ヤマハグレード10級は音楽能力の基礎が試される試験で、ピアノを学ぶ多くの方にとって初めて受ける試験です。
「ヤマハグレード10級は何歳くらいで受けられるの?」
「ヤマハグレード10級ってどのくらいのレベル?」
「どうやって練習をしたらいいのかな?」
など、気になることがあるでしょう。
そこで、ピアノのヤマハグレード10級について、
- 何歳、何年生向けか
- ヤマハグレード10級のレベル
- ヤマハグレード10級の練習法
を解説します。
目次
ヤマハグレード10級は何歳、何年生向け?
ヤマハグレードは受験者の音楽能力や目標に合わせて様々なレベルがあり、10級〜6級は「学習者のためのグレード」という位置づけです。段階的に学習の成果を確認し、次の目標を目指すことでレベルアップするような内容になっています。
ヤマハ音楽教室ではコースにもよりますが、小学校1年生修了時にヤマハグレード10級取得を目安にしたカリキュラムが組まれています。
習熟度には個人差があるのであくまでも目安ではありますが、小学校低学年でも合格できる内容ということでしょう。
このことから、ヤマハグレード10級は7〜8歳、小学校低学年向けと言えます。
ヤマハグレード10級の試験概要
ヤマハグレード10級の試験は試験官2名の前で演奏し、最後に試験官からアドバイスを受けます。
試験はAコースとBコースの2つがあり、どちらか選んで受験します。
コース名 | Aコース(演奏を中心に学習している方向け) | Bコース(音楽を総合的に学習している方向け) |
試験内容 | 課題曲(1曲) | 伴奏づけ 聴奏 |
【A、Bコース共通】 自由曲(2曲) 初見演奏 |
Aコースは演奏のみの試験ですが、Bコースは伴奏をつける、聴いたメロディーやハーモニー(カデンツ)を演奏するといった総合的な試験内容で、Bコースのほうが難易度の高い試験内容です。
初見演奏、伴奏づけ、聴奏で出題される曲は
- 調・・・ハ長調、ト長調、ヘ長調、イ短調
- 拍子・・4/4拍子、3/4拍子
- 和音・・I、V7
から出題されます。上記の理解が必要です。
次に、試験内容について説明します。
自由曲(A、Bコース共通)
自分のレベルに合った曲を2曲選んで演奏します。
2曲が類似しないように作曲家や時代、国やスタイル、形式などが偏らないよう心がける必要があります。自作曲や自編曲を1曲含めることも可能です。
Aコースの場合、課題曲で演奏する曲を選ぶことはできません。
暗譜が推奨されていますが、楽譜を見て演奏しても大丈夫です。ただし、譜めくりは自身で行います。
曲の難易度以上に自分の演奏力を発揮できる曲を選ぶことが大切です。
初見演奏(A、Bコース共通)
メロディーとバスによる4小節程度のピアノ曲の楽譜を30秒ほど見てから演奏します。
課題曲(Aコース)
ヤマハの「NEWピアノスタディレパートリー4」「NEWピアノスタディレパートリー5」の2冊30曲の中から1曲を選んで演奏します。
NEWピアノスタディレパートリー4
価格:税込1,430円
引用:ヤマハミュージックWeb Shop
NEWピアノスタディレパートリー5
価格:税込1,430円
引用:ヤマハミュージックWeb Shop
伴奏づけ(Bコース)
8小節程度のメロディーに最適な和音で伴奏を付けます。
はじめにメロディーと伴奏のバス音が書かれた楽譜を渡され、試験官が弾くメロディーに合わせて両手で伴奏を付けます。
聴奏(Bコース)
ヤマハグレード10級では「メロディー聴奏」と「ハーモニー(カデンツ)聴奏」の2つを行います。
どちらも何調かを最初に伝えられます。その後、試験官が弾く4小節程度の「伴奏付きメロディー」「ハーモニー」を聴いて、聴き取ったメロディーやハーモニーを演奏します。
ヤマハグレード10級のレベル
ヤマハグレード10級では必要な学習レベルとして
- いつでも弾ける曲が何曲かある
- 人前で演奏できる
- リズムが読める
- 五線譜上の音がわかる
- 楽譜があれば一人で演奏できる
- 譜面から音が想像できて弾ける
- 簡単なメロディに和音がつけられる
- 聴いて歌える曲を弾ける
- 探り弾きができる
- 耳にした音楽を口ずさめる
といったことが挙げられています。
ヤマハグレード10級では音楽を学ぶための基礎ができているかを見られる基礎レベルの試験ということです。
先にも書いたように、ヤマハグレードの10〜6級は段階的に学習の成果を確認して次の目標を目指すことでレベルアップするという内容なので、能力に見合わない級の受験を勧められることはありません。レッスンをしっかり受けていれば難しくはないレベルです。
@rararururu ヤマハでの経験だけで申し訳ないのですが、10級ぐらいだと余程ひどいものじゃない限り不合格はないと思います。とはいえ技術、表現とか一定の評価基準はあるはずなので審査する先生にどう聴いてもらえるかになるでしょうね
— やまちゃん(やまちゃんP)@コロナ君さようなら (@hyperyamachan) February 24, 2014
ヤマハグレード10級の練習法
まず、課題曲と自由曲はミスなく演奏できるようにしましょう。レッスンと家で練習を繰り返しましょう。
暗譜できなくても評価は下がらないので、楽譜があったほうが安心なら無理に覚える必要はありません。
初見演奏やBコースの伴奏づけや聴奏は、
- 調号を見て何調かわかる(ハ長調、ト長調、ヘ長調、イ短調)
- ト音記号とヘ音記号の音の高さがわかる
- ハ長調、ト長調、ヘ長調、イ短調のカデンツを覚えていて自在に弾ける
- 簡単なメロディーとバス音の4小節程度を初見で両手で演奏できる
といったことができないと難しいでしょう。
特に3の「カデンツ」は習わなくても曲が弾けるので、趣味でピアノを習っている方は知らないことがあるようです。しかし、「カデンツ」ができないと伴奏づけと聴奏は苦労することになります。
これらが身につくように繰り返し練習しましょう。問題集が出版されているので活用してください。
ピアノ演奏グレード Aコース10級 初見演奏問題集
価格:税込770円
引用:ヤマハミュージックWeb Shop
ピアノ演奏グレードBコース10級 練習問題集
価格:税込1,320円
引用:ヤマハミュージックWeb Shop
ピアノ演奏グレード 10級 即興演奏 Bコース
価格:税込990円
Bコースの伴奏づけの練習書です。
引用:ヤマハミュージックWeb Shop
まとめ
ヤマハグレード10級についてまとめると、
- ヤマハグレード10級は7〜8歳、小学校低学年向け
- 試験にはAコースとBコースがあり、Aコースは演奏力、Bコースは総合的な音楽能力を見られる
- ヤマハグレード10級は音楽の基礎能力が必要なレベル
- 問題集などを使ってレッスンと家で繰り返し練習を行う
ということになります。
ピアノ初級者が基礎を身につけるための目標としてヤマハグレード10級はちょうどよい試験です。ピアノを両手で弾けるようになってきた方は挑戦してみてはいかがでしょう。