対話のスペシャリストと呼ばれる精神対話士の仕事をご存知でしょうか。被災地などに派遣されることも多くあるので、ニュースなどで目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし、
という方も多くいるのではないでしょうか。
また、精神対話士の資格試験の受験を検討するにあたって、
「どれぐらい難しい試験なの?」
「受講料や費用はいくらぐらいかかるの?」
「収入はどれぐらいなの?」
「需要ないと聞くけど資格の評判は?」
ということが気になる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
- 精神対話士とは?
- 精神対話士資格試験の難易度やかかる受講料
- 精神対話士の収入はどれぐらいある?
- 需要などの評判
ということについて詳しく説明していきます。
目次
精神対話士とは?
精神対話士とは一般財団法人メンタルケア教会が実施する「対話によるメンタルケアを行う専門家」を養成するための民間資格です。
核家族化が進み地域社会とのつながりも希薄になった現代において、誰にも相談できない悩みや問題をひとりで抱え込み苦しんでいる人は多くいます。
例えばこのような方です。
- 一人暮らしの高齢者
- 重い病気を患った患者
- 災害により被災した人
- 犯罪被害者
- いじめにあった人
精神対話士はそのような人たちの話を聞き、対話を通じて心の負担を減らしメンタルを安定させるお手伝いをします。
薬による治療や心理療法などは行いません。
ひとりで辛い思いをしていた時に、「誰かにただ話を聴いてもらっただけなのに心が軽くなり前向きになることができた」という経験をしたことはありませんか。自分を受け入れてくれた、自分の気持ちを分かってくれたという安心感で心が和んだのではないでしょうか。
精神対話士は「話をきてくれる人が誰もいない」という悩みを抱える人たちのために、様々な場所に派遣され対話によって心を癒しています。
精神対話士とカウンセラーの違い
精神対話士とカウンセラーでは「心をケアする方法」が違います。
精神対話士は、様々な問題を抱えた相談者の思いに寄り添い、「暖かい対話」によって心の負担を軽くします。対話の基本である「傾聴、受容、共感」の3つを使い、相談者の心の内を聴き出し、生きる希望や人生の目的を見出せすことで心を健康にしていきます。
具体的な解決策を見つけることを目的とせず、対話によって孤独を感じている人の心を癒すのが精神対話士です。
カウンセラーも「カウンセリング」という対話によって相談者の悩みに応えるという点では同じです。違う点は、心理療法などの専門的な知識を使い悩みを解決に導いたり、もしくはその悩みと上手く付き合っていく方法を提案したりするところです。自分の力で心の健康を取り戻す手伝いをするのがカウンセラーです。
精神対話士は、メンタルケア論や人間論、死生論、心理対話論といった対話に関する専門的な知識や技術を学びます。問題に直面している人の心の寂しさを埋めるために「話を聴くプロ」として様々な場所で活躍しています。
精神対話士資格試験の概要
精神対話士になるためには、一般財団法人メンタルケア協会が実施している「メンタルケア・スペシャリスト養成講座」を受講しなければなりません。
基礎講座全15回と実践講座全7回の講義を受講し、レポート提出を経て「精神対話士選考試験」を受験することができます。受験資格はなく、誰でも受験することが可能です。
「メンタルケア・スペシャリスト養成講座」は全国の主要都市で講座が開催されており、直接講義を受講しなければならず、通信講座は行っていません。基礎講座は5日間、実践講座は3日間と集中して行われるので、働きながら取得を目指す方も大勢います。
「精神対話士選考試験」では、筆記による試験は行われず2回の面接試験が行われます。1回目が10名前後の集団面接で、2回目が個人面接で講座の内容をどれだけ理解しているかが試されます。
詳しい日程等は一般財団法人メンタルケア協会のホームページを見て確認するようにしてください。
精神対話士資格試験の難易度とかかる受講料
精神対話士資格試験の難易度
精神対話士の資格試験の合格率は約15%となっており比較的難しい試験であると言えるでしょう。
また、受験資格を得るために「メンタルケア・スペシャル講座」の基礎講座と実践講座を受講しますが、各講座修了時に提出するレポートも採点対象となっています。合格率は約80%となっていますが、ここで既に足切りされる可能性があるという点からも難易度は高い試験と言えるでしょう。
資格認定の最終試験は2回に渡る面接試験となっています。他の資格試験と違い、言葉や理論を暗記するのではなく「対話」技術が伴っていなければ合格することはできません。人間性や感受性なども大きく関係してくるので、誰もがすぐに実践できるものではないという点も合格率が低い要因ではないでしょうか。
なお、再受験も可能ですが実践講座を再受講する必要があります。
資格取得までにかかる受講料
精神対話士になるために必要な費用をまとめましたので見ていきましょう。
項目 | 金額(税込) |
メンタルケア・スペシャル講座基礎課程 | 136,200円 |
メンタルケア・スペシャル講座実践課程 | 62,800円 |
精神対話士選考試験受験料 | 0円 |
精神対話士選考試験再受験料 | 0円 |
合計 | 199,000円 |
受験料はかからないため、講座受講料のみ必要となります。なお、講座受講料にはシラバスやテキスト代も含まれているので別途かかる費用はありません。
他の心理学系の試験は大学院等での心理学の専攻経験がないと受験できない場合が多くあります。講座さえ受講すれば誰でも受験できるという点から、なるべく費用を抑えて心理学系の資格が欲しいという人にとっては最適な資格ではないでしょうか。
精神対話士の収入はどれぐらいある?
精神対話士としての収入については、一般財団法人メンタルケア協会のホームページにこのような記載があります。
Q 精神対話士の収入のシステムについて教えてください。
A 1回80分4,192円の報酬システムです。
精神対話士として働くには、一般財団法人メンタルケア協会と業務委託契約を結び、協会が指定するクライアント先に派遣される必要があります。そのため、どれだけの数のクライアント先に派遣されるかによって収入は大きく変わってきます。
派遣先には週1回、同じ曜日、同じ時間帯に赴き80分間「対話」による心のケアを行います。
具体的に収入を試算してみると、
クライアント数1箇所 1回4,192円×週4回=16,768円
クライアント数10箇所 16,768円×10箇所分=167,680円
となります。時給として考えると高いかもしれませんが、派遣先に行くまでの時間や仕事内容の重さを考えると決して高いものとは言えません。
一般的な会社員と同等の収入を得るためには、多くの派遣先で業務をこなす必要がありそうです。
どのような派遣先があるのかというと、
- 個人の自宅
- 一般企業
- 介護施設
- 老人ホーム
- 病院
- 学校
- 被災地
など様々です。
自然災害の増加や社会環境の変化により、精神的問題を抱えた人は今後増えていくと予想されます。そのような人たちの心の支えとなる精神対話士の需要は今後ますます高まっていくことでしょう。
精神対話士として地位を確立し生計を立てていくことを考えているのであれば、他の心理系資格等を取得して知識の幅を広げることを検討してみるのもいいかもしれません。そうすれば更に活躍の場を広げることができます。
精神対話士の評判!仕事がない、需要の心配は?
ネットを見ると確かにこのような声があります。
ほぼ無価値で役に立たないでしょう、
理由として、非常にマイナーな上に民間資格です。
民間資格が誰でも創設が可能です。何なら今から、私が知恵袋式精神対話士なんて資格でも発行しましょうか?
と発行してもそれも民間資格になります。要は、民間資格は国家資格とは異なりメジャーで広く認められていない限りは無価値で紙切れと言っても差し支えないと思います。
引用元:Yahoo!知恵袋
ですが一方でこのように良い評判もあります。
精神対話士の講座は心のケアに興味がある方にお勧めです。
この資格は心に問題をかかえた方に精神的支援を行うための資格で、多くの人がこの資格を取得してメンタルケアの専門家として活躍しています。
講座をすべて受講して、修了判定されると認定証が交付されます。
引用元:Yahoo!知恵袋
私は特にこの資格の回し者でも何でもありませんが(笑)、悪い意見を言われていた方は精神対話士を取った訳でも受講した訳でもなさそうですよね。
それに比べて良い意見を言っている方は実際に精神対話士を取られた方だというのがわかります。
他にもこのような評判がありました。
ただ、講座の内容がかなり良く、講座を聴くだけでもためになったと思っています。合格し、精神対話士として協会と契約を結べば、需要があるときに派遣の依頼が来るようになります。
引用元:Yahoo!知恵袋
この評判を見ると、
・講座自体の内容が凄く良い
・合格すれば派遣の依頼がくる
といった事がわかります。
精神対話士を迷っている方にとって、十分に判断材料になりえる評判ですよね。
まとめ
ここまで精神対話士について説明してきました。内容をまとめておきます。
まとめ
- 精神対話士は「対話」によって心を癒す仕事
- 資格試験は誰でも受験できるが、合格率は低く難しい試験
- 精神対話士になるためには総額199,000円の講座を受講しなければならない
- 1回派遣されると4,192円の報酬が発生する
- 生計を立てるためにはクライアント数を増やす必要がある
ストレス社会と呼ばれる現代においてひとりで悩みを抱える人が多い今、相手の心に寄り添い話を聞いてくれる精神対話士の存在は大変貴重です。辛い思いを抱えている人と「対話」することで心を癒す、非常にやりがいのある仕事ですよね。
受験資格を設けていないので興味のある方は勉強を始めてみてはいかがでしょうか。