認知行動療法士の資格取得を考えた時に
「試験は難しいだろうか」
「どんな仕事に就けるんだろう」
「給料はいくらくらいもらえるのかな」
といったことが気になると思います。
資格試験のことを知らなければ対策が立てられません。
それに加えて大変な努力をして資格を取得したとしても、仕事につながらなかったら割に合いませんよね。
そんなことにならないためにもこの記事では
記事の内容
- 認知行動療法士の試験
- 仕事と給与
- 国家資格なのか?
について解説していきます。
資格試験に申し込む前に必ず目を通しておきましょう。
認知行動療法士の試験と難易度
認知行動療法士とは心理カウンセリングに関する資格で、認知行動療法について一定の専門性を保証するものです。
日本推進カウンセラー協会という民間団体によって認定されており、年に2回、8月末と2月末に試験が開催されています。
*なので国家資格ではありません
認知行動療法とは?
さまざまな精神疾患の治療に活用されている心理療法の一つです。自分の考え方や生活習慣のパターンを分析して、それを意図的に変化させていくことで様々なストレスを軽減する手法のことです。
主にうつ病等の心理療法として有効性が確立されています。
それではどんな試験なのか解説してきますね。
試験内容と難易度
資格試験の内容は学科と実技に分かれていて下記のとおりです。
試験内容
- 学科
- カウンセリング概要、カウンセラーの理念などの科目群
- 心理学、心理療法各論などの科目群
- カウンセリグ技法、実践などの科目群
- 精神医学、心身医学、ストレス、メンタルヘルスなどの科目群
- 実技
- 認知行動療法の実践方法により、カウンセラーとしての基本的態度、カウンセリング技法について審査
ハートフルライフカウンセラー学院で開講されている認知行動療法士講座では、試験対策を手厚く行っています。
受講することで難易度を大幅に下げることができるため、合格を確実なものにしたい場合は必ず受講しましょう。
心理学関係の大学を卒業していたとしても、自信がない場合は受講を検討したほうが良いでしょう。
試験の合格率については公開されていないため、難易度を合格率から推測することはできません。
ですが、認知行動療法に関する実技試験が試験突破のポイントとなります。
実技試験では、筆記で学習した内容をいかにアウトプットできるかを試されます。
試験対策講座を受けない場合、練習相手を確保して練習を行う必要があります。
その際、カウンセリングの対象者の状況をなるだけリアルに作りこんで行いましょう。
練習のためのシナリオ例を1つだけ紹介しておきます。
シナリオ例
下記のような人物に認知行動療法を施す場合に適切なカウンセリングを実施せよ。
40歳 会社員 男性
仕事中にトラブルが起きると頭が真っ白になってしまい、パニックに陥ってしまう。
また、周囲で怒っている人間がいると「自分のせいではないか」と気になってしまい、仕事が手につかない。
認知行動療法士の仕事と給与
認知行動療法士資格試験に合格した場合、どんな仕事ができるのかはある程度決まっています。
その仕事内容や給与面について紹介していきます。
仕事内容
認知行動療法士の仕事は、主に医療や介護現場における患者さんの心のケアです。
心のケアが必要な精神疾患は多数ありますが、代表的なものを下記に示します。
主な精神疾患
- うつ病
- 統合失調症
- てんかん
- 気分障害
- 依存症
どの疾患も長期化、慢性化しやすく接し方が難しいものばかりです。
資格取得の目的は現場でスキルを活かすことですから、勉強内容をどう実践していくかを考えることが大事になります。
認知行動療法の基本は習慣や考え方を意図的に変化させることです。
投薬等がないため副作用の心配がないのも特徴です。
それゆえ、カウンセラーの技量ですべてが決まってしまうとも言えます。
相手から話を引き出し、根本的な問題となっていることは何なのかを突き止め、寄り添い、二人三脚で治療していく覚悟が必要でしょう。
給与
認知行動療法士として働く場合、正社員であれば月収16~30万円が一般的な額です。
非常勤としてであれば時給1200~1400円程度となります。
他の仕事に比べて、特別給与が高いということはありません。
認知行動療法士の受験資格
認知行動療法士の資格試験を受験するためには、下記の要件を満たす必要があります。
受験資格
- 日本推進カウンセラー協会認定の心理カウンセラーであること
かつ以下のどちらかを満たすこと
- ハートフルライフカウンセラー学院が実施している認知行動療法養成講座を修了している者
- 大学の心理学部または、それに隣接する学部を卒業している者
心理カウンセラーというのは別の資格であり、別途試験を受ける必要があります。
心理学関係の大学を卒業している場合、心理カウンセラーの取得をもって受験資格を満たせます。
その他の大学を卒業している場合は合計16時間の認知行動療法講座を修了することで、ようやく受験資格を得ることができます。
受験資格を得るために他の資格が必要になるため、計画的な行動が必要です。
認知行動療法を習得するメリット
認知行動療法士ということは認知行動療法について他者に適用することが可能です。
ここで忘れてはならないことがあります。
他者に出来るということは自分にも適用することができるということです。
実際に認知行動療法士の資格を取得した人達は、人生観が変わったという声が多くあります。
一例を紹介すると下記の通りです。
(前略)
私にどのような効果があったか報告します。
☑もともと強かった怒りの感情をコントロールできるようになりました
☑他人に対して批判・批評するクセが無くなりました
☑心が安定し静かな状態が続いていますこの文章を書いている2019年6月は、私の社会人人生で最も忙しい時期でした。
しかし、カウンセリング技術を覚えたことで乗り切ることが出来ました。特に認知行動療法は、「考えの歪み」を「バランスの取れた考え」へと直す強い効果がありました。
(後略)
このように、認知行動療法を学ぶことはカウンセラーとしての仕事のためだけではありません。
自分の人生を充実させる、現業に活かすといった目的であっても大きなメリットがあります。
まとめ
認知行動療法士について解説してきました。
ここまでのポイントをまとめると下記の通りです。
まとめ
- 認知行動療法士になるためには心理カウンセラーを取得する必要がある
- 給与は普通の仕事と大きく違わない
- 民間資格なので、国家資格と比べると取得する優先度が低くなる
どうしても国家資格である公認心理士と比べると見劣りしてしまいます。
しかし、認知行動療法に特化して知識を深めることを目的とするならば取得を考えてもよいのではないでしょうか。
資格試験受験の参考になれば幸いです。