ひきこもり支援相談士とは、ひきこもりの子どもやその家族と向き合い、復帰を促す専門家です。
今回は、ひきこもり支援相談士がどのような資格であるのかを徹底解説していきます。
この記事を読むとわかること
・ひきこもり支援相談士とはどんな資格なのか
・ひきこもり支援相談士の合格率
・ひきこもり支援相談士の給料の目安
・実際にひきこもり支援相談士の資格を取得した人の体験談
目次
ひきこもり支援相談士はどういう資格?
長らくひきこもりは学校に通えなくなった子供がなるものだというイメージが広がっていましたが、実はそうではありません。
近年はひきこもりは長期化傾向になってきており、それに伴ってひきこもり当事者の平均年齢も高くなってきているのです。
今や、ひきこもりは幅広い年代の人がなりうるものと考えられます。
この社会問題に対処するためにできた資格がひきこもり支援相談士です。
よって、必ずしも子どもの役に立つための資格というわけではありません。
ひきこもり支援相談士の資格は、ひきこもり当事者とその家族に寄り添いながら共に社会復帰を目指す「ひきこもり支援相談士」の養成を目的としています。
活躍できる場所
・「ひきこもり地域支援センター」での常駐相談員
・ひきこもり問題対応ネットワークの全国引きこもりKHJ親の会各支部
・「子ども・若者育成支援推法」により各地域に設置される「子ども・若者総合相談センター」や「子ども・若者支援地域協議会」
・その他各機関、団体、家族会などの相談員
主な活動内容は、相談・紹介を受けた引きこもり当事者やその家族に対して、自宅訪問を通して問題を解決するためにカウンセリングを行ったり、家族面談をするなどして支援を行います。
また、上記「活躍できる場所」においてボランティアや有償活動を行います。
さらに、「子ども若者育成支援推進法」に沿ったひきこもり問題への正しい対応を行うことや、理解を広めることもひきこもり支援相談士の活動の一部です。
ひきこもり支援相談士の資格は取りやすい?気になる合格率
ひきこもり支援相談士になるには一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会によって認定されている資格を取得しなければいけません。
気になる資格の取りやすさですが、ひきこもり支援相談士の資格は非常に取りやすい資格と言えます。
合格率は約75%とかなり高めです。
ここではひきこもり支援相談士の資格が取りやすい理由を2つ解説します。
通信講座と課題提出で合格できる
https://twitter.com/hei_6491/status/419407325128953856?s=20
ひきこもり支援相談士の資格は他の資格と比べて難易度が低く、取りやすい資格であると言える理由の一つが、資格取得までのプロセスが簡単なことです。
流れは至ってシンプルで、通信講座を受講し、課題を提出して合格が出れば資格が認定されます。
受講期間については個人差があるものの、約3ヶ月〜6ヶ月程度が目安となっています。
もし仮に不合格になってしまったとしても、課題を再提出することが可能なので、資格試験の中では非常に合格しやすい資格です。
また、通信講座を受講することが必須の資格試験ということは、逆に言えば事前の知識は特に必要ありません。
ですので、ハードルも低めで合格を目指しやすい資格と言えます。
随時受講可能!いつでも申し込める
ひきこもり支援相談士の資格試験の特徴は、いつでも受講を開始することができることです。
通常、資格試験というと資格試験が年に2〜3回と決まっていて、なかなかチャンスに恵まれなまったり、一度落ちてしまうと次回はあと数ヶ月後ということもよくあることですが、ひきこもり支援相談士の場合は通信講座を受講し、課題を提出するというスタイルのためこのようなことは起こりません。
思い立ったが吉日、ということでひきこもり支援相談士としての活動をしたいと考えている人は今すぐにでも申し込んで受講を開始することができます。
自分の都合に合わせて受講を進めることができるので、自分のペースで頑張りたいという人にとってもオススメの資格です。
みなさんが気になる資格取得にかかる費用ですが、受験料が35,000円で、認定料が5,000円です。
また、資格認定は1年間有効なので、更新の度に認定料の5,000円の支払いは必要です。
6ヶ月程度の受講期間でこの料金ならチャレンジしやすい費用ですね。
講座の申し込みはひきこもり支援相談士認定協議会の公式サイトで申し込むことができます。
ひきこもり支援相談士の給料は?
気になる給与面に関する優遇ですが、結論しては、現時点では、優遇されることは少ないようです。
そもそも、先ほども説明した通り、ひきこもり支援相談士の資格を取得後、ひきこもりに関する様々な場で活躍することができますが、活躍場所によって給料は異なります。
例えば「ひきこもり地域支援センター」の常駐相談員として活躍する場合、給料は月に17万円〜25万円程度が目安となります。
また、元々民間の心理カウンセラー資格を持っている人で、さらなるスキルアップを目指すための資格としてひきこもり支援相談士の資格を取得する人もいます。
そういった人は、民間企業のカウンセラーとして活躍することが期待されるので、月に20万円前後が目安の給料となります。
ただ、このような民間企業となると資格取得のための補助が出たり、スキルアップしたことによる手当ても出たりするところもあります。
この辺りは企業によって待遇や条件が異なるので、民間企業で働いている人で資格取得を考えている人はぜひこの福利厚生の部分で何か手当てがあるのかは受講の前に確認しておきましょう。
ひきこもり支援相談士の資格を取得した人の体験談
最後に、実際にひきこもり支援相談士の資格を取得した人の体験談をご紹介します。
・過去に自分の子供が不登校・ひきこもりになり、親として悩んだ経験から、他のひきこもり状態の子供やその家族に対し何か自分ができることはないかと思い、ひきこもり支援相談士を取得しました。
資格の勉強を通じて、ひきこもりが起こるさまざまな状況や、当事者やその家族の気持ちなどを考え、学習したことは、自分自身の過去を整理するきっかけとなりました。
現在は子供と共にひきこもり支援について考え、意見を出し合い、今後の活動の準備をしていきます。(40代/女性)
・心療内科医として数十年間働いてきましたが、最近は不登校や社会適応障害に悩む方が増えたと感じます。社会に適応できず、自信をなくしてひきこもり、学校や会社への復帰も困難となり、ドロップアウトしてしまう人が近年増加しています。こういった状況を目の当たりにし、支援の必要性を感じていました。その時にちょうどこの資格の存在を知り、取得しました。
ひきこもりを支援するということは助けたいという気持ちだけでどうにかできるものではなく、きちんとした知識や技術が必要となります。支援相談士の資格取得者が増え、ひきこもり支援の体制が広がっていくといいと思います。(30代/女性)
・自分がひきこもりであった時期があったことがきっかけでひきこもりが社会問題になっている事実を知り、自分にできることはないかと考え、ひきこもり支援相談士の資格を取りました。
ひきこもりは本人の意思によるものとされ、甘えていると思われることが多くあります。しかし外に出たくないのではなく、出たくても出られないという気持ちがあるということが、まだあまり理解されていません。私は自分自身が実際にひきこもりを経験したからこそ、第三者の支援がとても重要だと思います。ひきこもりのお子さんの家族は、心配や苛立ちといった思いが強くなってしまうことがほとんどです。すると、本人と意思疎通を図るのが難しくなり、信頼関係も築きにくくなってしまいます。そんな時に、第三者として本人や家族の方をサポートしていけたらと思い、活動しています。(20代/男性)
・私の子供は小学校4年生から現在(中学1年生)も学校に行かずずっと家に引きこもっています。意思疎通ができずにどのように対応してあげればいいか分からず悩んでいた時に、知り合いの方にひきこもり支援相談士という資格の存在を教えてもらいました。
資格を取るのが目的で勉強しているわけではありませんが、ひきこもりに関する知識を身に付けることで少しでも子供の思いを理解し、解決できるように頑張っていきたいと思います。(30代/女性)
このように、ひきこもり支援相談士の資格取得者は、元々自分がひきこもりであったり、家族がひきこもりであったりといったように、実際に受講者本人もひきこもりを経験したことがあるという人が経験を活かして自分にできることがないかという思いで受講した人が多くいます。
また、心療内科医や心理カウンセラーとして活躍しており、近年増加しているひきこもりに対してより深く理解を深めたいという思いから受講をした人もいます。
実際に自分がひきこもりを経験した人や、医師としてカウンセラーとして身近にひきこもりの人がいる人は、第三者の支援の大切さを実感しているようです。
こういった体験談からも、ひきこもりを克服するためには、第三者の手が必要であることが分かります。
ひきこもり支援相談士の資格が、いかに役に立つものなのかが分かります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、ひきこもり支援相談士について解説しました。
ひきこもり支援相談士の資格取得のポイント
・ひきこもり支援相談士は「ひきこもり地域支援センター」での常駐相談員や心理カウンセラーとして活躍が期待できる
・資格は非常に取得しやすく、合格率は75%。いつでも受講を開始できる。
・ひきこもり支援相談士としての月給は17〜25万円程度が目安。働く場によって給料は異なる。
・資格取得者は自身がひきこもりだった経験がある人や心理カウンセラーや心療内科医として活躍している人が多い。
ひきこもりは、自分の意思だけで改善したり復帰したりすることは困難です。
だからこそ、第三者からの支援によってきっかけを生む必要があります。
現在ひきこもりに苦しんでいる人が自立できるよう手助けをしたい人、ひきこもり当事者と社会との架け橋になりたい人は、ひきこもり支援相談士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。