ネイルの技術をはかるための検定である「ネイリスト技能検定」は通称「ネイル検定」や「ネイリスト検定」とも言われています。
接客を前提とした技術の向上や、ネイルサロン開業などを夢見て、最上級資格である「ネイリスト検定1級」を目指している方もいるのではないでしょうか。
「ネイリスト検定1級の難易度は高い?」
「ネイリスト検定1級の試験の手順が知りたい。」
「ネイリスト検定1級の持ち物やテーブルセッティングの注意点は?」
このような疑問をお持ちの方に向けて、ネイリスト検定1級の難易度や試験の手順、持ち物やテーブルセッティングについて詳しく解説していきます。後半では試験概要もご紹介しますので、受験を検討されている方はぜひ最後までご覧ください。
目次
ネイリスト検定1級の合格率から見る難易度
試験に挑戦するとなるとまず、合格率や難易度が気になるのではないでしょうか。
ネイリスト検定1級の合格率は35%前後ということで、合格率から考えると難しい検定と言えるでしょう。
検定を主催している「JNEC 公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター」では、各級で求められるレベルを以下のように定めています。
1級トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識。
2級サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術及び知識。
3級ネイリストベーシックのマスター。ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識。
引用:JNEC 公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター
2級でもプロの技術として認められており、実際にサロンの求人も2級があれば採用されるケースが多いのですが、1級に求められるのはプロの中でもトップレベルの技術。
お客様を相手にしていることが前提なので、細かいミスも減点や失格の対象となってしまいます。どれだけ技術が高くても、試験会場の雰囲気や緊張感から、普段しないようなミスで失格になる場合もあるのです。
実際に受験された方からは、やはり難しいという声があります。
んー…
私はネイリスト検定3級、2級
ジェル検定初級、中級、上級は1発で受かってます😏👍
今1級の合否待ちですが、これは100%落ちてますww
1級は桁違いに難しいです😭💦— わしじゃ🤪 (@washija6327) July 9, 2021
🟨10/16❷(RT審査)
ネイリスト検定1級
無事時間内に終わりました💅試験って
1級となると本当に難しいですよね😊
お疲れさまぁ💗
まだまだ勉強不足だと実感してるので
また諦めずに取れるまでがんばるよ✨#Kステ2021 #ミクチャ #ネイリスト検定1級 #ネイリストインフルエンサー pic.twitter.com/jygAw4iv8D— ちほちゃん🍍💙K-STAGEでグランプリとる🏆ファイナル~12/12 (@chiho_18) October 16, 2021
ネイリスト検定2級や、ジェルネイル検定の最上級資格である上級を持っていたとしても、難しい試験だということが分かります。
試験合格のためには、審査基準に基づいた実践練習の積み重ねが必須となるでしょう。
ネイリスト検定1級の手順
ネイリスト検定1級の実技試験は、150分で
・アクリルを用いたネイルイクステンション(スカルプチュアネイル、チップオーバーレイ)
・ネイルアート
の施術を行います。
施術の手順は、作業スピードや仕上がりにも影響してくるので、手順を再度確認して時間内に終わるように練習しましょう。人によって細かい手順は若干変わってきますが、今回は参考までに1例を紹介します。
①手指消毒
②サンディング
③プライマーで油分除去
④チップを貼ってカット(チップオーバーレイの準備)
⑤チップオーバーレイ アプリケーション(2本)
⑥スカルプチュア アプリケーション(5本)
⑦アウトラインを整え、表面を削る
⑧磨き上げ、ダストオフ
⑨アートチップ装着、3Dアート
⑩仕上げ、最終チェック
それでは、①~⑩の手順を詳しく見ていきましょう。
①手指消毒
自分の手→モデルの手の順で行います。
必ず擦式清拭消毒を行ってください。擦式清拭消毒とは、コットンやガーゼに消毒液を染み込ませ、手や指の汚れを拭き取りながら消毒していく方法です。
落としてしまった用具などを消毒するとき以外は、手に直接スプレーするのは禁止となっています。
②サンディング
全体をムラなくサンディングします。モデルの手を傷つけないように、必ず皮膚を保護しながら行いましょう。
最後まで爪に傷が残ってしまうのを避けるため、粗すぎるファイルやバッファーはできるだけ使用しないでください。試験では大体150以上を使っている方が多いです。
後の作業に影響が出ないよう、バリが出てきたら必ず取り除くのも重要になります。
③プレプライマーで油分除去
プレプライマーを塗って、爪の油分や水分を除去します。
トレーニングハンドの場合は、この工程を省いても大丈夫です。
④チップを貼ってカット(チップオーバーレイの準備)
プライマーを塗って、ハーフチップを装着します。この時グルーを塗りすぎると接着スピードが遅くなったり、グルーがはみ出したりするので、グルーの量は最小限にしてください。
チップは、爪に沿ってまっすぐ装着することを意識しましょう。事前にモデルの爪に合わせてチップを調整しておくことがポイントです。
装着したら丁度いい長さにカットしますが、短く切りすぎないように注意してください。
カットしたら、装着部の段差などを整えるためにファイルをかけておきます。
⑤チップオーバーレイ アプリケーション(2本)
ミクスチュアを乗せる前に、軽くリキッドを塗っておきます。
ここから1ボール(フリーエッジ)→2ボール(ハイポイント)→3ボール(キューティクル付近)の順でミクスチュアを乗せていきます。チップの厚み分を考慮して、1ボール目は少なめにとったほうがいいですね。
硬化を待つ間に次の工程の準備をし、硬化したら形を保つためにピンチングを行います。
⑥スカルプチュア アプリケーション(5本)
事前にモデルの爪に合わせてカットしたフォームを装着し、ミクスチュアを乗せて長さを出していきます。フォーム装着時点で、フォームと爪との間に隙間ができないように注意してください。
厚みや長さが均一になるように確認しながらの作業です。ここでは5本仕上げていくことになるのですが、それぞれのフォーム装着のタイミングなどは自分がやりやすいように行いましょう。
硬化したらピンチングも忘れずに行います。
⑦アウトラインを整え、表面を削る
アウトラインや表面に凹凸が出ないようにファイルで整えていきます。先端の形(スクエアオフ、スクエア等)も均一になるように削りましょう。
最初のサンディングと同様、ファイルやバッファーはグリッド数が粗め→細かめの順で削っていきます。
ファイルする回数を左右で同じになるように意識すると、形が整いやすくなります。
⑧磨き上げ、ダストオフ
爪にしっかりと圧をかけてシャイナーをかけていきます。
キューティクル回りなど端の部分は磨きが足りないことが多いので、角度を変えながら全体に光が出るように磨いていきます。シャイナーは1本では足りないと思いますので、予備も含めて複数用意しましょう。
磨き終わったら、フィンガーボールなどでダストを落とします。
⑨アートチップ装着、3Dアート
アートチップを指定の指に装着し形を整え、アートのベースとなるポリッシュを塗布。
ポリッシュが乾く間にテーマに沿った3Dアートを作り、3Dアートの硬化を待っている間、チップのほうにフラットアートやエンボスアートを施していきます。
最後に3Dアートを乗せて、トップコートで仕上げましょう。
⑩仕上げ、最終チェック
フィンガーボールで再度ダストなどを落とし、全体のバランスを確認します。
つやが足りない部分は、残り時間を使って磨いていきましょう。最後に細部のダストをふき取り完成です。
いかがでしょうか。時間配分も施術者によって変わってきますが、一番時間がかかるのはやはりスカルプチュアアプリケーションと、ファイルからシャイナーまでの磨きあげ工程になると考えられます。
全ての手順を時間内に終えるには、アートチップの作業に入る前に、アプリケーションまでの手順が2時間以内に終わっているのが理想ですね。
残りの30分はアートネイルと最終チェックに残しておきましょう。
アクリルネイル未経験者は、文字だけでは分かりにくいと思いますので、ネイリスト技能検定1級のテクニック講座動画もチェックしてみてください。チップオーバーレイ、スカルプチュアそれぞれの手順がよく分かります。
こちらは、アートネイルの参考になる動画です。ぜひ参考にしてみてください。
上手い人のテクニックは、どんどん見て盗んでいきましょう。
ネイリスト検定1級の持ち物や事前準備
ネイリスト検定は実技試験と筆記試験が同日に行われます。
実技試験の準備は万全でも、受験票や筆記用具などをうっかり忘れるといけません。試験では、持ち物の貸し借りが一切禁止です。絶対に忘れ物がないように注意してください。
試験当日に必要な持ち物は以下の通り。
・受験票(必ず写真を貼る)
・実技試験に必要な用具一式(予備の材料なども各自準備)
・鉛筆かシャープペンシル(HBまたはB) サインペンなどは不可
・消しゴム
また、1級の実技試験は手順を見て分かる通り、必要な道具が非常に多いです。試験当日の施術がスムーズにできるように、事前に必要な仕込みもあります。ここからは実技試験の道具と、事前の仕込みについて解説していきます。
ネイリスト検定1級の実技試験に必要な道具
実技試験で使うものはアクリルスカルプチュアネイル、アートネイルの道具一式。2級までとは異なる道具が必要になります。数がかなりい多いので、きちんと把握しておきましょう。
ネイリスト検定では、品目ラベルを張る道具のほか、持ち込み禁止の用具なども細かく定められているため、詳しくは試験要項ご確認ください。
必要な道具は以下の通り(太赤文字は品目ラベルを貼るもの)
容器類
・トレー
・フィンガーボール
・携帯用ポット(フィンガーボールに追加するお湯入れ)
・メンダディスペンサー
・ファイルたて
・ダッペンディッシュ
・コットン容器(蓋つき)
・ウェットステリライザーの容器
・水を入れる容器
・その他、道具の小分けに必要な容器など
ウェットステリライザーに入れる用具
・アクリルニッパー
・キューティクルニッパー
・ウッドスティック
・ピンセット
・メタルプッシャー
タオル、アームレストなど
・タオル
・ガーゼ
・コットン
・ペーパータオル
施術道具
・ハーフチップ(必要枚数+予備)
・フォーム(必要枚数+予備)
・ファイル類(スポンジバッファー、シャイナー、エメリーボード等含む)
・ダストブラシ
・ネイルブラシ
・プレプライマー
・プライマー
・アクリルパウダー
・アクリルリキッド
・グルーorレジン
・アクティベーター
・リムーバー(アセトン)
・アート用ポリッシュ
・トップコート
・アート用アクリル絵の具
・アルミ
・キッチンペーパー
・筆類(スカルプチュア用、アート用など)
・Cカーブスティック
その他
・ゴミ袋
・消毒液
・液体ソープ
・セロテープ
・タイマー
・マスク
・アイガード
ネイリスト検定1級では、通常ハンドモデルを同伴しますが、期間限定装置によりトレーニングハンドでの試験が行われることがあります。
トレーニングハンドを持参する場合は、左右とも品目ラベルを貼っておきましょう。
自分の使い慣れている道具が一番いいと思ますが、あくまでもお客様に提供できるレベルの道具を準備してください。受験を決めた時点で道具を見直し、新調したものは試験までに使いこなせるように練習するといいですね。
ネイリスト検定1級試験前の仕込み
実技試験で必要な道具の中には、先ほど紹介したように品目ラベルを必ず貼るものの他にも、事前に仕込みや準備が可能なものもあります。
事前にできる準備は以下の通りです。
・試験本番で使用するハーフチップ選び、形を整えサンディングしておく。
・アート用チップの裏に接着テープを貼っておく。
・フォームをモデルの指に合わせてカットしておく。
・モデルの爪を整えておく。
チップオーバーレイに使用するハーフチップの選び方と整え方は、こちらの動画を参考にしてください。
装着するチップやフォームが爪の形と合っていないと仕上がりにも影響しますし、細かい調整で時間ロスにもつながります。施術をスムーズに行うためにも、チップやフォームの下準備は事前に済ませておきましょう。
また、甘皮の処理などモデルの爪のケアも事前に済ませておいてください。
通常、施術するハンドモデルは各自で選んで同行してもらいます。施術中にモデルが動いてミスをしたり、モデルの携帯が鳴ってしまうなどのハプニングが起こるかもしれません。
試験中の私語もチェックされ、例えば「チップがずれてるよ」「はみ出ているよ」などの発言はカンニング行為とみなされ、失格対象になってしまいます。
そのような事態を避けるためにも、モデルをお願いする時点で、試験の注意点などを十分に説明してくことが大切です。
練習の時から同じ方にお願いすれば、施術中の指の動かし方やタイミングなども合わせることができるので、モデルは早めに決めておくといいですね。
ネイリスト検定1級のテーブルセッティング
実技試験の事前審査ではテーブルセッティングの状態も審査されます。ここで減点されてはもったいないので、正しいテーブルセッティングを覚えて試験に臨みましょう。
テーブルセッティングでは、以下の表のように左側、中央、右側のエリアに分けてセッティングするものが分かれています。
左 | 中央 | 右 |
・テーブルの端に受験票を置く
・フィンガーボール、携帯ポットに入れたお湯、水の入った容器などを直置きで配置 ・タオル、ガーゼ、ネイルブラシをトレイに入れて配置 |
・タオルを敷いた上にペーパータオルを引く
・モデル側にタオルを巻いたアームレストを配置 |
・ウェットステリライザー、筆、ファイル類、ネイル塗料類、チップ、フォーム等施術に使用する道具を配置
・上記道具をすべてトレーの中に入れる(トレー内の配置は自由) ・受検者側にごみ袋を設置(セロテープ等で止める |
中央配置のタオルの敷き方には規定があり、公式ページで良い例と悪い例を紹介しているので、そちらもご確認ください。
右側のテーブルセッティングのトレー内は自由に配置しても大丈夫ですが、1級試験で定められている実技採点基準を考慮しながら配置してください。
実技試験の事前審査では、衛生面もチェックされます。「ファイルたてにダストが溜まってる」「ウェットステリライザーの中の消毒液が足りない」などといった細かいところまで見られているのです。
全ての級で共通して必要なウェットステリライザーに不備がないことはもちろんのこと、トレーなどの容器も含めた全ての道具を清潔に保ち、ファイルなどの消耗品は必ず新しいものを準備しておきましょう。
テーブルセッティングのイメージがわかない方は、こちらの動画もご確認ください。
※トレーニングハンド受験のものです。
持ち物についても詳しく解説しているので、道具の用意で困っている場合にも役立ちます。
ネイリスト検定1級でよくあるミス
ネイリスト検定1級は、素人目では分からないような部分まで厳しく採点されています。ただでさえ審査項目が多いのに、普段しないようなミスを犯して減点されてしまうことは絶対に避けたいですよね。
あらかじめ、ネイリスト検定1級でよくあるミスや減点されるポイントを知って、思わぬミスを防ぎましょう。
よくあるミスの例は以下の通りです。
チップがまっすぐ装着できていない
厚みが均一でない
サイドストレートが真っすぐでない
気泡が入ってしまう
ハイシャインが足りない
時間オーバー
このような失敗は、単なる技術不足と思われるかもしれませんが、試験会場の雰囲気にのまれて、いつものパフォーマンスができないことも関係しています。
アクリルネイルは高い技術が必要なので、当然練習はたくさんしていると思いますがそれ以上に、試験会場で焦らず、丁寧に確実に手順を踏んでいくことがミスを減らすコツです。
実技は特に長時間になるので、前日はしっかり睡眠をとって、試験当日に集中力を切らさないようにしましょう。
また、時間オーバーを防ぐために、通し練習は数回行ってください。最低でも3回、試験まで時間があれば何回でも練習してください。
ネイリスト検定1級の試験対策
年に2回しかチャンスがなく、必要な準備もたくさんあるためできれば1発で合格したいですよね。
ネイリスト技能検定には実技試験と筆記試験において
実技試験は50点満点中38点以上(7.6割以上)
筆記試験は100点満点中80点以上(8割以上)
と、このように高い合格ラインが設定されています。最初に申し上げた通り難易度が高いため、きちんと対策しなければ合格はできません。
とはいえ、どのように勉強したらよいか悩む方もいらっしゃると思うので、筆記と実技の対策を紹介していきたいと思います。
筆記試験の対策
筆記試験の対策には、JENCが監修している公式問題集を活用するのがおすすめです。
ネイリスト技能検定試験 公式問題集
引用:Amazon
販売価格 4,400円
こちらの問題集は、ネイリスト技能検定の申し込みから合否までの流れ、マークシートの見本と解答、試験の注意事項などが載っており、3級から1級までこの一冊で対応できます。
3級受験の時にすでに購入している方も多いと思いますが、問題集の問題がほぼそのまま出たという声もあるので、まだ持っていない方もぜひ筆記試験の対策に活用しましょう。
日本ネイリスト検定試験センターのサイトでも注文できます。
実技試験の対策
最近の主流はジェルネイルで、素人の方でも趣味でジェルネイルを習得している方が多いです。しかし、アクリルネイルはジェルよりも技術が必要なので、独学だけで合格するのは難しいかもしれません。
試験に合格するためには、サロンで働きながら技術を磨いていくか、ネイルスクールの検定対策講座などの利用がおすすめです。
JNA(日本ネイリスト協会)では、ネイリスト育成のカリキュラムや施設設備に「安心・信頼」のための基準を設け、その基準を満たしたスクールを「JNA認定校」として定めています。
今回はそのJNA認定校が行っている検定対策コースをいくつかご紹介します。
受講時間 39時間(全13回)
受講料 92,400円(割引適用価格)
月曜~日曜日に、午前、午後、夜間の3枠の中から好きな時間にレッスンを受けられます。仕事や子育てなど、自分の都合に合わせて受講できるのが魅力です。
受講時間 15時間(3時間×5回)※追加可能
受講料 51,150円
受講対象者は経験者のみとなっておりますが、それだけハイレベルな授業になると考えられます。モデルの爪に合わせた指導や、タイムトライアルなど実践的な内容です。
アフロートネイルスクール福岡博多校 JNECネイリスト技能検定対策講座
受講回数 3時間×18回(54時)
受講料 93,500円(割引適用価格)
モデルの選び方や合格のコツを学び、検定に向けて集中的に対策します。検定の試験官を務める方が講師なので、審査基準をもとに指導してもらえます。
このほかにもスクールは全国にあるので、日本ネイリスト協会 JNA認定校をチェックしてみてください。
既に2級を取得済みで、これから1級を目指す方は、上記のような対策講座で自分の苦手な部分を集中的に対策しましょう。
もちろん講座で学んで終わりではなく、技術の向上にはとにかく練習の積み重ねが大切です。そこで一つ、普段の練習で意識してほしいのが「気温、湿度が違う環境で練習をする」こと。
アクリルネイルの硬化スピードは気温や湿度によって変わります。
試験会場は当然いつも練習している場所とは環境が変わるので、練習と全く同じパフォーマンスは出せないと考えてください。
どんな環境でも焦らないように、例えば「練習の時間帯を変える」「室温を調整する」「雨の日に練習する」など様々なシチュエーションで練習をしていきましょう。
ネイリスト検定1級の試験概要
ネイリスト検定の試験は準備物や試験の工程が多いため、試験について疑問点が出てくるかもしれません。
しかし、検定試験センターでは試験に関しての質問は受け付けていないので、まずは試験要項を熟読し、それでも分からない場合は自分で調べる等の対応をしましょう。
2級と3級は年に4回、1級は年に2回と回数が少なくなります。実技試験に向けての勉強や練習は特に時間がかかるので、試験日から逆算し、余裕をもって準備しておくといいですね。
試験概要は以下の通り。
受検資格 | ネイリスト技能検定2級合格者 |
試験日程 | 春期(4月) 秋期(10月) |
受験料 | 12,500円 |
試験会場 | 札幌、盛岡、仙台、東京、名古屋、新潟、金沢、大阪、広島、高松、福岡、沖縄 |
試験内容 | 実技試験、筆記試験(マークシート方式) |
実技試験範囲 | ネイルイクステンション(スカルプチュアネイル、チップ&オーバーレイ)、ネイルアート ※テーブルセッティング等の事前審査あり |
筆記試験範囲 | ネイルの歴史/衛生と消毒/化粧品学(材料、内容成分、効果等)/爪の構造(皮膚科学)/爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)/ネイルケアの手順 / イクステンションの手順 / その他実践的施術全般 / プロフェッショナリズム 等 |
試験時間 | 下記表に記載 |
更に詳しく知りたい方は、JNEC 日本ネイリスト検定協会 試験概要から試験要項をご確認ください。(夏期、冬期の前は1級の試験要項が表示されません。)
ネイリスト検定1級の試験時間ですが、実技試験と筆記試験が同日に行われ、約5時間と長丁場になります。試験要項や受験票に記載されているタイムスケジュールをしっかりと把握して試験に臨みましょう。
参考までに、2021年秋(10月)の試験要項に記載されていたタイムスケジュールをご紹介します。
11:30 | 開場 | |
12:15-12:25 | 出欠確認・事前審査 | 10分 |
12:25-15:05 | 実技試験 | 160分 |
15:05-16:05 | 実技審査 | 60分 |
16:05-16:20 | 筆記試験準備(道具の片付け時間含む) | 15分 |
16:20-17:00 | 筆記試験 | 40分 |
17:00 | 終了 |
ご覧の通り、試験の流れが細かく設定されています。
当日アナウンスはあると思いますが、スケジュールはきちんと把握して自分で動けるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで、ネイリスト検定1級の難易度や試験の手順、持ち物やテーブルセッティングについて解説してきましたが、まとめると、
・ネイリスト検定1級の難易度は高い。
・ネイリスト検定1級の実技試験はアクリルネイル施術なので、手順がかなり多い。
・ネイリスト検定1級は2級までとは違う持ち物が入るので要チェック。
・テーブルセッティングも審査対象。衛生的にセッティングする。
となります。
最近のサロンではジェルネイルが主流になっており、アクリルネイルの技術は必要ないという意見もあります。
ですが、アクリルの技術はジェルネイルにも応用ができるので、ネイリスト検定1級取得者はサロンでも非常に重宝されているのです。
ネイリストとしてのキャリアアップ、技術の更なる向上を目指すのであれば、これを機にネイリスト検定1級に挑戦してみてはいかがでしょうか。