色彩検定1級といえば、色のスペシャリストとして、色に関するアドバイスや講座を行っていくための資格ですよね。
そんな色彩検定1級の資格を取りたい! と思ったときに、
「色彩検定1級の資格があれば、どんな仕事に就けるの?」
「色彩検定1級の資格の合格率は、どのくらいなの?」
「色彩検定1級って独学でも取ることはできるの?」
ということが気になるかもしれません。
そんな方に向けてこの記事では、
・色彩検定1級を活かせる仕事
・色彩検定1級の合格率
・色彩検定1級を独学で取る方法
について解説していきます。
目次
色彩検定1級を活かせる仕事
色彩検定1級を持っていることで、色に関する様々な知識を持っていることを評価してもらうことができます。
色に関する知識が必要な職業は多岐に渡るため、様々な方面で活躍することができるようになります。
以下は、色彩検定1級を持っていることで就職面で有利に働く可能性がある職業の一例です。
ポイント
・カラーコーディネーター
・色彩講師
・アパレル販売
・ファッションデザイナー
・ネイリスト
・メイクアップアーティスト
・コスメなどの研究・開発員
・印刷業・DTP
・グラフィックデザイナー
・インテリアデザイナー
・建築デザイナー
・建設業
・塗装業
大きく分けると、講師系・美容ファッション系・出版系・建築系といった分野です。
しかし、気を付けておきたいことは、色彩検定1級を持っていなければ就くことができない仕事はないということです。
これは、資格を取れたからといって、即仕事に繋がるというわけではないということを示しています。
色彩検定1級は公的資格のため、この辺りは、医師や弁護士のような国家資格とは違うところです。
そもそも、デザインの現場ではセンスや実力といったものを重視します。
色彩検定1級を取ったからといって、必ずしも就職で有利に働くとは限らない場合もあります。
例えば、企業の面接担当者が色に対して知識がなければ、質問を深堀されることもなく済まされてしまうこともあるのです。
色彩検定1級の資格を取ることよりも、自分の作品を作って示すことのほうが、面接ではより重要となります。
そのため、資格自体に価値があるというよりも、資格を取るにあたって学習した知識や応用能力こそが本当のあなたの価値になるということです。
こんなことを書いてしまうと、
「せっかく色彩検定1級の資格を取ってみようと思ったのに・・・」
とあなたはショックを受けてしまうかもしれません。
しかし、色彩検定1級を取るために学んだ知識はあなたの中で生き続けます。
その知識が身を結んで、自分だけにしか作れない作品が生み出される可能性は充分にあるのです。
そういったことを考えれば、色彩検定1級を取得することで、結果として自分の望む業界や職種への就職や転職を成功させることは可能です。
色彩検定1級の合格率
続いて、色彩検定1級の合格率についてみていきましょう。
そもそも、色彩検定には1〜3級に加えて、UC(ユニバーサルカラー)級という4つの階級が存在します。
そこで、ここでは、
チェック
・色彩検定の階級ごとの合格率
・色彩検定の合格基準について
についてみていきます。
色彩検定の階級ごとの合格率
最初に申し上げると、色彩検定1級の合格率は30〜45%程度です。
色彩検定2級や3級の合格率が60〜70%を超えていることを考えると、難易度は一気に上がると考えてよいでしょう。
さらに、色彩検定2級と3級は年に2回、試験が開催されます。
しかし、色彩検定1級に関しては年に1回しか開催されません。
そのため、資格試験に落ちてしまうと、なかなか次に挽回する機会すら与えてもらえない・・・ということになります。
それでは、それぞれの階級ごとの合格率について、比べてみていきましょう。
2019年度
階級 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 1,651人 | 738人 | 44.7% |
2級 | 12,666人 | 8,537人 | 67.4% |
3級 | 27,051人 | 20,234人 | 74.8% |
2018年度
階級 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 1,656人 | 710人 | 42.9% |
2級 | 11,631人 | 7,839人 | 67.4% |
3級 | 26,056人 | 19,515人 | 74.9% |
2017年度
階級 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 1,689人 | 601人 | 35.6% |
2級 | 11,182人 | 7,257人 | 64.9% |
3級 | 25,227人 | 18,567人 | 73.6% |
2016年度
階級 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 1,803人 | 473人 | 29.8% |
2級 | 12,161人 | 6,993人 | 62.8% |
3級 | 27,292人 | 19,152人 | 75.3% |
このように、色彩検定1級を取得するためには、しっかりと対策を練ることが必要だということが分かります。
色彩検定の合格基準について
色彩検定の合格基準は、7割の正答率を出すことです。
これは、1〜3級のすべての階級に共通しています。
しかし、階級が上がるごとに出題される内容は難しくなるため、得点することも難しくなります。
そのため、2級や3級の7割と比べて、1級で7割の正答率を出すことはかなり難易度が高いと想定しておきましょう。
色彩検定1級を独学で取る方法
結論からいうと、色彩検定1級を独学で取ることは可能です。
そのためには、色彩に対する深い興味があり、勉強することが好きであるという熱意を持つことが重要となります。
ここでは、具体的に、
チェック
・試験勉強のスケジュール
・1次試験の対策
・2次試験の対策
について解説していきます。
試験勉強のスケジュール
まずお伝えしなければいけないことは、1次試験に受かってから2次試験の試験対策を始めるのは無謀であるということです。
なぜなら、1次試験は11月ごろに開催されるのに対して、2次試験は12月ごろに開催されるからです。
試験のスパンが大変短いため、どちらの試験に対しても試験勉強を進めていかなければいけません。
具体的には、毎日2時間、3ヶ月程度は同時並行で学習をスタートさせましょう。
ここで大切なことは、退路を絶って勉強に取り組むということです。
独学では、自分以外の人が進捗状況を管理したり、やる気が起きないときにお尻を叩いてくれたりする人がいません。
そのため、「前に進むしかないんだ!」という状況に自分を追い込むことが非常に大切です。
まずは、テキストを購入してしまったり、受験料を支払ってしまったりして後に引けない状況を作ってしまいましょう。
1次試験対策
1次試験は、知識問題となります。
一部記述式の問題もありますが、基本的にはマークシートを埋めていく問題形式となっています。
1次試験の対策としては、
チェック
・公式テキストを何回も読み込んで勉強する
・問題集を使って、問題を解いてみる
という二つの方法に取り組んでいきましょう。
ひとつずつ、詳しく解説していきます。
公式テキストを何回も読み込んで勉強する
色彩検定1級の出題範囲は非常に多岐に渡ります。
そのため、公式テキストの内容をすぐに全部理解できるようになるのは困難ですし、その必要はありません。
それよりも、何度も何度も読み直し、どこに何が書かれているかを見極めるということが重要となります。
そして、
「自分のつまづくポイントはどこか?」
ということを理解しながらも、そこで立ち止まることをせずにサラッと読み飛ばしていくほうが効率的です。
また、問題集を進めていくうちに把握できるようになる箇所も出てきます。
のちのち振り返るということを念頭において、まずは前進し続けるという姿勢で試験学習に臨みましょう。
問題集を使って、問題を解いてみる
続いて、問題集を買ってきて、何回も繰り返し問題を解くことです。
このとき、何冊も買い込むよりも、一冊の問題集を繰り返し解くほうが効率的です。
なぜなら、出題傾向はだいたい決まっているため、問題文を暗記するほどのレベルまで上げることのほうが得点に繋がるからです。
もちろん、問題集に取り組んですぐにスラスラと問題が解けるわけではありません。
しかし、すぐに理解できないとしても諦めず、焦らずに少しずつ理解していくことが大切です。
また、問題集を解き進めていくことによって、公式テキストを読んでいて分からなかった箇所も次第に理解できるようになります。
2次試験対策
2次試験は、記述と実技を組み合わせたペーパーテストです。
カラーカードの切り貼りなど、形式に慣れていなければ難解な問題も多数出題される内容となっています。
また、問題文を読み解くこと自体にも専門知識を求められる内容であるため、必ず対策を練ることが必要です。
ここでは、
チェック
・最低限必要な専門知識を覚える
・2次試験問題を何度も解いてみる
・カラーカードの扱いについて慣れておく
ということに関して解説していきます。
最低限必要な専門知識を覚える
2次試験の問題は、専門知識の理解を前提とした設問文となっています。
もし学習が足らず、専門的な知識について理解が浅いまま望んでしまった場合には、
「そもそも設問の意味すら分からない・・・」
という状況に陥ってしまいます。
また、専門知識の内容についても、2〜3日で覚えられるような簡単なものではありません。
単語帳を作成し、他の試験勉強と並行しながらも最低で1〜2ヶ月の学習期間を設けることが必要となります。
2次試験問題を何度も解いてみる
2次試験の設問文は、とにかくクセが強いものになっています。
これには慣れることが大切であり、解決方法としては繰り返し問題集を解いてみるしかないといえます。
使う問題集はとにかく設問文の多いものを選び、設問のパターンをいくつも知っておくことが大切です。
また、2次試験は求められる作業量に対して、試験の時間が非常に短くなっています。
学習時点から実際の試験時間を意識して、問題集で訓練をしておくことが重要です。
カラーカードの扱いについて慣れておく
色彩検定1級にはカラーカード実技問題というものがあります。
この問題には、実際にカラーカードの切り貼りが必要となり、様々な色に関しての知識を求められます。
そのため、カードの中のトーンや色相の色がどのへんにあるのか? ということを慣れておく必要があります。
試験に臨むためには、カードの位置を把握し、直感的に選べるようになっておくことが大切です。
また、カードの色自体への知識をつけておくことも大切といえます。
そのため、街で見かける色という色を、PCCS色記号で言えるようにしておく必要があります。
普段から赤・青・黄といったような色の名称で覚えているものを、PCCS色記号で言えるようになるには、相当の努力がいるものです。
覚えはじめのうちは効果が上がらず、くじけそうになるかもしれません。
しかし、2〜3週間ほど意識して取り組んでいけば次第に身についてきます。
これらの技能は、一朝一夕で身に付くものではありません。
しっかりと試験までのスケジュールを確保して、コツコツと学習を続けることが大切でしょう。
まとめ
ここまでの色彩検定1級に関する情報について、まとめていきます。
まとめ
・色彩検定1級を活かせる仕事は?
→講師系・美容ファッション系・出版系・建築系と多岐に渡る
(ただし、色彩検定1級の資格自体よりも、その知識を応用できるかが求められる)
・色彩検定1級の合格率は?
→30〜45%ほどと低め。2級や3級の60〜70%と比べても難しいといえる
・色彩検定1級を独学で取る方法は?
→公式テキストと問題集を買い、一度で理解しようとせず繰り返し解き続ける
(学習スケジュールは3ヶ月ほど)
いかがでしたか?
あなたのキャリアアップに活用していただける内容となっていれば、幸いです。