近年、労働環境や学校社会などの改善を図るために、心理学系の仕事がますます注目されてきました。その仕事に就くための資格の一つとして、メンタルケアアドバイザーという資格があります。とはいえ、まだまだ認知度の低い資格のため、
・メンタルケアアドバイザーって何ができる資格なの?
・どのような試験を受けるの?
・難易度についても知りたい
など、メンタルケアアドバイザーについて様々に知りたいことがある人も多いかと思います。
そこで、今回はメンタルケアアドバイザーについて説明していきます。
目次
メンタルケアアドバイザーとは?何をする資格なの?
メンタルケアアドバイザーは、NPO法人セルフ・カウンセリング普及協会が養成・認定している心理学系の資格のことです。
ケアを求める人の心の問題がどのように発生しているのかを、その人自身が探す過程を見守ることが仕事となります。その際、カウンセリングチャートというものを使用し、教育やトレーニング方法についてをアドバイスします。
たしかに、ただ教えるだけではなく、相手に考えさせることが必要になる資格なので、一般的な資格と比べると、少し難しいと感じる人もいるかもしれません。
ケアを求める人の歩みに合わせ、取り組み方を柔軟に変化させられるような包容力が求められるので、優しさを持ち合わせている人材が求められるのが特徴です。
どうすればメンタルケアアドバイザーになれる?講座や試験の内容を教えて!
メンタルケアアドバイザーの資格を持つためには、二つのポイントを抑える必要があります。
・養成講座を受講する
・養成講座の最終認定課題に合格する
これらが、資格を得る条件となります。
それぞれ解説していきます。
養成講座について
養成講座は、5冊のテキストと5巻のDVDを用いて在宅で学習し、添削してもらうシステムになっています。
通信講座なので、働きながら受講できるなど、自分のペースで学べる点が魅力的ですね。
受講にかかる期間・費用 | 詳細内容 |
期間 | 3~6か月 |
費用 | 一括払い:49,800円(税込み)
12回分割:月々4,400円(計52,800円) |
試験について
メンタルケアアドバイザーの認定試験を受験するためには、以下の基準をクリアしておくことが条件となっています。
1.「セルフカウンセリングによるメンタルケアアドバイザー養成講座」(がくぶん)の受講料を完納する
2.全6回の個別指導課題をすべて提出、受講を修了する
3.最終認定課題(第6回目)で70%以上の成績を収めること
はい、メンタルケアアドバイザーには、資格試験はありません。最終認定課題の審査によって、資格が取得できるかどうかが、決定します。
最終認定課題の審査における基準に関しては以下のようになっており、全てをクリアする必要があります。
審査の詳細 | 認定のポイント |
①知識確認問題 | テキストをよく読んで、理論を理解できているか(セルフカウンセリングについて)。 |
②チャート分析、アドバイス | 課題にあるクライアントのカウンセリングチャートをメンタルケアアドバイザーとして読み、セルフカウンセリングにおけるメンタルケアの考え方を基にした分析、そしてアドバイスができるか。 |
③記述課題(セルフカウンセリング)
※自分が体験した場面に関する記述 |
記述用紙と発見用紙における書き方のルールに沿って書けているか。 |
そうなんです、メンタルケアアドバイザーは、カウンセリング専門の用紙を用いるなど、書くことに重点を置いている資格になります。そのため、最終認定課題にも記述問題が出題されるようになっています。
記述課題に関しては、進めるのに苦労するという声もあります。
メンタルケアアドバイザーの最後の課題が、なかなか進まず3週間が過ぎた。人とのすれ違った場面を取り上げ、その時の会話の内容と自分が思ったことと相手の思いを想像で書き込み考察する。なかなかすれ違うことがないし、なるべくすれ違わないように心がけている。強いて言えば、我を出さずにいる。
— 小野健治 (@dream_ono) August 15, 2010
たしかにこれらの試験情報を見ると「難しそう」と感じる人も多いかもしれません。しかし、メンタルケアアドバイザーの資格は養成講座の修了(最終認定課題の合格)と同時に資格を得られます。
つまり、最終課題を頑張れば誰でもとれる資格なのです。
心理学の初心者でも目指しやすい資格となっているので、気になっている人はぜひチャレンジしてみてください。
メンタルケアアドバイザーになるのは難しい?難易度をチェック
たしかに、どれくらいの人が合格しているのかは、気になるところですよね。しかし残念ながら、メンタルケアアドバイザーの合格率は非公表です。
とはいえ、メンタルケアアドバイザーは総合的に見ると、非常に取得しやすい資格で、難易度は低めになっています。
その理由は2つあります。
・年齢・性別・学歴・経験を問わずに目指せる
・最終課題は、自宅で教材を見ながら作成することができる
心理系の資格は、大卒(または大学院卒)が取得条件になっていることが多い中で、そういった条件がないのは、それだけ取りやすい資格と言って良いでしょう。
また、課題は自宅で取り組めるため、テキスト等を見ながら、作成することができます。
つまり、普段からしっかりと各課題に取り組んでいる人であれば、教材のどこに解答のヒントがあるかを探しやすいので、スムーズに最終認定課題を進めることができます。
記述に関しても不安があるかもしれませんが、そこまでの課題をしっかりと提出していれば、十分対策ができるので、問題ありません。
書き書き。
やっと終わった第5回課題^_^#メンタルケアアドバイザー#がくぶん pic.twitter.com/ieOOPtNnD3— ばんそうこうでチチンプイ (@bansoko55) September 19, 2019
認定後はどうする?活動領域や資格更新頻度を解説
去年はメンタルケアアドバイザーの
資格を取得しました。お給料をもらうような
仕事にはいまだつながっていませんが「書く」ことで
それも専用用紙を使うことで相手と自分の距離をつかめる感覚が
今でも役に立っています。— ばんそうこうでチチンプイ (@bansoko55) May 11, 2020
たしかに、資格取得後にどのように生かせるのかは、大切なことですよね。
実は、メンタルケアアドバイザーの資格を取得後は、幅広い活動領域を持つことが可能になってきます。
例えば、病院や学校、介護施設などで患者や生徒、利用者の心のケアを中心に活動することができます。
それだけでなく、企業内での教育事業において活躍することも目指せるので、メンタルケアアドバイザーは様々な人の役に立つことを叶えてくれる資格でもあります。
しかし、公認心理士のような国家資格ではないので、活躍の幅が広いとは言え、メンタルケアアドバイザーの資格のみで就職に有利になる可能性は低いです。
そのため、心理学系の仕事(カウンセラーなど)を本職として働きたい場合は、メンタルケアアドバイザーだけでなく、その他の心理学系の資格を取得しておくことが良いでしょう。
更新手続きについて
どのような資格であっても、ほとんどが合格から数年後に資格の更新手続きをします。メンタルケアアドバイザーの資格もやはり、5年ごとの更新が必要になっており、以下の手続きを行うことになっています。
手続き内容 | 詳細 |
更新料の支払い | 3,300円(税込み) |
書類提出 | 申請書や課題
(※課題は、毎年の研修課題を行っていれば免除可) |
まとめ
ここまで、メンタルケアアドバイザーの資格の内容や試験、難易度について解説してきました。
・心のケアが必要な人を見守り、問題解決へ向けて導くことが仕事
・養成講座を受講し、最終認定課題の合格をもって資格の取得が可能
・養成講座の修了のみで資格取得ができるので難易度は低め (※最終認定課題の合格が必須であり、しっかりとした学習は必要)
ということが分かりました。現在、日本ではありとあらゆる場所で心のケアを施す支援が求められています。その支援を必要とする人たちの力になれるのが、メンタルケアアドバイザーの資格です。
この資格を持ち、心理学的側面から様々な人たちをサポートしていきましょう。