問題:名刺整理の書類や祝儀袋の書き方、表やグラフの表し方、定型文の穴埋めなど
このようなポイントを踏まえ、問題集などでしっかり勉強してください。
では、具体的な方法もご紹介します。
1.いきなり過去問を解くのではなく、それぞれの科目の出題ポイントを知る
2.テキストで内容を理解し、大事な箇所はしっかい暗記する
3.問題集や過去問を繰り返しおこなう
テキストで大事なポイントは、しっかり暗記する必要があります。暗記した上で問題を解くとより記憶が定着します。
理解しないまま問題を解いても、似たような問題で混乱したり、いつも同じような箇所を間違えることになるので、解説などをよく確認してしっかり理解してください。
特に、出題頻度の高い電話対応時の用語や社外への文章作成の前文や時候の挨拶、自他の使い分け、グラフの作成問題はしっかり覚えておきましょう。
1冊の問題集は、2回~3回繰り返すといいでしょう。
理論より実技の問題数が多いので、実技にやや時間をかけるといいでしょう。例年選択問題が8割で記述問題が2割の割合で出題されます。
記述問題は、配点が高い可能性があるので、記述問題の過去問にしっかり取り組み正解できるようにしておきましょう。
万一不合格の場合も踏まえて
もちろん合格するように試験に挑むのですから、悪いことは考えたくありませんが、万一不合格の場合、秘書検定は年に3回行われるので、あまり時間を置かずに再チャレンジできます。
そこで、次のチャンスを逃さない為に、試験直後に出される解答速報と実務技能検定協会からの正式な模範解答が2,3日後にホームページで公開されますので、早めに自己採点をしておくといいでしょう。
その上で、間違ってしまった問題については、しっかり見直してください。そうすることで、合格の場合は次の級を受ける際に、不合格の場合は再チャレンジする際に生かすことができます。
合格発表は、通常3週間程度で出ますので結果をみて次の対策を考えましょう。
どんなテキストを使うといいの?
では、使用するテキストについてご紹介します。
試験を行うのが実務技術検定協会ですから、そこから出版されている公式のテキストが最適と言えるでしょう。
ただ、人それぞれ使い安さや好みがありますから、書店で手に取って自分に合ったものを選ぶことをお勧めします。
<Amazon売れ筋ランキングと実務技術検定協会の人気ランキングからベスト5>
・改訂2版 出る順問題集 秘書検定2級に面白いほど受かる本(佐藤一明著)
・30時間で合格おどろくほど簡単に「秘書検定2級」に受かる本(西谷正弘著)
・秘書検定実問題集2級(実務技術検定協会著)
・秘書検定集中講義 2級 (実務技術検定協会著)
・秘書検定2級パーフェクトマスター(実務技術検定協会著)
問題集は、1冊~2冊準備し何度も解いて苦手部分を克服しましょう。
また、問題集だけでは理解できないことがありますから、公式のテキストも1冊準備することをお勧めします。
まとめ
秘書検定2級について、次のことをご紹介しました。
・秘書検定2級は、合格率50%前後と難易度は比較的低い
・秘書検定2級は、年3回試験があり他の級と併願もできるのでチャレンジしやすい
・秘書検定2級は、1日1~2時間1ヶ月毎日しっかり勉強すると合格できる
・秘書検定2級の勉強法は、ポイントを押さえ過去問を熟すことで合格できる
秘書検定2級は、就職活動に有利になりますが、秘書課への配属を望むのであれば、準1級、1級も取得しなければ難しいようです。
まずは、2級にチャレンジして将来を考えてみるといいでしょう。どんな試験でもそうですが、目的が明確だと合格への道も早いでしょう。