認定心理士という言葉を聞いて、
・どんな仕事なんだろう
・資格を取得すればなれるのかな
・資格取得の難易度は高いのかな
と思われるかもしれません。
今回は、
・認定心理士とはどのような資格なのか
・資格の取得方法や難易度はどのくらいなのか
・給料に関係はあるのか
ということを解説します。
目次
認定心理士とは?資格内容や評判を解説
たしかに、知り合いなどが“認定心理士”という資格をもっていれば、なんとなく凄いような気がしますよね。
しかし、実際のところの認定心理士の定義は次の通りです。
認定心理士とは、公益社団法人日本心理学会が認定する、心理学の専門家として仕事をするために必要な、最低限の標準的基礎学力、技能を修得していることを証明する資格です。
つまり、“認定心理士=心理学の基礎知識があることを証明するもの”です。
そのため、感覚としてはTOEICや漢検、英検と同じように能力があることを示すものなので、必ずしも取得に価値があるわけではなく、もっておいて損はないだろうといった感じになっています。
よって、認定心理士の資格を取得したからといって、特別な仕事があるわけはないのです。
似た資格に臨床心理士がありますが、臨床心理士が職業に直結する資格であるのに対して、認定心理士は職業の結びつきが弱いです。
カウンセラーとしての技術も、臨床心理士と認定心理士とでは大きな差があるといわれています。
とはいえ、認証心理士を取得することで、メリットもあります。例えば次の2つです。
・心理学の基礎的な知識と技術を持ち合わせていることを証明することができる。
・仕事に活かせたり、児童養護施設といった場所でカウンセリング業務を行うことができる。
実際、SNS上でも意見は分かれており、認定心理士の資格だけではあまり役に立たないという意見もあります。
言い過ぎはありますm(_ _)m
でも例えば、「認定心理士」は一般の方から見たら心理カウンセリングできる資格を持った人に映りますよね?
でも学んでる人はご存知の通り、カウンセリングや臨床心理を専門に学ぶより前の段階。心理学の基礎知識の段階の資格です。それだけでは心理療法は素人です。 https://t.co/Yn7QLVsNYP— 柳澤博紀 おでこひろのり(official Odeko Hironori Yanagisawa ) (@yana7654321) January 18, 2020
https://twitter.com/___yuuri39/status/1260990188102115330
https://twitter.com/cheesecake_1220/status/1109951710368194560
一方で 、アピールポイントとして活用することができるので、とって損はないという意見も多々あります。
(詳しく話すと身バレするので)
理事長は臨床心理学、犯罪心理臨床、家族臨床の研究分野で著名な先生で副理事長は弁護士。そこの事務局の仕事に着きます。研修、会議、啓蒙活動、支援相談などetc。心理職ではありませんが、ここで認定心理士の資格は活かせます!!伊藤さんを見習って頑張ります‼️— siropuri (@siropuri1) February 24, 2020
臨床心理学部出身の恋人に相談したところ、
教養学部卒になるなら認定心理士とれば履歴書だけで大学で何学んだか証明できるから取るのはあり。
心理の仕事につきたくて取りたいなら合っても有利じゃないからいらない。
とのこと。高卒→放送大学
なので認定心理士取ろうとおもう。 https://t.co/Ye207Cntw2— < °∋ayu))>≪ (@ayu_sakana_3) January 25, 2020
認定心理士は誰でもとれる?資格取得方法や難易度について
ここも勘違いされやすいところなのですが、認定心理士には、資格試験は存在しません。
これから説明する、資格取得の条件を満たしていれば、誰でも認定心理士の資格を得ることができます。
よって、資格の難易度はかなり易しいと思って問題ありません。
では、どのように取得するのかを具体的に説明していきます。
認定心理士の資格取得方法は、次のようになります。
- 4年制大学で認定に必要な単位を取得する
- 「公益社団法人日本心理学会」へ申請
- 審査
それぞれ解説します。
4年制大学で認定に必要な単位を取得する
認定心理士の資格を取得するための条件は、ただ一つです。
それは、認定心理士の資格認定には心理学や心理学関連科目で総計36単位以上を取得していることです。
社会学科や福祉学科のように、学部、学科や専攻名に「心理学」の名称がなくても日本心理学会の認定を受けた単位を修得すれば取得できるので、認定心理士を取得したいと思うなら日本心理学会の単位認定基準と履修できる科目を確認しましょう。
日本心理学会の単位認定基準についてはこちらを参照してください。
公益社団法人日本心理学会へ申請
申請には、大学卒業後にする認定申請、大学卒業前にする仮認定申請、申請までに日本心理学会に5年以上正会員として在籍している人だけが申請できる日本心理学会会員の優遇措置の3つの種類があります。
いずれの場合も、審査料10,000円を支払う必要があります。
日本心理学会会員の優遇措置に関しては、利用する人はほとんどいないので、ここでは認定申請と仮認定申請について簡単に説明します。
大学卒業後にする認定申請
認定心理士の認定申請は,大学を卒業後、資格取得希望者が個人の資格で申し込みます。
こちらに関しては、審査料10,000円を支払い、必要な書類を提出すれば、後は合否を待つだけです。
特に難しいことはありませんので、ご安心ください。
大学卒業前にする仮認定申請
就職活動に利用した場合、卒業後に認定をもらっても遅いですよね。
そこで、卒業前に「仮認定」を受けて条件付きの「仮認定証」を受領できる「仮認定制度」があります。
仮認定申請が認定申請と異なるのは、次の3点です。
・成績証明書と卒業見込み証明書の提出が必要
・合格後送られてくるのは、有効期限付きの「認定心理士仮認定証」
・正規の認定を受けるためには、卒業後、卒業証明書を事務局に送る必要がある
審査
審査には書類を提出してから審査結果が通知されるまで2~3か月かかります。
条件を満たしていれば取得できる資格なので合否を心配はありませんが、書類の記載事項に間違いがある場合や内容がよくわからない場合、再提出を要請され審査に時間がかかることがあるので、申請する場合には書類に間違いがないか確認してください。
無事に審査が合格した後は、認定料30,000円を支払えば認定してもらえます。
認定心理士の資格は給料アップにつながる?
資格と取得するとなると、気になるのは、給料に影響するかどうかですよね。
しかし、残念ながら認定心理士という資格があるだけでは、収入アップにつながる可能性はあまりありません。
とはいえ、資格取得において身につけた知識を仕事に上手に活用することができている事例が多々あります。
その一部を紹介します。
看護師をしながら大学に通い、認定心理士の資格を取得を目指しました。その後無事に取得し、看護の仕事と並行して、病院スタッフへのカウンセリング業務も同時に行うようになりました。心理学という新たな視点を持って看護師の仕事ができているので、大いに役立っています。(女性/看護師)
現在、あるNPO法人で様々な悩みを抱えている家庭のカウンセリングを行っています。同時に、病院や老人ホームで、高齢者のケアも行っています。年齢層の違う様々な方と真剣に向き合ってカウンセリングをすることに、大きなやりがいを感じ、充実した毎日を送っています。(女性/ケアマネージャー)
訪問介護ヘルパーをしているのですが、あるとき、心理についても学びたいと思い始め資格を取得しました。資格を取ってからは、人の心理がよく分かるようになり、仕事にも生かせています。今後は、大学院への進学も考えています。(女性/ヘルパー)
看護師をしながら、認定心理士の資格を生かして、病院スタッフへの定期的なカウンセリングも行っています。他にも、患者さんへのご家族の相談に乗ったり、心理学の勉強会を開催してみたり、資格を活かした様々なことにチャレンジしています。心理学の知識が仕事に活かせることを実感すると同時に、看護師という仕事にも誇りをもてるようになりました。(女性/看護師)
直接的には収入アップにはつながりませんが、資格を通して仕事の幅が広がり、結果的に収入を多く得ている人はたくさんいます。
認定心理士の資格を取得することで、大学で何を学んだのかが明確になるため、就職や転職でもアピールすることができます。
資格を取得する要件がそろっているのであれば、申請することが正解と言えます。
まとめ
今回は認定心理士について、資格の取得方法や給与面の待遇についてを中心に解説していきました。
まとめると、次の通りです。
・認定心理士とは心理学の基本的な学力と技能を持っていることを証明する資格
・認定心理士の資格認定には、基本的に日本心理学会が定めた単位を修得する必要がある
・認定心理士は能力があることを証明する資格のため職業との結びつきは弱いが、仕事に活かすことで、間接的な収入アップにつなげている人たちがいる
認定心理士は心理学関連を専攻している学生や公認心理士、臨床心理士を目指すとっかかりとして資格取得を目標にするのが良い資格です。
資格は取得して無駄ということはないので、取れるなら取っておくのがおすすめです。