教育カウンセラーという資格に興味を持っていても、具体的に何をする仕事なのか、スクールカウンセラーと何が違うのかなど、疑問に感じることも多いと思います。
そこで今回は、教育カウンセラーという資格がどのような資格であるのか徹底解説していきます。
この記事を読むとわかること
・教育カウンセラーとはどんな資格なのか
・教育カウンセラーの就職先はどんなところが想定されるのか
・教育カウンセラーの資格保持者の年収はどのくらいなのか
目次
教育カウンセラーとはどんな資格?
近年、教育現場において、不登校やひきこもりといった社会問題が深刻化しています。
不登校やひきこもりといった問題の多くは、精神的な不安から起こります。
こういった心の病を解決するために、子供たちの心に向き合い、適切にアプローチし、学校復帰・社会復帰を促す専門家の需要が高まっています。
そういった需要の増加から、日本教育カウンセラー協会は、カウンセリングを専門的な知識として持ち、それらを教育に活用することで適切でより良い教育をすることができる教育者の育成を目指す、教育カウンセラーという資格を認定しています。
具体的な業務としては、不登校やひきこもりの生徒に対するカウンセリングや、そういった保護者に対するカウンセリング、精神疾患の可能性がある教師や生徒、保護者に対するカウンセリングとその予防などが挙げられます。
たしかに、教育カウンセラーとスクールカウンセラーは名前も似ているため、混同しやすいです。
しかし、スクールカウンセラーの場合は、心の悩みを解決することが専門となり、臨床心理の資格が必要です。
それに対して、教育カウンセラーは、教育現場にカウンセラーとしての知識を活かすプロなので、基本は教育現場で先生として活躍することになります。
誰でもなれる?教育カウンセラーの資格を取得する方法
具体的にどうすれば資格を取得できるのかは、気になるところですね。
ここで具体的な取得方法について、解説していきます。
まず、前提として覚えておいてほしいのが、教育カウンセラーは、「初級教育カウンセラー」「中級教育カウンセラー」「上級教育カウンセラー」の3種類に分かれることです。
初級教育カウンセラーの資格を取得後、所定の要件を満たすことで中級教育カウンセラー、上級教育カウンセラーへとステップアップしていくことが可能です。
とはいえ、この記事を読んでいる方のほとんどは、教育カウンセラーについて、これから知りたいという方だと思いますので、ここでは初級教育カウンセラーをベースに解説していきます。
初級教育カウンセラーの資格を取得するには、下記の認定要件を満たす必要があります。
・教育カウンセラー養成講座を修了していること
・その講座で実施される認定試験に合格していること
・相談や援助に関する実践経験が2年以上あること
・相談や援助に関する研修経験が40時間以上であること
上記の条件を満たした上で、教育カウンセラーの審査に合格することで初めて資格として登録できます。
教育カウンセラー養成講座というのは、NPO日本教育カウンセラー協会がおこなう、全部で3日間の講座となります。
日本教育カウンセラー協会の公式サイトにて教育カウンセラー養成講座の申し込みが可能です。
https://twitter.com/mina_jovo/status/1190757662062809088?s=20
ただし、全国各地で実施されているわけではなく、受講できる地域が限定されているので、注意が必要です。
詳しくはこちらをご覧ください。
教育カウンセラーの就職先はどんなところがある?
やはり資格を取得するのであれば、仕事に活かしたいですよね。
しかし、先ほど条件で説明したとおり、教育カウンセラーは、元々教育者として活躍している人がスキルアップとして取得する資格です。
なので、教育カウンセラーとして将来活動することを考えている人は、資格を取得してから就職先を探すのではなく、先に教育・カウンセリングの実務経験を積んでから教育カウンセラーの資格取得を目指すことになります。
ですので、基本的には先生として就職されている場合がほとんどなので、資格取得後は、先生としてその資格を活かすことになります。
ただ最近は、学校現場だけに限らず、保育士や企業カウンセラーとして活躍されている人もさらなるサポートの向上を図るべく、教育カウンセラーの資格を取得することもあるようです。
教育というのは、保育園や一般的な企業でも行われていますからね。
将来的には、さらに活躍の幅が広がる可能性もあるかもしれません。
教育カウンセラーの資格保持者の年収はどのくらい?
資格を取得することで、年収があがるのかどうかは気になるところですよね。
しかし、結論から言うと、資格を取得してもすぐに年収が上がる可能性はないでしょう。
繰り返しになりますが、教育カウンセラーは学校の先生が、教育現場で活かす資格です。
学校の先生は基本公務員なので、現状は資格を持ったくらいで簡単に給与を上げるのは難しいでしょう。
学校の先生は、3年目でだいたい400万円程度の年収を得ているので、最短で資格を取得した場合は、同程度の給与になると考えてください。
たしかに、それだけ聞くと資格をもつメリットを感じないかもしれません。
しかし、教育カウンセラーの資格を持つことで、一般的な先生よりもカウンセリング力が高くなり、評価が高まりやすくなります。
そうなると将来的には、校長先生や教育委員会といった地位の高い役職に就ける確率は上がります。
また、今は私立学校が全国で増え続けています。
私立の場合は、実力が評価されるシステムが導入されているところも多いので、教育カウンセラーの資格を取得することで、収入アップにつなげることができる可能性もあります。
教育カウンセラーのやりがいは?
教育カウンセラーは、資格を取得しても、基本的にはスキルアップにつながるのみです。
そのため、やりがいや教育に興味のあることが非常に重要になってきます。
実際にカウンセリング業務をするにあたって、どんなやりがいを感じているのかについて口コミをまとめました。
・実際に不登校の生徒が登校するようになったり、カウンセリングの姿勢を教師と共有することで教師にもカウンセリングの重要性を認識してもらえ、生徒が元気になった様子をみるとやりがいを感じる。
・自分のしたカウンセリングで状況が改善されると、やりがいを感じるので飽きることがない。
・子供の可愛らしさや元気な姿にエネルギーをもらえる。子供の成長を間近でみることができて仕事のモチベーションにつながる。
・保護者に対応するスキルや様々な機関と連携して仕事をしていくスキルが身に付く。幅広く活動したい人にはオススメの職業。
このように、子供の成長をみるのが好きな人、教育に興味がある人、自分のスキルを磨いていきたい人には教育カウンセラーの資格取得は非常にオススメです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、教育カウンセラーとはどんな資格か、想定される就職先、平均年収について解説しました。
それでは、今回解説した内容をおさらいしていきます。
・教育カウンセラーはすでに教育現場で活躍している人がスキルアップのために取得することが多い
・よって、教育カウンセラーの想定される就職先は、教師や保育士、カウンセラーなどの相談員がある
・教育カウンセラーの年収は学校の先生と同程度。
教育カウンセラーは、子供たちと直接関わりがなくても、教育に興味があることは前提となります。
カウンセラーや教師としての実務経験を積んでおり、尚且つ教育の現場を少しでも向上させたいという思いがある人はぜひ教育カウンセラーの資格を取得してみてはいかがでしょうか。