医師の業務のサポートの役割を果たす医師事務作業補助者。
医療事務のサポートを行うやりがいのある職業のため、将来医師事務作業補助者の仕事に就きたいと考える人もいるかと思います。
しかし医師事務作業補助者の仕事をするにあたって
「資格はいるのかな?」
「資格の難易度はどれくらいか」
「独学でとれるのか」
といった悩みや疑問も多いのではないでしょうか。
そこで、そのような悩みや疑問を解決するために、この記事では
・医師事務作業補助者に資格は必要か
・医師事務作業補助者の資格の難易度はどれくらいか
・医師事務作業補助者の資格は独学でも可能か
について詳しく説明していきます。
目次
医師事務作業補助者に資格は必要か
結論からいうと医師事務作業補助者になるには資格は必要ありません。
なぜなら医師や看護師などは資格を必要としますが、医師事務作業補助者は無資格でも求人募集をしているからです。
そのため無資格であっても求人があれば積極的に応募した方が良いでしょう。
ただ、医師事務作業補助者になるためには資格は必要ありませんが病院に採用後、6ヶ月の研修期間と32時間研修をしなければなりません。
6か月間の研修内容は以下の通りです。
(4) 当該責任者は、医師事務作業補助者を新たに配置してから6か月間は研修期間として、業 務内容について必要な研修を行うこと。なお、6か月の研修期間内に32時間以上の研修(医師事務作業補助者としての業務を行いながらの職場内研修を含む。)を実施するものとし、 当該医師事務作業補助者には実際に病院勤務医の負担軽減及び処遇の改善に資する業務を行わせるものであること。研修の内容については、次の項目に係る基礎知識を習得すること。また、職場内研修を行う場合には、その実地作業における業務状況の確認及び問題点に対する改善の取組みを行うこと。
引用:診療報酬どっとこむ
上記のように6ヶ月の研修期間に「業務内容について必要な研修を行う」となっており「実際に病院勤務医の負担軽減及び処遇の改善に資する業務を行わせる」こと以外は具体的な研修内容や研修方法は決まっていません。
また、32時間研修の内容は以下のようになっています。
ア 医師法、医療法、薬事法、健康保険法等の関連法規の概要
イ 個人情報の保護に関する事項
ウ 本院で提供される一般的な医療内容及び各配置部門における医療内容や用語等
エ 診療録等の記載・管理及び代筆、代行入力
オ 電子カルテシステム(オーダリングシステムを含む
以上の5項目が入っていれば研修の内容や方法などは病院で自由に決めることができます。
就職を有利にするためには32時間研修を事前に受講しておくのが良いでしょう。なぜなら受講済みであれば病院側からすれば研修する手間がなくなるからです。
32時間研修の代わりになる講座は専門学校や通信講座、病院などの団体が有料で行っています。
ただかかる費用は通信講座や有料講座などで35.000円~70.000円程、専門学校で1.000.000円程と少し割高になっているので、事前学習の手段として32時間研修は免除されませんが、就職に有利になる医療事務作業補助者の資格を取っておくことをオススメします。
医師事務作業補助者になるために資格は必要ありませんが、資格を取るメリットは以下の通りです。
・事前に資格を取ることで、採用後の研修でも苦労しない
・あらかじめ学習することで研修での不安がなくなる
・知識や事務作業のスキルがあることをアピールできる
医師事務作業補助者になりたいけど、いきなり研修を受けるのはついていけるのか不安…という方や就職でアピールしたいという方は、資格をとってみてはいかがでしょうか。
ということで内定決まりました( ˙-˙ )
急性期一般病院の、医師事務作業補助者です( ˙-˙ )未経験ですが頑張ります( ˙-˙ )医者怖かったらどうしようあばばばばばばば— くらげ@勤続一年 (@kura2_ge) November 28, 2018
医師事務作業補助者の資格の難易度はどれくらいか
結論からいうと医師事務作業補助者の資格の難易度は高くありません。
なぜなら医師事務作業補助者関連の資格はいくつかありますが学科試験は選択式になっており合格率が高いからです。
医師事務作業補助者関連の資格には
・医師事務作業補助技能認定試験
・医師事務作業補助者検定試験
・医師事務作業補助者実務能力認定試験
の3つがあります。
試験の合格率
資格の種類 | 合格率 |
医師事務作業補助技能認定試験 | 60%前後 |
医師事務作業補助者検定試験 | 60%程度 |
医師事務作業補助者実務能力認定試験 | 60~80% |
試験の合格率を比較すると医師事務作業補助技能認定試験は60%前後、医師事務作業補助者検定試験は60%程度、医師事務作業補助者実務能力認定試験は60~80%となっています。
この中でも技能認定振興協会(JSMA)が主催している、医師事務作業補助者検定試験の取得をすることをおすすめします。
なぜなら受験資格は不問になっており、資格に合格すると「ドクターズオフィスワークアシストⓇ」の称号を取得することができるからです。
ドクターズオフィスアシストは医師が診療業務に専念できるように配置される事務専門職であり、知識とスキルがあることを証明できます。この称号はJSMAの登録商標なので試験に合格した人でなければ「ドクターズオフィスアシスト」と名乗ることはできません。
医師事務作業補助者検定試験の概要は以下の通りです。
受験資格 | 不問 |
試験時間 | 実技・学科あわせて2時間 |
試験内容 | 学科ー選択問題
実技ー文書作成(カルテから診断書や処方せん、などを作成する問題) |
出題範囲 | 医師事務作業補助者とは
医療関連法規 医療保険法規 医療保険制度 介護保険制度の概要 個人情報保護 電子カルテシステム 医療機関の安全管理 院内感染予防 医学・薬の基本知識 診療録の記載事項・院内帳票・各種診断書・証明書・申請書作成 |
医師事務作業補助者検定試験の合格基準は学科、実技の各分野で約60%以上の正答、かつ合計で約85%以上の得点をすることです。
医師事務作業補助者を目指すのであれば受験資格がなく難易度も高くない医師事務作業補助者検定試験を取得してみるのはどうでしょうか。
https://twitter.com/rino_12_26/status/1116588202150653954?s=20
医師事務作業補助者の資格は独学でも可能か
結論からいうと医師事務作業補助者の資格は独学でも取れます。
なぜなら医師事務作業補助者検定試験は実務経験は必要なく、難易度も高くないので独学でもテキストなどを使った学習で十分合格をねらえるからです。
試験の対策として学科の場合はテキストで知識をつけ過去問を繰り返し学習しましょう。
実技の場合はテキストを参照し実際に作成できるようにします。作成する際に注意したいところは下記の通りです。
・何のための書類なのか理解すること
・提出先は誰か、その人が必要としている情報を書くこと
・氏名・住所・病院名などの間違いがないか確認をすること
・日付の確認をすること
・年齢早見表で年齢を調べたときに、誕生日が来ていないときは若くなる
・医師の署名は記入しないこと
・テキストと違う書式が出題されたときも落ち着いて見れば分かる
以上のことに注意して作成しましょう。
医師事務作業補助者検定試験のテキストは以下のものがオススメです。
医療事務 BASIC 問題集 2021
引用:amazon
こちらの問題集は医師事務作業補助者・電子カルテの過去問の解答と解説があり、繰り返し学習することで試験の傾向がつかめるでしょう。
医師事務作業補助 実践入門BOOK
引用:amazon
こちらのテキストは医師事務作業補助に必要な基礎知識と実践ノウハウが記載されている入門書になります。
以上のように、医師事務作業補助者の資格試験を受ける方向けのテキストが充実しているので、それらを活用しながら資格取得を目指しましょう。
まとめ
今回は医師事務作業補助者として働くために必要な内容を詳しく説明してきました。
まとめると
・医師事務作業補助者に資格は必要ない
・医師事務作業補助者の資格の難易度は高くない
・医師事務作業補助者の資格は独学可能
となります。
現在、医師の負担が多く、業務内容を軽減するために医師事務作業補助者のニーズが高まっています。そのため医療の現場で役立ちたいと考えているなら挑戦してみてはどうでしょうか。