就職や仕事に活かすため、パソコンに関する資格取得に関心がある人も多いと思います。
そんな中でも実務に活かせる内容で、信頼も厚い資格と言えば日商PC検定です。
そんな資格なら、1級を取得したいと考える方も多いと思います。
日商PC検定の受験を検討している方だけでなく、あまり知られていない資格でもあるため、
「日商PC検定ってどんな資格?」
「どうせなら1級取得を目指したいけど難易度ってどのくらい?」
「独学で合格できる?」
といった疑問が出てくると思います。
そこで今回はそんな方に向けて
・日商PC検定
・日商PC検定の難易度と合格率
・日商PC検定は独学合格可能か
について解説していきます。
日商pc検定1級とは?
では最初に日商PC検定とはどんな資格なのか解説していきます。
日商PC検定とは、日本商工会議所が主催するパソコンを使ったビジネスの資格です。
パソコンを使って効率的に仕事ができることを証明する資格で、民間資格と国家資格の間にあたる公的資格になります。
数あるパソコン資格の中でも、実務に活かせる内容が多いのが特徴で、企業や教育機関からも高い評価・信頼を得ています。
また、日商PC検定は前身の「日本語文書処理技能検定試験」と「ビジネスコンピューティング検定試験」を統合・進化させた資格で、より現代に求められるスキルを身に付けることができるようになりました。
日商PC検定には、3つの分野があり、それぞれ独立した試験になります。
①文書作成(Word)
②データ活用(Excel)
③プレゼン資料作成(PowerPoint)
資格はbasic、3級、2級、1級の4段階に分かれていて、それぞれ知識科目と実技科目の2科目があります。
個人のレベルに合わせて分野ごとに違う級を受験することもできます。
1級はその中でも最も難易度の高い級で、公式ホームページでは合格に必要なレベルを以下のように定義しています。
・必要な情報を入手し、業務の目的に応じた最も適切で説得力のあるビジネス文書、資料等を作成することができる。
・自ら課題やテーマを設定し、業務データベースを各種の手法を駆使して分析するとともに、適切で説得力のある業務報告・レポート資料等を作成し、問題解決策や今後の戦略・方針等を立案する。
・与えられた情報を整理・分析するとともに、必要に応じて情報を入手し、明快で説得力のあるプレゼン資料を作成することができる。
日商PC検定1級の詳しい試験概要は以下の通りです。
科目 | 知識(論述)と実技 |
時間 | 45分間:知識(15分)実技(30分) |
方法 | ネット試験 |
会場 | 全国 |
日程 | 主に日曜日 |
受験料 | 10,480円(税込) |
受験資格 | 誰でも受験できる |
合格基準 | 各科目70点以上 |
日商PC検定1級の難易度は?合格率についても解説
気になる日商PC検定1級の合格率は、30.6%です。(3分野合計)
一見合格は難しいように思えますが、資格の1級では決して低い数字ではありません。
日商PC検定と同じ商工会議所が主催する日商簿記1級の合格率は8~13%程度、パソコンに関する資格のP検定1級では29.2%です。
このように1級はどの資格でも合格率は低く、日商PC検定が特別低いわけではありません。
しかし、試験内容易しいということではありません。
1級の試験内容について公式ホームページでは以下のように解説されています。
企業実務に必要とされる実践的なIT・ネットワークの知識、スキルを有し、ネット社会のビジネススタイルを踏まえ、企業責任者(企業責任者を補佐する者)として、経営判断や意思決定を行う(助言する)過程で利活用することができる。
このように試験の内容は深い専門知識が必要で、なおかつそれを説明するスキルが必須です。
そのため試験の難易度は非常に高いと言えます。
難易度の高さは、2級までとは違い、論述式の知識問題であること、1級公式テキストがないことなども理由です。
また、3分野とも知識、実技の2科目ともに70%以上正解で合格となります。
1級の合格ラインについて、商工会議所公式ホームページでは以下のように解説されています。
1級の知識科目では、2・3級までで学んだ知識をもとに、いかに正確に、かつわかりやすく説明できるか、が問われます。実技科目では、与えられた課題や問題文に示された要求を読み取り、いかにうまく相手に伝えられる企画書や提案書などを作成できるか、が問われます。
このように、知識だけではなくそれを限られた時間内で正確に説明するスキルが求められます。
2級、3級の知識が身についている前提での試験となるため、より高度な問題が出題され難易度も高くなります。
各分野ごとに詳しい試験内容は以下の通りです。
文章作成1級
文章作成の試験内容は知識(論述式)30分と実技60分です。
wordをビジネスの場で活用できるレベルを前提として、それを簡潔に説明する能力が求められます。
公式ホームページでは合格のレベルについて以下のように解説されています。
・必要な情報を入手し、業務の目的に応じた最も適切で説得力のあるビジネス文書、資料等を作成することができる。
知識問題は、
・文書の全ライフサイクル(作成、伝達、保管、保存、廃棄)を考慮し、社内における文書管理方法を提案できる
・文書の効率的な作成、標準化・データベース化に関する知識を身につけている
・ネット社会に対応したデジタル仕事術を理解し、自社の業務に導入・活用できる
実技問題は、
与えられた情報を整理・分析し、状況に応じ企業を代表して(対外的な)ビジネスネス文書を作成できる
表現技術を駆使し、説得力のある業務報告、レポート、資料等を作成できる
となっています。
ビジネス文書を指定されたフォーマットで作成することが求めらます。
データ活用1級
データ活用1級の試験内容は知識(論述式)30分と実技60分です。
3分野の中でも最も難易度が高いとされています。
合格レベルは、以下の通りです。
自ら課題やテーマを設定し、業務データベースを各種の手法を駆使して分析するとともに、適切で説得力のある業務報告・レポート資料等を作成し、問題解決策や今後の戦略・方針等を立案する。
知識問題は、
・業務データの全ライフサイクル(作成、利用、流通、保存)を考慮し、社内における業務データの管理方法を提案できる
・ネット社会に対応したデジタル仕事術を理解し、自社の業務に導入・活用できる
・情報セキュリティーやコンプライアンスに関し、社内で指導的立場となれる
等
実技問題は、
・企業実務で必要とされる表計算ソフト、文書作成ソフト、データベースソフト、プレゼンテーションソフトの機能、操作法を修得している
・表計算ソフトの関数を自在に活用できるとともに、各種分析手法の特徴と活用法を理解し、目的に応じて使い分けができる
となっています。
3分野の中でも最も複雑な分野であり、対策には時間を要する分野です。
プレゼン資料作成1級
プレゼン資料作成1級の試験内容は知識(論述式)30分と実技60分です。
3分野の中では最も難易度が低い分野です。
主にPowerPointに関連する内容が出題されます。
公式ホームページでは合格のレベルについて以下のように解説されています。
与えられた情報を整理・分析するとともに、必要に応じて情報を入手し、明快で説得力のあるプレゼン資料を作成することができる。
知識問題は、
・プレゼンの工程(企画、構成、資料作成、準備、実施)に関する知識を第三者に正確かつ分かりやすく説明できる
・プレゼン資料作成、標準化・データベース化、管理等に関する実践的かつ応用的な知識を身につけている
・ネット社会に対応したデジタル仕事術を理解し、自社の業務に導入・活用できる
実技問題は、
・目的を達成するために最適なプレゼンの企画・構成を行い、これに基づきストーリーを展開し、説得力あるプレゼン資料を作成できる
・図解技術、レイアウト技術、カラー表現技術等を駆使して、高度なビジュアル表現により分かりやすいプレゼン資料を作成できる
となっています。
PowerPointを使っての資料作成は、見やすさなども重視されます。
時間内でいかに資料を作り上げるかが求められており、これには慣れも不可欠です。
日商PC検定1級は独学可能?勉強時間はどのくらい必要?
結論から言うと、独学合格は可能です。
公式のテキストを使用して対策を行えば合格することができます。
必要な勉強時間ですが、公式では公開されていません。
個人の持っているITスキルの程度によっても大きく変わるため、一概には言えません。
対策には公式テキストが必要ですが、1級のテキストは存在しないため、2級、3級の公式のテキストが必須になります。
引用 日商PC検定試験(Office 2019/2016) | FOM出版
また、2級の公式テキストには、1級のサンプル問題が収録されています。
現状、1級の問題が収録されているのはこのテキストと公式ホームページのみです。
過去問は公開されていないので、このサンプル問題は必ずチェックしましょう。
2級のテキストを勉強しても1級には論述問題があり、決して易しい試験ではないので更に対策が必要です。
参考として2級合格には60~90時間程度の対策が必要と言われています。
1級にはその知識をさらに深め、説明する能力が求められ、実技でも時間内にレベルの高いものを作りあげなければなりません。
そのため、何度も公式テキストを復習するだけでなく、実技対策として反復練習が必要です。
実技では単純に暗記するだけでは合格は難しく、時間内に指定されたフォーマットに沿って資料を作成しなくてはなりません。
サンプル問題を基に何度も自分で資料を作成してみることが不可欠であり、対策には時間を要します。
そのため、2級合格者であっても最低1か月ほどは勉強時間が必要です。
参考としてSNS上には、日商PC検定2級に1か月で合格したという声があります。
はてなブログに投稿しました #はてなブログ
日商PC検定データ活用2級は独学で1か月勉強すれば合格可能 - みつかることになるhttps://t.co/GKLc5rVqoM— みつかるこ (@mitsukaruko) March 18, 2019
1級には2級までの知識を使って解く問題がほとんどです。
そのため、1級合格には最低でも2か月ほど必要と言えます。
対策講座も数多く開講されていますので、一人での勉強に不安がある方は受講を検討してみてください。
まとめ
今回は日商PC検定1級の試験内容や難易度について解説してきました。
まとめると、
・日商PC検定は商工会議所が主催するパソコンの公的資格
・日商PC検定1級の難易度は高め
・独学合格も可能だが、難易度も高いため対策講座も数多くある
です。
パソコンに関する資格は数多くありますが、その中でも実務に活かせて信頼が厚い資格です。
就職などにも役に立つので、受験を検討している方は是非1級を目指してみてください。