ネイリストとして今現在働いている方も、趣味としてネイルをやっている方も、スキルアップのために検定を受けてみようと思ったことがあるかもしれません。
いくつかある検定の中でも、最も知名度の高いネイリスト検定を受けてみたいと思った人は多いのではないでしょうか。
といった方のために、
「ネイリスト検定は独学でも勉強できるの?」
「ネイリスト検定を受ける際、道具は何を揃えればいい?」
「ネイリスト検定の過去問ってどんなのがある?」
といった疑問について解説していきます。
目次
ネイリスト検定とは
まず、ここからはネイリスト検定について、簡単にどういった検定なのか説明していきます。
ネイリスト検定は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターが実施している、正式名称「ネイリスト技能検定」のことです。2021年現在、約86万人の人が受けています。
検定には3級、2級、1級の3段階があり、春夏秋冬の年4回(1級は春秋年2回)試験が開催されています。
それぞれの級のレベルはこのようにわかれています。
3級 ネイリストベーシックのマスター。ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識。
2級 サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術及び知識。
1級 トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識。
このように級が上がるに連れて難易度が上がっていきます。
それぞれの受験資格と受験料はこのようになっています。
受験資格 | 受験料(税込) | |
3級 | 義務教育終了後であれば誰でも受験可能 | 6800円 |
2級 | 3級合格者 | 9800円 |
1級 | 2級合格者 | 12500円 |
この表からもわかるように、最初から1級や2級を受験することはできず、3級から順番に受けていくことになります。
ネイリストとして働くのに必須の資格というわけではありませんが、2級取得を条件としているネイルサロンもあるようです。
就職の条件にはなくても、級を保有していると自分の持っているスキルをアピールできるいいチャンスになりますね。
ネイリスト検定はどの級まで独学可能?
独学で、ネイル検定3級を取得するのは、難しいでしょうか?
引用 ヤフー知恵袋
ネイリスト検定を受ける場合、まずは3級から挑戦することになると思いますが、どの級まで独学で勉強できるのでしょうか。
実際インターネット上にはこのような声が出ています。
私は3級は独学で勉強して受験しました。一発で合格出来ました。
引用 ヤフー知恵袋
2級のチップラップは微妙な角度や力加減で仕上がりが違ってくるので、独学や通信で合格するのは困難です。 3級は用具の使用法と一連の流れが出来れば合格レベルの趣味の延長で取れるのですが、2級からはお客様に技術提供出来るレベルになるので、ケアやカラーリングの審査基準も厳しくなり、独学や通信で挑戦される方の合格率は一気に下がります。
引用 ヤフー知恵袋
実際に受けた人の声にあるように、3級までは独学でも勉強できるようですが、2級から一気に独学では受かりにくくなるようです。
これは、実際の試験内容に関係してきます。なぜかというと、どの級も共通して筆記試験と実技試験を行うからです。
筆記試験だけなら独学でも可能かもしれませんが、実技試験、特に2級以上になると、高度な技術が必要となり、自分だけでやっていても、気づかないうちに減点や失格対象となる行為を行っている可能性があるからです。
スクールに通って、講師から直接指導を受けていれば、間違っているところや直したほうがよいところを指摘してもらうことができます。
そのため、基本的な知識や技術を問う3級は合格できても、2級以上になると独学での合格率が下がるようです。
独学、スクールに関わらず、3級の合格率は84.22%、2級の合格率は41.23%と、かなり下がります。
ネイリスト検定の試験内容
では実際に行われる試験ですが、1~3級全て
・筆記試験
・実技試験
の2種類が行われます。
ここからは、それぞれの試験内容について紹介していきます。
筆記試験
筆記試験は、どの級も選択式、マークシートですが、内容や時間が異なります。
3級
試験時間30分
衛生と消毒、爪の構造、爪の病気とトラブル、ネイルケアの手順等
2級
試験時間35分
3級の内容+ネイルの歴史、リペアの種類及びチップ&ラップの手順、その他実践的施術全般、プロフェッショナルリズム等
1級
試験時間40分
2級の内容+化粧品学、イクステンションの手順等
実技試験
実技試験も級により時間は異なりますが、事前審査で、テーブルセッティングなどのチェックが行われます。
3級
事前審査10分
テーブルセッティング&消毒管理、モデルの爪の状態
所要時間70分
ネイルケア、カラーリング、ネイルアート
2級
事前審査10分
テーブルセッティング&消毒管理、モデルの爪の状態
所要時間90分
前半35分 ネイルケア
後半55分 チップ&ラップ、カラーリング、ネイルアート
1級
事前審査10分
テーブルセッティング&消毒管理、トレーニングハンドのチップの状態、チップ(ミックスメディアアート用)の状態
所要時間160分
ネイルイクステンション(スカルプチュアネイル、チップ&オーバーレイ)
ネイルアート(ミックスメディアアート)
詳しくは公式ホームページに試験要項が掲載されていますので、受験する際には熟読してください。
採点については、
・実技試験は50点満点中38点以上
・筆記試験は100点満点中80点以上
で合格となります。
ただし、先程あげた審査基準には、減点対象や失格対象もあり、技術の他、ゴミを持ち帰らない、私語が多い、遅刻をするなど、基本的なマナーができていないだけでも失格となることがあります。
公式ホームページには審査基準も明記されていますので、必ず目を通しておきましょう。
ネイリスト検定に必要な道具は?
「早速、ネイリスト検定の勉強をしたいけど、何を揃えればいいの?」
「テーブルセッティングって、何が必要?」
という方のために、ここからは検定に必要な道具を紹介していきます。
3級で必要な道具
まずは、3級で必要な道具です。こちらで使うものは2級以降も必要となりますが、級によっては実技の内容により使用不可のものもあるので、注意してください。
- 消毒剤※ 消毒用エタノールまたはその他の消毒剤
- ウェットステリライザー※ ◎印の用具をすべて立てていれる(アルコールで変質する容器は使用禁止)
- ◎ウッドスティック
- ◎ピンセット
- ◎キューティクルニッパー
- ◎メタルプッシャー
- ファイル立て
- エメリーボード グリット数は180Gがおすすめ
- コットン※
- コットン容器(蓋付き)
- ポリッシュリムーバー※
- 液体ソープ※
- キューティクルリムーバーまたはクリーム※
- プレプライマー※
- ベースコート※
- カラーポリッシュ※ 3級は真赤でパールやメタリック入りはNG
- トップコート※
- フィンガーボール
- トレイ
- 水を入れた容器 ガーゼを湿らせるのに使用
- アート用水入れ
- ネイルブラシ
- ダスト用ブラシ
- ゴミ袋、セロハンテープ
- アームレスト
- ペーパータオル
- ガーゼ
- タオル テーブルに敷く用と手拭き用
- お湯 保温用の水筒などに入れておくと便利
- タイマー
- アクリル絵の具
- アート筆
- 絵の具用パレット
- ラメ、ラインストーン(アートに使用する場合)
※は、検定の際、品名ラベルを貼るものです。
こちらでは、良い並べ方、悪い並べ方の例を見ることができます。
2級で必要な道具
2級では、3級で使用するテーブルセッティング以外に、チップ&ラップで使用する道具が必要となります。
- ポリッシュ(指定された色)※
- シルク※またはグラスファイバー※
- グルー※
- フィラー※(アクティベーターがあれば不要)
- レジン※
- アクティベーター※スプレータイプ
- ナチュラルチップ
- シャイナー
- シザー
- チップカッター
- ウォッシャブルファイル
※は、検定の際、品名ラベルを貼るものです。
ポリッシュのカラーは、毎回指定の色が変更になるため、必ず試験要項を確認してください。
1級で必要な道具
新型コロナ感染予防措置のため、期間限定でモデル同伴からトレーニングハンドの使用に変更されていますので、注意しましょう。
3級、2級の道具に加え、ネイルイクステンション、ミックスメディアアートに使用する道具が必要となります。
- トレーニングハンド※右手、左手の記入をしておく
- アクリルパウダー※
- アクリルリキッド※
- プライマー※
- アセトン※
- ブラシクリーナー※
- バッファー
- Cカーブスティック
- ダッペンディッシュ
- 針金(アートに使う場合)
- ネイルフォーム
- プレスオンチップ
※は、検定の際、品名ラベルを貼るものです。
1級では、アートによって使用するものが変わりますので、各自で選んで持参しましょう。
使用禁止の道具
一方で、使用禁止の道具もあります。こちらは検定を受ける際にはテーブルに出さないよう注意しましょう。会場内に最初から持ち込まないほうがよいかもしれませんね。
- ストーンプッシャー
- セラミックプッシャー
- ネイルマシーン
- シャーミー(革製)バッファ
- 爪磨きシート
- オイル
- グリセリン
- 食品容器
- 台所用品全般
- その他規定外の用具、用材
- アート用ステッカー(アートシール)
- ドットペン(マーブルツール)
- 電気ドリル
1級では、3級、2級で使用したキューティクルクリームが使用禁止なので、注意しましょう。
道具の購入方法
「こんなにたくさんの道具を揃えるなんて、それだけでも挫折しそう」
なんて声が聞こえてきそうですね。
メーカーなどの指定がないため自分で使いやすいものを選んでも構わないのですが、どれを買えばよいのかわからないという人は、初めはこんなセットになっているものを買うのもよいかもしれません。
慣れてきたら、自分で使いやすいものを少しずつ買い足してもよいですね。
引用 MsNail 厳選27アイテム★初めての検定セット (3級対応)
ただし、アート用品は別売りのため、そちらは別に揃えなければいけません。
また、2021年現在、新型コロナ感染予防対策のために、マスク、フェイスシールドまたはアイガードが、受験者、モデル共に必須なので、受験時には忘れないよう注意しましょう。
受験時に必要な持ち物も、こちらに記載しておきます。
- 受験票(写真付き)
- 鉛筆またはシャープペンシル(HBまたはB)
- 消しゴム
- マスク
- フェイスシールドまたはアイガード
ネイリスト検定の過去問はある?
受験をするとなると、どんな試験でも過去問は必須ですが、ネイリスト検定に関しては、過去問題集は発売されていませんし、公式ホームページに公開もされていません。
では、家で独学で勉強する場合、どのように勉強すればよいのでしょうか。
公式問題集
そこで必須となるのが、こちらの日本ネイリスト検定試験センターから発行されている公式問題集です。過去問はありませんが、ネイリスト検定の筆記試験はこちらの問題集から出題されると明記されています。
この公式問題集は、1〜3級まで全ての級に対応しており出題範囲が全て含まれているので、これ1冊で筆記試験対策が可能です。
そのため、試験を受ける際はこの問題集を全て覚えるくらいに繰り返し解くのがポイントです。
公式問題集以外に使えるテキスト
ここからは、公式問題集以外に検定の勉強に使えるテキストをいくつか紹介します。
時間に余裕がある方は、公式問題集以外にプラスして、テキストも使っても良いでしょう。
今から紹介する3冊は、公式問題集のようにこの中から問題が出題されるわけではありませんが、ネイルの技術等が学べるため、知識をつけるには役に立つでしょう。模擬試験も掲載されているため、テキストで覚えた内容をどれだけ身に着けているか確認することも可能です。公式問題集を丸暗記するだけではなく、知識として身に着けることで、実際に実技試験を行う際にも役立ちます。
こちらは、日本ネイリスト協会が発行しているネイリスト技能検定3級、2級に対応のテキストです。ネイリストとして必要な基本的な技術や理論を学ぶことができます。
ベーシックの続編として、さらにプロとして必要とされる技術、知識を学ぶことができるテキストです。ネイリスト検定1級に対応しています。
こちらの本のように、1~3級まで全て1冊にまとめられたテキストもあります。
引用 Amazon
でも、道具を揃えるのにお金がかかるのに、テキストをいくつも揃えるのは大変ですよね。
そのような場合には、You tubeで試験当日の流れや、実技試験を実際に試したものがありますので、こちらを見て勉強するのもよいでしょう。
実技試験は試験時間をすぎてはいけないため、時間配分をきちんと考えておかなければいけません。そのためにも、繰り返しの練習が必要となります。
まとめ
ここまで、ネイリスト検定について紹介してきました。
・ネイリスト技能検定は3級まで独学可能
・道具の種類は多いが試験要項で確認が可能
・筆記試験は、公式問題集から出題される
・実技試験は、テキストや映像を見て繰り返し練習するのがおすすめ
いかがでしたでしょうか。
独学で勉強するのは、スクールに通うのに比べ、実技を習うことができないので、難しいかもしれません。
それでもお金をかけずに勉強することができ、自分のペースで進めることができます。
日中は仕事がある方、小さいお子さんがいてスクールに通うのは難しい方など、独学でネイリスト検定を受けたい!という方の参考になれば幸いです。