子どもと関わる仕事がしたいという思いを持つ方は多いと思います。
そんな中でも発達障害を持った子供へどう対応したらいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんな中で近年注目されている資格が、発達障害児支援士です。
資格取得を目指している方だけでなく、まだ広く知られいていない資格であるため、
「そもそも発達障害児支援士ってどんな資格なの?」
「発達障害児支援士になるのって難しいの?」
「発達障害児支援士って給料どれくらいなの?」
といった疑問が出てくると思います。
そこで今回は、
・発達障害児支援士とはどんな資格なのか
・発達障害児支援士の難易度
・発達障害児支援士の仕事内容や給料
について解説していきます。
発達障害支援士とはどんな資格?
では最初に発達障害支援士がどのような資格なのか解説していきます。
発達障害児支援士とは、日本発達障害支援協議会の認定資格で、発達障害児へのノウハウに関する資格です。
療育の知識・スキルを体系的に身につけ、発達障害のある人への適切な理解や支援を広げることを目的としています。
公式ホームページには、以下のように記述されています。
国内外で自閉症児教育に50年以上の実績を誇る学校法人武蔵野東学園の先生方が現場で実践され、「本当に効果があった」と認められた発達障害児への支援に関する根本的な考え方と具体的なノウハウをお伝えすべく開発されました。
ここで言う発達障害とは、身体的な障害だけではありません。
具体的には、
・友達にすぐ手を出してしまう
・パニックを起こしてしまう
・相手の気持ちが理解できない
・集団での行動ができない
といった子供への正しい対応を学ぶことができます。
発達障害児支援士は、上記のような具体例を多く取り上げ、役立つ知識とスキルの提供ができるように開発された資格となっています。
そのため、教育の現場にすぐに生かせる資格です。
同じ発達支援に関する資格の児童発達支援士などと比べても、より現場での対応方法に強いのが特徴です。
というのも、発達障害児支援士は、発達障害児教育に関心があれば誰でも講座を受講することはできますが、その中でも、保育園・幼稚園・小学校・放課後等デイサービス・児童発達支援事業などで、既に発達障害のある子どもの支援をしている人を想定した資格だからです。
これから発達障害に関する知識を身に付けたい人と言うよりは、障害児を支援する現場でのノウハウを身に付けたい人向けなんです。
https://twitter.com/4NDJKAxejAraPC0/status/1415829320304529408
気になる試験内容や難易度はは次の項目で詳しく解説していきます。
発達障害児支援士の試験内容は?難易度についても解説
まずは発達障害児支援士の試験内容について解説していきます。
発達障害児支援士は自宅で講義動画を視聴し、課題を提出し、合格することで取得できます。
講義動画は1本15分程度にまとまっていて、週に3本(約45分)視聴していくと5か月で完了します。
講義動画は受講期間の1年間、何度でも視聴できます。
試験課題の内容は、レポート課題・ケーススタディ課題です。
課題の合格基準ですが、公式ホームページには、
レポート課題・ケーススタディ課題の両方において、発達障害児支援士としての資質が十分に備わっていると判断された場合に「可」と評価され、合格となります。
※評価が「不可」であった場合、受講期間中であれば再受験可能。
とあります。
点数評価ではなく、具体的な判断基準は不明ですが、受験期間内であれば不合格となっても再受験が可能です。
結論から言うと、発達障害児支援士の難易度は高くないと言えます。
受験期間が長いこと、暗記が必要な試験内容ではないこと、再受験が可能であること、繰り返し講義動画を視聴できることなどが理由です。
順当にいけば5か月ですべての学習が終了するため、残りの7か月で試験対策、不合格の場合も再受験にあてることができ、十分な時間を確保することが可能です。
また、公式ホームページの合格者インタビューでも以下のように答えている方がいます。
─学習内容の難易度は?
難易度っていうのは、基礎的なことだなっていうのは感じました。
ただやっぱり、ずっと指導していくと自分の癖みたいなのが出てくるんですけど、こういうのをもう一度学び直すと「ちょっとこういうとこ良くなかったな」っていう反省の機会にはなるなって風には感じます。
このように、発達障害児支援士は仕事をしながらでも取得しやすい資格で、難易度も易しいと言えます。
詳しい試験のカリキュラムは以下の通りです。
指導の心得
- 問題行動への対応やテクニックを考える前にすべきこと
- 子ども・保護者への接し方
特性への対応
- 急な予定変更・初めてのことへの拒否反応への対応
- 偏食・同じ行動を繰り返すなどへの対応
- 活動参加・学習指導
(集中力が続かない・学習が定着しにくい・文字を覚えられない・板書を写せないなど)- 生活上の困難について
(忘れ物が多い、エコラリアなど人とのコミュニケーション)- 運動発達・操作性について など
問題行動への対応
- パニックの対処法
- 勝負へのこだわりが強すぎる
- 自傷・他害
- 間違いを認めず言い訳をする など
身辺自立
- 食事
- トイレトレーニング
- 着替え、身だしなみ
- 洗顔・入浴、鼻をかむ、など
- 時間の概念を養う
- お金についての理解
- 体調不良を訴える
- 交通機関の利用のしかた など
ソーシャルスキル
- あいさつ
- 質問に答える
- 報告・相談をする
- 伝言をするなどの言葉のコミュニケーション
- 適切な声の大きさや周囲の空気を読む
- 適切な距離感をつかむなどの社会的スキル など
引用元:https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/hattatsushienshi/#curriculum
また、受験料、教材費を含めた受講料は99,800円(税込み109,780円)です。
SNS上では多くの合格したという声があります。
ひきこもっている間に発達障害児支援士になりました!
時間があるときにこそ勉強を。#発達障害児支援士 #コロナに負けるな pic.twitter.com/QHjLW9ohq3— たかえ/朋未 (@totoamuko) April 22, 2020
https://twitter.com/2018_sfc_dia/status/1426889133524357120
発達障害児支援士の仕事内容は?気になる給料は?
発達障害児支援士の仕事内容ですが、まず、発達障害児支援士の資格取得が義務付けられている仕事はありません。
そのため勤務する場所や形態によって仕事内容は異なります。
発達障害児支援士が活かせる現場として考えられるのは、
・保育園
・幼稚園
・小学校
・学童などの放課後等デイサービス
・児童発達支援事業教育現場
などです。
教育現場で勤務している人を対象としている資格であるため、資格を活かす仕事は上記のような教育現場での仕事になります。
それぞれ詳しいく解説していきます。
保育園・幼稚園
保育園や幼稚園ではほとんどの場合、保育士として勤務することになります。
そのためには、幼稚園教諭や保育士資格を取得していることが前提です。
仕事内容は、保育業務になります。
具体的には、児童の身の回りのお世話をする、行事の運営、保護者対応など多岐にわたっています。
発達障害児支援士の資格があれば、日々の保育業務に加え、発達障害のある子どもへの支援にあたる際に役に立ちます。
しかし発達障害児専門の教育機関ではないため、必ず知識が活かせるわけではありません。
保育士の平均年収は平均年収は320万円程度です。
小学校
小学校でも教員免許を取得後、教師として働くことがほとんどです。
そのため、教員としての業務をしながら、発達障害を持った児童を担当になった場合には支援を行うことになります。
また小学校ではまれに教員以外の補助指導員としての採用がある場合もあります。
その場合は発達障害をもった児童への支援にあたる場合もあり、発達障害児支援士の知識が役に立ちます。
しかしこのような補助員は非正規雇用が主流で、アルバイトと同じような雇用形態になることがほとんどです。
文部科学省の「平成28年度 学校教員統計調査」によると、小学校教諭の平均年収は約554万円です。
放課後デイサービス
学童などの放課後デイサービスでは、学校が終わった児童を預かるのが仕事になります。
仕事の内容は施設によって様々ですが、学習補助や監視、食事の提供等が挙げられます。
また学童などでは加配と言って、発達障害のある子ども1人に対して職員が1人付き、常に行動を見守る場合があります。
その際には発達障害児支援士の知識を活かせます。
学童などの放課後デイサービスは勤務地によって給料はバラバラです。
非正規雇用が多く、専任職員として働く場合の年収は約300万~340万円程度です。
東洋経済の記事でも、ベテラン指導員の手取りが18万円なのが問題となっていると書かれています。
このように、教育現場の中でも、給料は高くないのが現状です。
まとめ
今回は発達障害児支援士について解説してきました。
まとめると、
・発達障害児支援士は発達障害児へのノウハウに関する資格
・発達障害児支援士は自宅で受講、受験でき、難易度は易しめ
・発達障害児支援士の仕事は様々な教育の現場であり、給料は特別高いわけではない
となります。
子どもは1人1人違った個性を持っていて、絶対に正しい接し方はありません。
ですが、発達障害児支援士を取得すれば、多くの選択肢の中から子供へアプローチすることがでるようになります。
自宅で簡単に取得できる資格であるため、気になった方は是非チャレンジしてみてください。